ドラゴンボール ここが面白い【フラレるヤムチャ】【拾われるベジータ】【オラ、わくわくすっぞ】

 ドラゴンボール以降、少年漫画の主人公が孫悟空っぽさを踏襲することが多かった気がします。
 ・やんちゃ
 ・正義感が強い
 ・大食い
 ・ツンツン頭
 のうちのどれかは踏襲してるキャラが多いのでないでしょうか?
(ナルト、ルフィ、遊戯王etc)
 
 またドラゴンボールで個人的に印象的だったのは、作品のなかでキャラたちが成長して、キャラ同士でくっつくとこですね。
 ヤムチャはもともとブルマと付き合っていたけど別れて、そんで行くアテのなくなったベジータがブルマに拾われて、気づいたら結婚してるみたいな。
 途中の恋愛描写はあんま描かれないんだけど、気づいたらキャラ同士の関係性が変化しているのが面白かったです。(マイルドヤンキー界隈でも、わりと近しい間にでくっついたりはなれたりありそう)
 18号といいチチといい、気の強い女性を良く描かれるなあとも思います。
 
 80年代から90年代にかけては時代が暗くなるんですが、その暗さをストレートに反映するような作品もある一方で、ドラゴンボールみたいにカラッとした作品も案外あってこれも面白いですよねー。
 「かめはめ波」とか「フュージョン」とかみんなマネしていましたが、難民キャンプでも子供は元気みたいな話じゃないけど、そういうのは普遍的に必要とされるのかななんて思ったりしますねー。

 孫悟空は悩まない。
 孫悟空ってキャラは、何があっても「オラ、わくわくすっぞ」って言っていて、それだけ。
 でもアノミーな時代で、「ドラゴンボールみたいな感じを信じれば道は踏み外さないんじゃないか」と、まるで暗い海を航海する船にとっての灯台みたいに信じられていた部分もあったんじゃないかと思います。
 
 絵の面でも大友克洋なんかとともに革命的で、平たく言うと立体感、奥行き、キャラのリアル感が爆上がりしたんですね。
 それが架空の漫画のキャラを本気で尊敬するみたいな感じ方を強化してるのではないかと考えています。
 鬼滅の刃の煉󠄁獄さんも、偉人みたいな扱いだけど、煉󠄁獄さんのまっすぐに利他的な感じも、孫悟空の感じに通じる構えがあるような気がしませんか?
 そういう方向で、なんかイノセントなものが伸びてきたのも平成以降の流れかなと思います。

 

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