【ガイブンキョウク】第103回 アブドゥルラザク・グルナ『楽園』読書会(24/3/28)
<課題本> アブドゥルラザク・グルナ『楽園』(粟飯原文子訳、白水社)
<開催日時> 2024年3月28日(木)19:30~21:00
<開催地> 本のあるところ ajiro(福岡市中央区天神3丁目6-8 天神ミツヤマビル1B) ※オンライン(Zoom)での参加も可能です
<参加条件> 『楽園』を読了してくること
<ゲスト> 粟飯原文子さん(オンライン参加)
法政大学国際文化学部教授。訳書にチヌア・アチェベ『崩れゆく絆』(光文社古典新訳文庫)、チゴズィエ・オビオマ『ぼくらが漁師だったころ』『小さきものたちのオーケストラ』、 オインカン・ブレイスウェイト『マイ・シスター、シリアルキラー』、マアザ・メンギステ『影の王』(以上、早川書房)など。
<参加費> 1000円
<参加申込み(会場参加/オンライン参加)>
『楽園』(アブドゥルラザク・グルナ、白水社)
舞台は20世紀初頭、現在のタンザニアの架空の町。主人公ユスフの12歳から18歳までの成長の過程が辿られ、東アフリカ沿岸地域の歴史的な大転換期が、少年の目から語られる。宿を経営するユスフの父親は借金に行き詰まり、裕福な商人アズィズに借金の形に息子を差し出す。ユスフは使用人として働き、内陸への隊商で莫大な富を得ているアズィズの旅に加わる。互いに争うアラブ人、インド人、アフリカ人、ヨーロッパ人のいくつもの勢力を目撃し、さまざまな経験を積んだユスフは次第に自らの隷属状態について疑問を抱きはじめる……。巻末にノーベル文学賞受賞記念講演を収録。
【アブドゥルラザク・グルナ】 1948年ザンジバル(現在のタンザニア)生まれ。1964年に勃発したザンジバル革命の混乱を受けて67年にイギリスに渡る。ケント大学で1982年に博士号を取得。1980年から83年にかけてナイジェリアのバイェロ大学で教鞭を執る。その後、ケント大学でポストコロニアル文学を教えながら執筆活動を続ける。現在、同大学名誉教授。これまでに長篇10作を発表し、1994年に刊行した四作目となる『楽園』はブッカー賞およびウィットブレット賞の最終候補となる。By the Sea(2001年)はブッカー賞のロングリストとロサンゼルス・タイムズ文学賞の最終候補に選ばれ、Desertion(2005年)は翌年のコモンウェルス作家賞の最終候補となった。2021年度ノーベル文学賞を受賞。最新作はAfterlives(2020年)。