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テナガエビ用!?ロッドメイキングに挑戦した。

#1 いろいろ”理科”してきたから

 そろそろロッド(釣り竿)を作る。
 のだが、このタイミングで4月を迎えた。そう、新学年が始まる。
 にも関わらずロッド作りとは、「まだ春休み気分か!」と言われそうな後ろめたさはある…ものの、ここは”理科”実験の延長という私的見解をもちだす。
 それでも、一人でやっていると誤解を招きそうなので、サイエンス部水棲班の中学生エースを誘うのだった。

 目標は部員たちにも人気のタナゴやテナガエビを釣るための1m程度の竿に設定。
 ブランクスの素材は竹。生物の先生として、まずは竹という植物を使うことに意味がある…と思う。手軽にホームセンターの竹箒を利用することにした。

 竹箒をバラした後の手順としては、枝をカッターナイフで落として曲がった部分をガスバーナーで温める。十分に温めると曲がりを真っ直ぐに整える事ができる。

上から順に加工前→調整1回目→調整2回目


 植物の繊維(細胞壁)はセルロースが主成分なので、温めれば柔らかくなる。もちろん、冷やせば固まる。この性質を利用して調整していく。しかし、燃えてしまうと、当たり前だが強度は下がる。穂先に近くなる程、細くなるので要注意。

燃やさない。慎重に温める。
ちょっとずつ調整して真っ直ぐにしていく。

#2  フィールドで考えよう

 ロッドを作り始めたら完成してもいないのにタナゴとテナガエビを釣りたくなった。そこで急遽、水元公園に行くことになった。
 もちろん、中学生エース2名と一緒の釣行だ。ところが、事もあろうに大人の私が山手線で乗り換えミス。危うく集合時間に遅れそうになるもギリギリセーフ。しかし、エース達に遅れをとる。すまん。
 水元公園の狙いのポイントには前日の雨の影響もあり、普段はない流れもあった。ただ、それよりも達人の風貌をした人生の先輩方が並ぶ光景に圧倒される。そして、達人は時折、綺麗な婚姻色を呈したタイリクバラタナゴが釣り上げる。
 私たちといえば、3名で何とかモツゴ多数、ヌマチチブ1匹、テナガエビ1匹を手にする事ができたが、季節はずれのゲリラ豪雨に今われ、残念ながらタナゴは手にできないまま撤収。

かろうじてテナガエビ。
中学生エース達もよく釣るなぁ。

 帰り道の夕まずめのタイミング。家前の里川でまあまあサイズのスモールマウスバスを発見。持ち合わせのルアーを投入からの…まさかのラージマウスバスが釣れる展開に胸熱となる。
 そもそも、家の前でバスが釣れる日が都内で実現するとは思わなかった。ここでも、外来魚が一生懸命に生きている。

帰り道。ほぼに自宅の前でバスを釣る。
テナガエビロッドとは関係ない釣り。

#3  ロッドのデザイン決まる

 水元公園の釣行で作りたいロッドの構想が固まった。取り回しの良い短さと長く仕掛けを送り込めるという矛盾を両立させたい。そこで、愛用するM社の”ガイド付き”延べ竿をオマージュしてみる事にした。ちなみに、私の作るロッドは振り出しではない。

 なお、この釣りに使うラインは0.4~0.8号程度なので、小口径のガイドを釣具屋さんで購入。

 それにしても、新学期が始まると平日の作業は難しい。お休みの日を利用して少しずつ進める。
 ガイドは竹の節間に5つセッティングすることにした。バランスは後から考えることにし、「今回は小口径の軽量ガイドだから、あまり重くなることはないだろう」と考えた。よって見た目を優先。細かい事は最終的にはグリップをつけてからだ。そんなこんなで、ガイドの取り付けまで完了。

リール竿のようで延べ竿というフェイント。

#4 グリップが決まらない

 あとはグリップ装着という段階で立ち止まる。「グリップのアイデアが湧かない。」
 何と無く、紐を巻いてみたが…違う。ホームセンターで丸材を買ってきてつけようとするも…違う。手ぶらで帰宅。
 数日放置してみた。
 グリップも竹にしたくなった。しかし、困ったことに程よい竹がホームセンターには売っていない…。
 せっかく竹箒で楽をしたのだが、グリップを探しに結局、山に入ることにした。体力作りのトレイルランニングで走るルートに都合の良い竹林があった。そこに向かおう。

トレランがロッド作りに役立った。

 山に分け入れば、釣竿の宝庫である。「どうせここまで来るのなら…なぜ竹箒で…」は考えないことにして、物色する。とは言っても、生竹には手出しをしない。あくまでも山は私有地。無許可伐採はご法度な気がする。打ち捨てられているものから選ばせていただいた。

大量にゲット!遊びの夢が広がる。

#5 ラストスパート

 こうして、好みの竹グリップを入手したら我慢ができなくなった。エポキシ系の接着剤をフル活用して一気に組み上げていく。グリップ用に加工した竹に穴を開けて、何と無く持ちやすいバランスになるようにブランクスを差し込む。

グリップの僅かな曲がりはそのままに。
うん、いい感じ。

 糸巻きも取り付けて、いよいよタックルバランスの調整だ。ここで、過去の検証が生かされる。

 エサ釣りは竿先を水面に近付けて待つから多少は先重りのバランスに仕立てたい。
※先重り…重心がややグリップより前のバランス

あ、出来てる。

はい。完璧です。
何と無く持ちやすいバランスになるように』で、ほぼ完璧なバランスどりが出来ていたようだ。しかし、過去の検証が役立った気がしない。

こうして出来上がったテナガエビロッド。
出来映えは最高。

実釣はGWに!

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