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vol.8 6/3-6/4開催「学大高架下MARKET DAY !」レポート 〜小さな縁がつながった特別な2日間〜

去る2023年6月3〜4日。碑文谷公園付近の学大高架下のオープンスペースにて、『学大高架下 MARKET DAY! 』が開催されました。

まずは、関わってくださったすべての皆さま、本当にありがとうございました!

開催直前には、まさかの台風接近。活発な梅雨前線によって各地で大雨が降り、関西方面からの新幹線がストップするなど、さまざまな混乱が起きていました。

前回開催したイベント『学食』に続き、またもや雨予報。しかもよりによって台風襲来……。

しかし大雨が降り続くなかでも「雨天決行」を掲げ、準備を続ける姿には、筆者も運営チームの強い覚悟を感じました。

当日早朝の運営チーム。
朝の準備段階ではまだ雨が降り続けており、カッパを着ながらの作業
出店者の方々も続々と集まり、準備を始めます。

そんなこんなで迎えたマーケット初日。天候の影響で搬入が遅れる出店者の方々もちらほらいたものの、予定通り午前11時にはゆるやかにオープンしました。

心配していた雨もお昼過ぎには止み、少しずつお客さんが集まり始めてすぐに賑やかな雰囲気に。時間を追うごとに人が増え、マーケットらしい景色を見ることができました。

そして翌日4日は汗ばむほどの晴天に恵まれ、11時のオープンと同時にたくさんの方が来場。前日を上回る盛況ぶりは、CLOSEぎりぎりまで続きました。

会場でキャッキャと楽しそうに遊んでいた可愛らしいキッズたち。
出店者同士の交流も

最終的に2日間を通してご来場いただいた方は、およそ1万人! この数には、運営チームもびっくり。

想像を越える賑わいを見せた『学大高架下 MARKET DAY! 』の当日の様子を、記録係のムラヤマが怒涛の超ロングレポートでお届けします!

碑文谷公園側に向けて、学大高架下に新たな人の流れが
来場者の多くは、周辺住民の方々

3つのマーケットに80のお店が集合!

今回の『学大高架下 MARKET DAY! 』は、大きく3つのマーケットで構成されていました。

・FOODマーケット
食や暮らしにまつわる物販や、ドリンク・アルコールの販売
・アンティーク&クラフトマーケット
古着や骨董品、アクセサリーなどセレクト雑貨の販売
・みんなのシェアマーケット
似顔絵やハンドメイド雑貨など、学大周辺住民による「まちの人に紹介したいもの」をシェア

FOODマーケットは、オーガニック野菜など厳選された食材を販売するFOOD&COMPANYさん、アンティーク&クラフトマーケットは、アンティークとアートを融合させた、ユニークなプロダクトや企画を展開するAquviiさんにそれぞれプロデュースを依頼。

どちらも鷹番3丁目にお店を構える、学大に縁の深い方たちです。そんな2社にご協力いただき、当日は個性豊かな80のベンダーが出店してくださいました。

さらに、地域のマーケットらしく、公募で集まった学大周辺住民によるマーケットエリアも設置。「まちの人に紹介したいもの」をテーマに出店していただきました。

それぞれのエリアの2日間の様子をざざっとご紹介していきます!

こだわりの食と豊かな暮らしのアイテムが並ぶ、FOODマーケット

一番駅側のエリアは、食や暮らしにまつわる物販が並ぶFOODマーケット。美味しそうな焼き菓子やパン、ジャム、カレー缶、グラノーラなどがずらっと勢揃い。

GOOD MORNING FARMさんからは、彩り鮮やかなジャムやピクルス、オイル漬けが。
北千住でお茶の販売をしているKIKIさん。「学大には暮らしの豊かさと気の抜けた感じが同居していて、自分たちに合っている気がします。新しいものへの感度が高くて、汲み取ってくれる人が多いけれど、皆さん気取っていないのが素敵ですよね」。

会場内で楽しめるチェーなどの甘いドリンクや、ハンバーガー、​​お酒好きには嬉しいクラフトビールの販売も。昼から乾杯を交わす声があちこちで上がっていました。

方南町の商店街にある醸造所でつくられたHONAN LOCAL GOOD BREWERSさんのクラフトビール。両日ともに大人気でした。
好きな古着屋さんが出店するという情報を見てご来場いただいたキュートなおふたり。(同じ会社の先輩と後輩なんだそう!)Patagoniaのビールで乾杯!
イートインスペースも。ファミリー同士で談笑する姿をたくさん見かけました。
パテを潰して焼くスマッシュバーガーは、行列ができるほどの人気。会場中にジューシーな香りが漂っていました。完全に飯テロ。
Chè 333(チェー バーバーバー)さんの絶品チェー。「最初はどうなるかと思いましたけど、楽しいです! 大盛況で、何度氷を買い足しに行ったかわからないですね。ローソンがもうちょっと会場に近づいてくれないかなって(笑)」

「古着屋さん目的で遊びにきたけれど、雰囲気が良くてついハンバーガーとビールを衝動買いしてしまった」と話すご夫婦もいらっしゃいました。

個性的な古着や雑貨にワクワク!アンティーク&クラフトマーケット

一方、碑文谷公園側のアンティーク&クラフトマーケットには、古着や骨董品、アクセサリー、雑貨、植物などが並び、FOODエリアともまた一味違う、色鮮やかでポップな世界が広がっていました。古着街のような光景がとても新鮮です。

そしてショップの皆さんも、集まるお客さんも、皆さんおしゃれ......! 外国からのお客さんもたくさんいらっしゃっていました。

素敵な笑顔、いただきました!
ひょっこりカメラ目線! すごい数のピンバッヂが並んでいます。
LÁŽO PLÁŽO(左)とtaiso_(右)の皆さん。どちらも多摩美術大学出身のメンバーで立ち上げたブランドで、今回はコラボ出店してくれました。taiso_さんは以前、学大の「準備中」で展示も。
ZINEやアクセサリー、ハット、ミニバッグなど、どれもばちばちのセンスの良さとこだわりを感じます。つい目を惹かれてしまいました。
ポップでかわいい靴下たち。

アンティーク&クラフトマーケットエリアのお客さんは、「好きなお店が学大で出店しているとSNSで見て遊びにきた」という方がたくさんいらっしゃいました。

「学大には夜にお酒を飲みに来るくらいだったけれど、昼もいい雰囲気ですね」と、マーケットを通して新しい学大の一面を知っていただくきっかけになったようです。

出店者の皆さんも、FOODマーケットエリアで買ったお酒や食べ物を手にしているのを何度も見かけ、お客さんとしてもマーケットを楽しんでいる姿が印象的でした。

学大民の発信の場。みんなのシェアマーケット

真ん中のエリアでは、学大周辺住民による「まちの人に紹介したいもの」をシェアするマーケットも。自分の得意や好きを自由に発信できる場として、今回も6組の方々が出店してくださいました。

それぞれの作品である絵、写真、小物を販売する3人組。ポップでやさしい世界観が広がっていました。
主婦のnimuさんは、自身のハンドメイド作品と実家に眠っていたレトロ食器を販売。以前『学大高架下BOOK MARKET』にも参加していて、今回は念願のハンドメイドマルシェだったのだそう。
祐天寺に住む、くろいしさんご夫婦。デザイナーの妻・えりなさんによるゆる~い似顔絵サービスが人気でした。夫・よしとさんは、まちを盛り上げる取り組みをしたいと思い、祐天寺で子どもが作るローカルマガジンを製作中なんだそう。

学大周辺に住むご近所さんだからこそ、まちについて気軽に話せるのも楽しいポイント。ここにもゆるやかな繋がりが生まれていました。

初日で予約いっぱいに?大好評だったワークショップの数々

さまざまな体験ができるワークショップも大人気でした。ラインアップは手相診断、茶碗づくり、サンキャッチャーづくり、シルクスクリーン体験とこちらも個性豊かです。

「旅する手相屋さん」のフェイフェイさんによる辛口手相は、自分の知りたいテーマをもとに、手相診断をしてくれるというもの。10分間でみっちりこれでもかというほどいろいろ教えてくれます。

筆者も高校生の時ぶりに手相を診てもらいましたが、仕事から健康、恋愛まで今の状況と悩みに当てはまりすぎていて震えました。フェイさんのキャラクターもあり、最後はとても前向きな気持ちに。

来場されたお客さんだけでなく、同じ出店者の方たちからも大人気で、次々と予約が埋まっているようでした。

途中からは、ほぼ人生相談に。「ほかは全部いいのに、健康面だけがヤバい」とのこと。気をつけます......。

茶碗づくりの講師を務めるのは、元寿司屋「大松」跡につくられたオルタナティブスペース「準備中」。

自分のための白いお茶碗を作れるワークショップで、お子さんから大人まで幅広い年齢の方たちが思い思いの形にこねこねしていました。ここで形作ったお茶碗は、「準備中」のスタッフが乾燥、素焼き、釉掛け、本焼きをし、8月1日から始まる「私の白茶碗展」の会期中に受け取れるのだそう。

一度はまちで作品として展示されるという、クリエイティブ心がくすぐられる仕掛けも粋ですね。

既存のお茶碗の概念に囚われない、独創的な作品ばかり……!

CHIHIRO WATANABEさんによる、自然素材のビーズを使ったオリジナルサンキャッチャーづくりは子どもたちに大人気!

自分のなかにある"好き"の感覚を思う存分表現して、世界に一つだけのサンキャッチャーを作ります。カラフルなビーズや、太陽の光が反射する様子に、子どもたちの目もきらきらに。

学大エリア在住の親子連れが多く、初日で翌日分の予約もすべて埋まってしまうほどの大盛況ぶりで、WATANABEさんも嬉しい悲鳴を上げていました。

見せてくれてありがとう〜!ナイス!

また、会場内ではPOPAPさんによるシルクスクリーン体験と同時に、「エコバッグ交換会」という取り組みも。

家で使わずに眠っていたエコバッグを持ち寄り、それに紐づく思い出をタグに記入することで、代わりにほかの人のエコバッグを持ち帰ることができるという仕組み。

POPAPの皆さん。Tシャツやバッグへのシルクスクリーン体験も盛況でした。眼鏡のお兄さんが手にしているのは、530さんのグレープフルーツサワー。

思い出やストーリーの詰まったバッグがただ捨てられるのではなく、また別の誰かの手に渡り、まちの中で循環していくと思うと、何だか素敵ですよね。

学大在住のお客さんが多く、中には会場でこの企画を知り、一度家に戻ってエコバッグを持ってきてくれた方もいたのだそう。ご近所さん同士の新しい出会いのきっかけとしても、可能性がありそうだなと感じました。

マーケットを通じて感じた、“まちの縁側”としての大きな可能性。

初めての試みだった今回の『学大高架下 MARKET DAY! 』。天候を含めてさまざまな不安があったなか、予想を遥かに超える盛り上がりに、運営チームも驚きと喜びでいっぱいです。

「皆さん楽しんでくれていたみたいで安心しました」と語るのは、今回アンティーク&クラフトマーケットのプロデュースを務めたAquviiの川辺恭造さん。今回のマーケット開催を経て、今後の学大への期待を聞いてみました。

Aquviiの川辺恭造さん(左)

「このままでいてほしい気持ちと、もう少し混ざり合ってほしい気持ちが半々です。今の学大はまだお店同士がぶつ切りな気がして、2軒は繋がっているけれど、3~4軒は知らないという人たちが多い印象。

今回のマーケットの出店者にはそういう人たちを呼んだので、これをきっかけに顔見知りになってもらえたらいいし、お店同士が繋がるとまちとしてももうちょっと面白くなるんじゃないかなと。でも急激に良くなるのは学大らしくない気がするから、グラデーションで少しずつ変わっていくのがいいのかなと思います」

FOODマーケットのプロデュースを担当した、FOOD&COMPANYの盛岡絢子さんも、お店同士の繋がりについて語ってくれました。

「私たちFOOD&COMPANYは学大で10年お店をやっていますが、今まで学大にはこういうイベントができるスペースも、お店同士が集まる機会もなかったので、横の繋がりを作りたくてもなかなか作れなかったんです。だから今回、こうやって広場で学大のまちを好きな人たちが一堂に会することで、お客さんだけでなく出店者同士の繋がりができてすごくよかったなと思います」

FOOD&COMPANYの盛岡絢子さん(中央)。ちなみに田久保彬さん(右)は、学大高架下のロゴのデザイナーさん。

出店者への声掛けは、シンプルに「学大が好きな人集まれ!」だったのだそう。飲食がメインだった前回の『学食』ともまた違う、物販中心のマーケットならではの素晴らしい出店者さんたちを紹介できてよかったと盛岡さんは話します。

学大の人が学大を好きなことが、このまちのポテンシャルだと思います。私は、人があたたかくて情緒が大事にされるところが好き。それに、伝えたいことや思いがあるからお店をやっている個人店の人たちがすごく輝いているので、これからも彼らがきちんとフックアップされる場を作りたいし、出店者も含めて楽しんでもらえる場になると面白いのかなと思います」

実際に2日間の中で、出店者同士がゆるやかに繋がって買い物をし合っていたり、いつの間にかお客さんが接客を手伝っている姿も見受けられたりと、とてもフラットな空間が生まれていました。

こうした光景こそがまさに、これからの学大高架下が目指す、“まちの縁側”なのかもしれません。

当日の様子をまとめたムービーもぜひご覧ください!

ちなみに今回のイベントでも、学大住民が運営スタッフとしてマーケットに携わっていました。本記事のカメラマン・工藤さんや、このムービー撮影を担当した塚本さんも学大在住で、前回の『学食』にお客さんとして参加したのをきっかけに運営側へ。まちの住人たちでつくるプロジェクト、興味がある方はぜひ一緒に盛り上げていきましょう!

超ロングレポートを最後まで読んでいただき、本当にありがとうございます。今後も高架下ではいろいろなイベントを開催していく予定ですので、どうぞお楽しみに!

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文:むらやまあき
写真:工藤綺香(BALLEGGS)
ムービー:塚本直純

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