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外苑ピアノサロン物語vol.2

新たな一歩への葛藤

東京での日々が美咲にとって行き詰まりを感じるものとなっていた。喧騒な街の中での忙しい仕事や日常のルーチンに疲れが溜まり、心には何かが欠けているような虚脱感が広がっていた。

ある日、美咲はロンドンへの転勤の話を聞くことになった。新しい環境での仕事や生活によって、少しでも刺激や変化を求めていた彼女にとって、その選択は大きな選択肢となった。

しかし、葛藤が心を揺さぶっていた。日本とは違う文化や言葉、人々との交流に対する不安や、大切な人たちと離れることへの寂しさが、美咲の心を押し潰すように感じられた。

アニメverの大森美咲

思い悩む美咲は、夜な夜な窓辺に立ち、東京の夜景を見つめながら自分自身と向き合った。これまでの人生と、これからの未来を天秤にかける中で、彼女は自分が本当に求めているものが何かを模索していた。

音楽への情熱も再び心によみがえり、ピアノの鍵盤を思い浮かべることがよくあった。それでも、新たな国での生活が美咲にとっての解決策なのか、それとも別の方法を見つけるべきなのか、彼女は一つの選択をすることの難しさに苦しんでいた。

美咲の思い悩む姿は、決断を迫られる人々の共通の葛藤を象徴していた。未知の世界への飛躍は希望と冒険の可能性を秘めているが、同時に不安や失うものへの恐れも背負うものだ。美咲は心の奥深くで自分の心の声に耳を傾け、新たな一歩を踏み出すかどうかの答えを見つけるために、静かな戦いを続けていた。

エレーナとの出会い

美咲は自分の夢に対する情熱や、未知の場所での成長への意欲が心の中で強く輝いていることに気づいた。彼女は、ロンドンでの新たな挑戦を受け入れる決断をした。この転勤が彼女にとって音楽の道を始める一歩となることを感じ、胸を躍らせるのを止めることができなかった。

大森美咲は、新たなる冒険に向けて、東京を後にする日を迎えた。未知の国での新しい出会いや経験、そしてピアノという夢への道のりが、彼女を待ち受けていることに胸を膨らませながら、彼女の旅路は始まったのであった。

彼女は友人に紹介された、ロンドン郊外にあるホームステイ先の家に到着し、ドアを開けると、そこには銀髪の美しい女性が立っていた。その女性は名前をエレーナといい、一人の音楽家だった。

エレーナはかつて有名な音楽家として活動していたが、今は引退して静かな生活を送っていると話す。彼女の音楽への情熱や経験を話すうちに、美咲のピアノの話になっていた。

Ms.エレーナ

エレーナは美咲に特別な話を持ちかけてきた。彼女は、自分の家の一角に部屋があり、そこには過去の音楽家たちが奏でた響きが宿るピアノがあることを教えた。美咲はその部屋の扉を開けてみたいと思い、どのような響きと物語がその中で待っているのかを想像した。

エレーナは、美咲を部屋に案内し、このピアノが過去の偉大な音楽家たちの音楽を受け継ぎ、新たな才能によって再び響かせることの重要性について語った。彼女は美咲に、自分の音楽の道を進む中で、過去の音楽の尊さと未来への責任を感じると話した。

部屋の中には穏やかな光が差し込み、美咲の指先が鍵盤に触れると、美しい旋律が空気に広がり、その音楽が部屋全体を包み込んでいった。

美咲は緊張しながらもピアノの前に座り、東京で練習していた曲の一つ”Dobbusyのアラベスク“を演奏した。

指先を鍵盤に触れると、音楽が彼女を包み込んでいった。

演奏が終わると、エレーナは感動の涙を浮かべて微笑みながら、美咲の才能を褒め称えた。

エレーナとの共通の音楽への情熱を通じて、美咲は新しい友情を築いていった。エレーナは美咲の音楽の師として、ピアノの指導やアドバイスを惜しみなく提供してくれた。美咲は彼女から学びながら、自分の音楽の道を歩んでいく決意を固めていった。

続く‥?

編集後記

美咲が早々に海外に飛び出してしまい、外苑ピアノサロンはどこへ行った!?となっている今作ですが、皆様お楽しみいただけましたでしょうか?

最早目的もなく、ただ海に石を投げるかのようなこのシリーズですが、次回はエレーナのサポートを受けた美咲が、いつか外苑ピアノサロンを思い出してくれる事に期待して本日は終了とさせて頂きます。

皆様良い週末をお過ごしください🏖️



外苑ピアノサロン
東京都新宿区大京町26-51
www.gaienpianosalon.com

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