今年のJ1順位予想~あと、去年の結果発表もしておこう~

 長いようで短くてそれでもやっぱり長いオフシーズンを乗り越えて、来週末には再びJリーグが帰ってくる。
 普段よりもちょっと早い開幕、そして、カタールW杯の影響で11月前半には概ねのサッカー日程が終わってしまうという慌ただしい日程になるが、それでも、また再び愛するクラブの結果に一喜一憂する週末がやってくる。

 はずなのである。いや、今年こそ感染症に伴う一部クラブの活動停止とかあってほしくないのだが、早速活動を停止したクラブも出てきてしまい、それがガイナーレとガンバという私の愛するクラブであったからこそ余計残念なのだが。幸い、すぐに活動再開できたのは良かったが。
 そしてまた私も東京2020大会の開催を見届け、昨年10月からはようやく公僕っぽい仕事をしている訳なのだが、それはそれで大変に忙しく、心身ともにかなりダメージが来ている状況であり、本当に今シーズンどのくらいJリーグというものに携われるのか、という一抹の不安もある。まあ、本当にJリーグが見られなくなるぐらい忙しくなってしまったら、多分その時点でしばらく休職、なんて気もするけどね。私そんなタフじゃないし。

 …ネガティブな話題や予測は止めよう。開幕を控えて今年も楽しく順位予想をしようじゃないか。
 ただ、ちょっとその前に昨シーズンの予想と結果を振り返っておこう。大体、こういう順位予想をする評論家はシーズン前には分かったようなふりをしてまことしやかに順位予想を出すものだが、その結果を振り返る事はあまりないのである。そこは私とは違う。

昨シーズンの予想と結果は以下の通り。
    予想              結果
優勝:川崎フロンターレ    優勝:川崎フロンターレ
2位:鹿島アントラーズ      2位:横浜F・マリノス
3位:名古屋グランパス      3位:ヴィッセル神戸
4位:柏レイソル         4位:鹿島アントラーズ
5位:ガンバ大阪         5位:名古屋グランパス
6位:FC東京           6位:浦和レッズ
7位:横浜F・マリノス     7位:サガン鳥栖
8位:清水エスパルス       8位:アビスパ福岡
9位:北海道コンサドーレ札幌   9位:FC東京
10位:サンフレッチェ広島   10位:北海道コンサドーレ札幌
11位:サガン鳥栖       11位:サンフレッチェ広島
12位:横浜FC         12位:セレッソ大阪
13位:ヴィッセル神戸     13位:ガンバ大阪
14位:大分トリニータ     14位:清水エスパルス
15位:浦和レッズ       15位:柏レイソル
16位:ベガルタ仙台      16位:湘南ベルマーレ
17位:セレッソ大阪      17位:徳島ヴォルティス
18位:徳島ヴォルティス    18位:大分トリニータ
19位:湘南ベルマーレ     19位:ベガルタ仙台
20位:アビスパ福岡      20位:横浜FC

…うん、まあこの結果をどう捉えるかは皆様にお任せしよう。
個人的には、優勝クラブをきちんと当てられた、という事実は結構大きかったりする。これまで毎年外していたからね。確かに2021年のフロンターレ優勝ってのは、往年のディープインパクト並のオッズだったかもしれないが。
ただ、降格クラブで当たったのが1つだった、というのはどうなんかねえ。ちょっと見る目がなかったかねえ。

さあ、気を取り直して今年の予想に行ってみよう。
今年の順位予想は、これだ!!

優勝:浦和レッズ
2位:川崎フロンターレ
3位:名古屋グランパス
4位:横浜F・マリノス
5位:北海道コンサドーレ札幌
6位:ガンバ大阪
7位:鹿島アントラーズ
8位:ヴィッセル神戸
9位:湘南ベルマーレ
10位:FC東京
11位:セレッソ大阪
12位:ジュビロ磐田
13位:サンフレッチェ広島
14位:アビスパ福岡
15位:清水エスパルス
16位:京都サンガF.C
17位:柏レイソル
18位:サガン鳥栖

 今年の優勝は、ガンバサポとしては非常に悔しいが浦和レッズを予想した。
そもそも今年の優勝予想におけるポイントは、結果的に圧倒的な勝ち点を稼いだとはいえ、昨シーズン後半に一時的な勢いの陰りを見せたフロンターレの対抗馬になり得るクラブがどれだけあるか、そして、そのクラブはどこまで上積みがあるのか…という点だったのだが、唯一フロンターレを上回り得るクラブは、このレッズなのだと予想した。
 ロドリゲス監督2年目のシーズン。クラブを支えてきた名のあるベテランに別れを告げて、各クラブのまさに「実力者」を獲得。名より実のある補強を見せてくれた。ロドリゲス監督の下、各ポジションの実力者たちが正しく力を発揮すれば、フロンターレを倒すのはこのクラブになるだろう。

 とはいえフロンターレの実力はやはり見物である。昨シーズン途中の三笘の移籍、そしてシーズンオフの旗手の移籍と、クラブを支える若手が抜けていくのはやはりダメージにはなる。ただ、それでも戦力層は厚いし、何よりベテランと若手がうまく融合している。昨シーズンは後半から圧倒的な強さはなくなったが、それでも決めるべきところで決めきる力のある選手は揃っているし、何より、フロンターレを超えるべき存在のクラブが、存外期待できないオフシーズンを過ごしたというのも、フロンターレを2位にとどめたポイントである。
 3位はグランパス。正直、マッシモ体制が継続していたら、このクラブを優勝と予想していた気がする。安定した守備と素早い攻撃。選手一人一人が立ち位置を明確にした堅実かつアグレッシブなサッカーは、昨年のルヴァンカップで結実した。ただ、まさかのマッシモ退任という事態。それでも長谷川監督という実力者も迎えたし、ハセケンサッカーとも親和性の高い選手が揃っているので、あまり心配はなさそうだが、フロントは大丈夫か?と思わせる要素が前面に出てきた時点でフロンターレ越えは厳しい。
 4位はF・マリノス。元々選手層は厚い中で入れ替えが激しいオフになったが、それでも実力者が多いことには変わりはないし、何よりアタッキングサッカーというクラブの哲学が明確になっていることは強みである。流石に前田大然という存在が抜けたことはやはり大きいが、それでも、代替してくるアタッカーが出てきそうな雰囲気を醸し出すのがこのクラブである。個人的にはそれよりチアゴや扇原が抜けた穴が大きい気がするが。
 5位はコンサドーレ。若干高めの予想かもしれないが、相対的にはこの位まで来ても良いのではないか。他クラブに比べさほど戦力に大幅な変動がなかったこともあるし、何より、ミシャサッカーの浸透がしっかりと図られてきていることが大きい。各ポジションにさほど大きな穴もなく、選手が力をきちんと発揮すればこのぐらいの順位は十分に望めるだろう。ただ心配なのは、四方田さんの引き抜きと野々村さんのチェアマン就任という事態が重なり、どのような影響があるか未知数なところはある。

 そして6位に予想したのが我らがガンバ。昨シーズンの状態を考えると少し希望込みなところもあるが、クラブOBでもある片野坂さんを監督に迎え、これからどんなサッカーを展開してくれるのか非常に楽しみである。昨シーズンは額面とは程遠い活躍になってしまった選手も多かったが、そもそもの実力は高い選手たちばかりだし、新加入選手もテクニックのある選手が多くて楽しみ。これらの選手を片野坂さんがどのように動かしてサッカーを組み立てていくのか。
 不安要素があるとしたらレギュラー選手の高年齢化であろうか。30代を超えた選手が少し増えてきて、フィジカル的に厳しいと感じるところが出てくる懸念があるかもしれぬ。何より、東口がいつまで神でいてくれるのかがそろそろ心配になってきた。もう何年も神を続けているが、それが当たり前になってしまってはそれはそれで恐ろしいのである。

 7位はアントラーズ。戦力的には優勝を争う力はありそうだが、これまでのブラジル路線を切り替えての欧州路線、かつ監督はこのコロナの影響で来日が遅れるという事態。ここの部分のリカバリーには相当時間がかかりそうだ。とはいえ、シーズン後半からはかなり安定してきそうな感もある。
 8位はヴィッセル。昨シーズンはなんと3位まで大躍進し、今シーズンの選手の入れ替わりも少なく継続性はありそう、という事を考えたら単純な見積もりではもっと上位に行きそうなものなのだが、そうは問屋が卸さない。というのも、このクラブが継続的に良い成績を残すとは考えづらいのである。ヒントはこのクラブのフロントにある。
 9位はベルマーレ。昨シーズンは最終節まで残留を争ったが、途中交代した山口監督の下で着実な守備を固め、これまでの湘南スタイルとはまた異なるカラーを見せてくれた。今シーズンは積極的な補強もあり、山口監督が継続的に指揮をふるう中で、このぐらいの躍進があっても全くもっておかしくない。

 10位FC東京。アルビレックスで辣腕を発揮したアルベル監督を招聘したが、これまでの長谷川監督サッカーとは一気にカラーも変わってくるうえに、必ずしもアルベルサッカーに適した選手が揃っているとも言えない。新潟からやって来た選手もいる訳でもなく、これは結構苦労するんじゃなかろうか。ちょっと今シーズンは苦しいシーズンを覚悟しないといけないかもしれない。
 11位セレッソ。主力が一気に抜けてしまったという部分もあるが、新加入選手も実力者やいきのいい若手が多く、あまり心配する必要はなさそうな感がある。昨シーズンはクルピ監督再招聘で失笑を買ったが、シーズン途中で替わった小菊監督が年間通じてどのように采配を振るっていくのかという点にも注目である。
 12位ジュビロ。再びJ1の舞台に帰ってきたジュビロだが、昇格クラブとはいえ戦力は決して劣るものではない。往年のジュビロらしい鮮やかなサッカーも垣間見えるようになった中、伊藤新監督の下でどのようなサッカーを繰り広げるのか。一気に上位へ!とは簡単にはいかないだろうが、比較的安定した戦いを繰り広げそうな感はある。
 13位サンフレッチェ。このクラブも戦力の入れ替わりが少なく、安定しているのでもっと上位に行く力はありそうなものなのだが、こちらもやはりスキッベ新監督の来日が遅れていることが気がかり。どうしても今年のJリーグは過密日程の短期決戦になりがちな部分があるため、序盤で勝ち切れなかったらどうしても苦しくならざるを得ないだろう。降格になるレベルの苦戦はあまり考えにくいが、今シーズンは我慢の1年になりそう。

 14位アビスパ。昨シーズンはあらゆるJリーグファンや評論家の予想を良い意味で裏切って8位にまで躍進したクラブだが、活躍した外国人選手が揃って退団したり、どうしても2年目ともなるとマンネリ化や対策等もされてくる中、新しい風をどうやって加えていくのか。長谷部監督の手腕が問われる1年となりそうだ。
 15位エスパルス。毎年毎年このクラブはなんでここまで低迷するのかと言いたくなるほどの最近の苦境。戦力も悪くはなく、そして監督も悪くはないどころかなかなか良いチョイス、のはずなのになぜか苦戦して最後は監督を解任して乗り切るという状態。ここで毎年のようにクラブを救ってきた平岡監督を頭から据えるという選択をしたが、この判断は吉と出るか凶と出るか。戦力的にそこまで劣るという訳でもなさそうな気もするのだが…
 16位サンガ。決して悪くはないし、ガイナーレサポとしては三沢くんや井上くんといった頼もしい存在もいるので期待したくはなるのだが、どうしても他クラブに比べ出力が劣る部分があるのは致し方ないか。あとは、チョウ監督がどれだけ手腕を正しい方法で発揮できるか。指導方法についてこれまで以上に厳しく問われている中、自身の引き出しの多さが問われるシーズンになろう。

 17位レイソル。このクラブは正直何をしたいのかが分からなくなってきた。豊富な戦力を擁しながらもJ2に沈んだり下位に低迷したりする中、今度は戦力の大幅な入れ替え、というより、明らかな出力ダウンを起こしてしまった。元々戦力的にそこまで悪くなかったはずだが、一気に不安を感じさせる様相に。ヴィトーリアを掲げるネルシーニョ監督も最早何をやりたいか分からなくなってきている。本当に残留できるのか不安でしかなかろう。
 18位サガン。確かにこのクラブは有力な若手が次々に出てくるという土壌はあるが、その根幹にあったユース育成の問題点が残念ながら昨シーズン明るみに出てしまった。さらに、毎年のように繰り返される戦力大幅流出。それでも個性豊かな選手が新たに入ってくるという環境ではあるが、このような状況下でチームを託される川井新監督もさすがに何をどうしたらよいのか手に余るのではないか。チームの根幹が揺るいでいる中で何をどうしたらいいのか。残念ながら、苦境となる事を感じさせざるを得ない。

 さてさて、この予想は当たるだろうか。
 正解は1年後。