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運命の道標:十干の解釈①

平面五行説による十干解釈 甲・乙・丙・丁

「甲木性情」

質は強く、性は直(注・木性の活動は上に伸びるところに特徴があり曲直するという)。徳は仁(奉仕・行動)。色は青、味は酸、声は濁とする。
体は長身にして、木性自身が喜ぶ現象は萌と動である。
時期到来すれば隆棟の材となり、時所を失えば朽腐の廃材となる。
また剋される方が多すぎれば(金剋木の理法によって金性庚申酉が命運に多ければ)鋸屑となって四散するであろう。
木性は水性によって生扶されるが、これとても過多であれば漂流して止まる所がない。
甲木の性は身が旺じ過ぎ、それを押さえるものがなければ自信過剰となって世の中の常道からそれやすい。
この甲木も一年四季節に分類することができ、秋の甲木を死木年、春は剛木、冬は根幹の木(養分が根だけに集まる)、夏は大樹とする(冬とは逆に枝葉が茂る)。
甲木は疎土の用(土の力を押さえる役目を持つ)とし参天の勢を持つが、一度折れると立ち上がれない。しかし風雪には相当の力をもって耐える。
生命の象徴とする。

「乙木性情」

質は潤、性は曲(甲木の性が直であるのに対し、乙木は草木であるところから曲の性を持つとする)。徳は親(和合、協調)、色は碧、味は甘酸、声は婉転(まろやかな音調)、体質は柔軟な動きをし、党を結ぶ特徴がある(集団行動に利点があり他人と協同又は強調し合って生存する)。
出処進退を心得ない面を持つが、一度や二度折れても必ず芽生えるエネルギーを持つ。
時を得れば繁華のなり時を失えば枯朽に至る。
矯揉の作用を特色として、世情に従う質を持っている。
乙木を小分類すると,春の生木、花卉、夏の湿草、枝葉、秋の禾木、蓮根類に分けられる。草木の質は粘りを利とし細心執拗、進取の気概にかける。そのために心の不安定が多い。
甲木を日輪に例えれば乙木は月である

「丙火性情」

質は廉(きらびやか、派手)、性は烈(激しい)、徳は礼、色は紫赤、味は苦辣、声は蒼雄(あわただしいが雄壮)、体は自ら注意深く健強である。行動や表現に抑揚があり明るい。
時を得れば輝光充溢(その光やエネルギーが四方へ行きわたる)、勢いに乗れば苛烈となる。
丙火は天上の火であるために水の制御を備えて礼節が成る。
金を失えば先が見えない人となり、人の心も理解できない人となる。
器としては大材であるが恒常性に欠ける面を持ち、転交(方向転換)には異常の才を発揮する。
他人の干犯を許さず剛腹な人となりを作るが神経は細心で威儀を誇示する。
天にあって太陽の光となし、エネルギーとして物を熔化育成する力は大きい。
陽気な性格をもって周りを明るくする人間性があり決断力は早い。恒久性は少なく多弁的傾向を持つが、推測できない程の変身を見せることがある。
丙火の特性として人間を超越する程のエネルギーを発揮する人と、その逆とに分かれる人との差がはっきりとしている。

「丁火性情」

質は媚、性は順、五徳中怜を司る。色は淡紅、味は爽快、声は清亮にして体は秀、抑揚があり表面の柔軟を保つ。
行動は敏にして穏やか、時を得れば能く剛暴を押える。よく人の裏面を見、洞察力に勝れるが、命を失えば灰燼となり窮愁呻吟す。「卑僕賤妓窺狎顔色」(身分いやしき者が人の顔色を窺って狎れるような性を持っている)。
その閃鋭な時に当たれば人の心を傷つけ、深性にして柔侒、計り知ることが出来ない。
天にあれば星光となし、直効はないかに見えるがその価値は大きい。
地にあれば有効の火とし暖炉、照明の用となり、物に似附して燃焼を持続する。
丁火の性情は用意周到と放縦が混在し、移り気多く初心遂行のためには相当の自我を必要とする。
集中力が明滅し自己顕示に精力を消費する傾向がある。

十干の性情は高尾宗家算命学体系より

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