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激安ライトドーム NiceFoto90cm を試す

以前からAputureのLightDomeシリーズはとてもお手軽で良さそうと思っていました。一部のフォトグラファー、ビデオグラファーの中でも話題になり、YouTubeのレビューもチラホラ見てきました。

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まず、この手のライトドームの有用性を自分なりに一言で説明するとすれば、「柔らかい光を、スポットライト的に当てる事ができる」という感じかと。

「光を拡散させる」と「光を集光する」という一見相反する効果を上手に組み合わせる事ができる道具、それがこういったグリッド付きのドーム型ソフトボックスの役目だと思います。具体的な効果を見たい方は、この記事の下の方をスクロールすると作例があります。

効果もさることながら、現場でのセットアップがとても便利そうで、そういう意味でもAputureのLightDomeに目を奪われていた訳です。ただ、お値段がそこそこするので、なんとなく後回しになっていました。(いや決して高い訳ではない、むしろこれまでのライト機材の相場からすればAputureは圧倒的に安い)

そんな折、Amazonを徘徊していると、いくつか模倣品のようなものを発見し、その中でも自分が注目したのがNiceFotoというメーカーの90cmタイプのソフトボックス。なんとAputureのLightDome(II)の1/3の値段。評価を見る限りは悪くなさそうで、気づいたらッポチっていました(汗)

で、使ってみてどうだったかと言えば、結論から言えば、ここ最近買ってよかった撮影機材ベスト5に入っています。

ボーエンズマウント仕様で汎用のLEDライトに使える。

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Aputureの120Dや300Dに代表される大型COB LEDを使った高輝度スポッライト、もしくはGODOXなど比較的安価なストロボにも採用されている、汎用のボーエンズマウント仕様なので、この手のライトにはほぼ使えると思います。ちなみに自分はSkierというメーカーのSunrayCUBE 200Wというライトと組み合わせて使っています。最近は色温度が変えられるBi-Colorタイプが出ているようですが、自分が持っているのは一世代前のデイライトタイプ、コンパクトで高出力、そしてすごく色が良くて気に入っています。ちなみに、SunrayCUBE 200Wに関しては、vooknote「画力をアップさせるLEDライト 3選」で紹介しています。

現場でのセットアップ、撤収がめちゃくちゃ楽

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正直、AputureのLightDomeを使ったことがないので比較はできませんが、おそらく構造はほぼ同じではないかと思います。何が便利かと言えば、グリッドやディフューザー(内・外)を装着したまま付属ケースに収納でき、セットアップ時もワンタッチで広げる事ができる部分です。(正確に言えば1タッチ、ではないですが。。)

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構造的には、まさに折り畳み傘状態になっており、広げる時は、写真のように骨を1つ1つ指で持ち上げると、パチンパチンとロックされていき、ソフトボックスが次第にドーム状に広がっていきます。

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畳む時もとても簡単で、マウント部に並んだ複数のボタンを強めに押すと、パチンパチンと骨がロックから外れて次第にドームがすぼんでいきます。

安いけどしっかり仕事してくれる

さて、具体的な効果を紹介しながら、NiceFoto90cmのポテンシャルを見ていきたいと思います。このソフトボックスは付属品含め全4パーツに分けられます。

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1)ソフトボックス本体
2)ディフューザー(中)
3)ディフューザー(外)
4)グリッド

特に2)から4)を使うか使わないかでも効果が変わってきます。以下、リファレンスをご覧ください。これは実際にとある現場でライトを決める時、テストで撮影したものです。

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↑ソフトボックス+ディフューザー(外)

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↑ソフトボックス+ディフューザー(外)+グリッド

人物と背景の関係に注目してみれば、効果は歴然と思います。今回の現場ではエンジ(濃赤)の背景だったので、各シーンでの使い分けがキモになりますが、例えば黒バックでの撮影時は、できるだけ背景に光が回らないように制限する必要があります。そんな際にグリッドを利用することで、簡単に光を狭める事ができます。

またこの現場では、2)の、ディフューザー(中)を使わなかったので、下の画像は光が少しばかり強めの印象がありますが(意図的にそうした)、ソフトボックスの中にも中ディフューザーを仕込めば、光はさらにボックス内で拡散され、放出される光は柔らかくなります。(ただしその分光量は落ちます)

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シーンに合わせて2)から4)を使い分ける事で、いろんな光を作れます。自分がこれまで、普通に天トレ(上面をトレーシングペーパーで覆う)したり、サイドからトレペを垂らしたりして、黒フラッグで切ったりしていた場面で、NiceFoto90cmを使えば、かなりお手軽に近い光を作る事が可能になりました。もちろん対象物にもよりますが、人物1人くらい、またはブツ撮りなど、キーライトはNiceFoto90cmでおおよそ戦えそうです。

とはいえ安いなりの部分はある。クセを知っておけばOK

これはたまたま自分が「ハズレ」を引いたのかもしれないですが、使っていく過程で、折りたたむ際に押すボタンが、そのまま沈んで戻ってこなくなってしまう箇所が複数出て来ました。購入当初は無かったのですが、ある日突然、押したボタンが戻らなくなり現場で一瞬焦る自体に。この状態ではソフトボックスを広げる際に骨をカチンとロックさせる事ができません。指で上に引っ張って戻ればいいのですが、中には硬くて持ち上がらないボタンもあり。

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ただし、この場合はマイナスドライバーなどで引っ掛けて持ち上げると簡単に戻ります。ですので、携帯できるマイナスドライバーは常備した方が良いです。ちなみに自分はsmallrigの折りたたみドライバーを常にカメラバッグに常備しています。一個持っておくと撮影現場にはめちゃくちゃ便利です。

あとは、これは人によってはどうでも良いことかもしれませんが、「NiceFoto」ってロゴがソフトボックスの横2箇所にドーンとプリントされていて、自分は若干ハズいので、黒のパーマセルで隠しています(苦笑)デザイン的にはAputureのほうが圧倒的にカッコイイすね。そのうち全体的なカラーリングを水色にしてARRIとかのロゴを貼り付けてやろうかと思っています。ウソです。

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とにもかくにも、最近は概ねNiceFoto90cmのソフトボッスクを現場に持って行っています。とかくキーライトを作る上で重宝しています。ボタンが戻らなくなる問題以外はしっかり仕事してくれるので、よかったら参考にしてみてください。


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