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新薬開発における、ブレイクスルーセラピー指定とは何か?

ご覧いただきありがとうございます。

25卒として就活しており、大手製薬会社のMRとして内々定を頂き、2025年3月からMRで勤務予定のガイマと申します。

私のnoteでは、製薬会社MRの新卒採用に関する情報や、企業分析のためになるような情報を発信しようと思っております。

今回の記事は「ブレイクスルーセラピー指定」についてです。

私自身、就活後期までブレイクスルーセラピー指定という言葉自体知りませんでした。
しかし、企業分析をしていく上でこれを知っておくと、志望動機会社の将来性にも関与する重要な情報を知ることができると感じました。

以降の内容を読むことで

  • ブレイクスルーセラピー指定とは何か

  • 指定を受けている薬剤が何を意味しているのか

  • より濃い志望動機を書くことができる

を理解することができます。
あなたの就活におけるESや面接でのネタの手助けになれば幸いです。

ブレイクスルーセラピー指定とは何か

米国FDAの2012年安全およびイノベーション法を通じて導入された画期的治療薬指定 (Breakthrough Therapy Designation: BTD) 制度は、まだ治療方法が存在しない重病または致死的な病気の治療に有望な新薬に対して、その開発と審査時間を短縮させるためのものです。

Breakthrough Therapy指定ステータス獲得の主な要件として求められるのは、他に利用可能な治療方法と比較したとき、臨床的に有意なエンドポイントでの大幅な改善を示す予備的臨床エビデンスです。いったんBreakthrough Therapyとして指定されると、効率的な薬品開発プログラムに関するFDAによる集中的ガイダンスを受けるほか、開発と審査を迅速化するためのFDAによる組織的な取り組みをはじめ、裏付ける臨床データ次第では、市場化に向けた申請の逐次審査や優先的審査を受ける潜在的資格なども与えられます。    

https://www.cas.org/ja/resources/cas-insights/breakthrough-therapy-designation-real-world-impact#

つまり、社会的インパクトの大きな薬剤に対して、開発期間を縮めるための制度ということです。


指定を受けている薬剤が何を意味しているのか

  • 社会的インパクトが大きい

  • 短期間で薬剤が開発される

この2点が大きなところだと思います。
ちなみに、ブレイクスルーセラピー指定を受けた薬剤が上市される確率、上市された後の売上についてChat-GPT4oに聞いてみました。

ブレイクスルーセラピーに指定された薬剤がFDAによって承認される確率は、他の薬剤に比べて非常に高いです。2012年から2021年の間にブレイクスルーセラピー指定を受けた薬剤の約69%が最終的に承認されました。

確立についての引用文献はnature reviews drug discoveryのこの論文です。

ちなみに、通常の薬剤が承認される確率については

通常の薬剤がFDAによって承認される確率は、臨床試験のフェーズや治療領域によって大きく異なりますが、全体的な平均では約13.8%です。この数字は、臨床試験を開始したすべての薬剤のうち最終的にFDAの承認を得るものの割合を示しています。

参考文献はこちらです

特定の治療領域による成功率の違いも大きいです。例えば、がん治療薬の承認率は約3.4%と非常に低いのに対し、感染症ワクチンの承認率は約33.4%と高いです。

参考文献はこちらです


ブレイクスルーセラピー指定された薬剤の売上高については

ブレイクスルーセラピー指定を受けた薬剤の売上の平均は、多くの場合非常に高くなります。具体的な売上額は薬剤の種類や市場によって異なりますが、一般的には数億ドルから数十億ドルに達することが多いです。

例えば、ある調査によると、ブレイクスルーセラピー指定を受けた薬剤の中には、年に10億ドル以上の売上を記録するものもあります。この指定は、重篤な病気を治療するための重要な進展を示す薬剤に与えられるため、市場での需要が高く、結果的に高い売上を達成する傾向があります。

社会的インパクトが大きい薬剤が指定されるということもあり、かなり売上高は高いですね


より濃い志望動機を書くことができる

以上の情報を踏まえると、各企業のブレイクスルーセラピー指定を受けている、開発中の薬剤を調べることで志望動機を深められると思います。

調べる方法としてはgoogleで直接調べるもしくは、それだけで出てこなかったら企業のIR情報から調べると出てくるかもしれません。

もちろん、ブレイクスルーセラピー指定を受けているからといって100%承認されるわけではないので、「ブレイクスルーセラピー指定を受けているこの薬剤に関わりたいんです!」と言うのはMR志望の方は少し危険かもしれません。
それを言いたいのであれば既に発売されている薬剤がいいです。
研究職や開発職志望の方であれば伝えてもいいかもしれません。(私は最終的にMRの本選考を受けていたのでこれがいいかは分かりません)


最後に

最近はオンコロジー領域や希少疾患領域を開発している企業が人気な傾向があるかと感じています。
しかし、ブレイクスルーセラピー指定を受けている等、それら以外の領域でも十分にやりがいを感じられると思います。

近年のMRは採用数も少なく、狭き門になっているかなと思います。(詳しくはこちら
新卒からオンコロジー領域や希少疾患領域を担当できる会社も少ないです。

今回の記事を踏まえて、もし「第一志望の会社に入れなかった」、「担当したい領域に配属されなかった」場合でも「やりがいを持って仕事できるのではないか」と感じてもらえたら幸いです。

本noteをご覧になってくださったあなたには、是非納得して内定を勝ち取ってもらいたいです!
就活は「どれだけ準備するか」が大事だと思います。
研究や部活、留学、バイト等やりたいこと、やらなければいけないことがあると思います。
しかし、新卒就活は一度きりです。後悔しないように、全力で頑張りましょう!
私もサポートできるように頑張ります!
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