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オールドスクールEDHのすゝめ:サンプルデッキ100枚解説
初めに
《瞬間移動/Teleport》というカードを皆さんはご存じでしょうか。青青青のインスタントで、効果は「対象のクリーチャーをブロックされなくする」というもの。市場価格は50円程度のカード。
現代マジックから見ると信じられない程弱いカードかもしれません。しかしながらこのカードは、オールドスクールEDHにおける強カードの一つであり、多くのプレイヤーを敗北に導いた実績を持っています。私もこのカードに敗れた者の一人です。
このカードを使用する統率者は《黒き剣のダッコン/Dakkon Blackblade》。彼は「パワーとタフネスはそれぞれ、あなたがコントロールする土地の数に等しい」という効果のみを持っています。恵まれたスタッツを持つものの、トランプルや飛行を持っていないため、容易にダメージを通すことができないところが唯一の弱点。
統率者として人気のダッコン。カッコいい。
そこで活躍するカードが、前述の《瞬間移動/Teleport》や、"島渡り"を付与する《魚の肝の油/Fishliver Oil》です。ゲーム終盤、15/15程度まで膨れ上がったダッコンが、一瞬で目の前に現れ、一刀のもとに斬り捨てる。フレーバー的にもカッコいいと思いませんか?
10円の謎カード。恐らくOS-EDHでしか見ることは無い。
"オールドスクールEDH"と聞くと、パワー9を始めとする高額カードが飛び交うフォーマットと思われるかもしれません。実のところそうではなく、パワ9は不要であり、活躍するカードはストレージの片隅に忘れ去られたカード達です。
「そのカード何?」や「5マナ3/3島渡り強すぎだろ・・・」、「カード投げるよ」などと愉快な言葉が飛び交う牧歌的なフォーマット、それがオールドスクールEDH。
この魅力的な遊びを知ってもらうために、この記事では私が使用している《パラディア=モルス/Palladia-Mors》デッキについて、どういったカードが採用されているか、一枚ずつ解説をしていきます。カード解説を通して、フォーマットの魅力が少しでも伝われば幸いです。
※OS-EDHのレギュレーションはこちらの記事をご確認ください。
https://note.com/the_wild_hunt/n/n319cc75a6c01
デッキレシピ
《パラディア=モルス/Palladia-Mors》
Land: 38
1:《Taiga》
1:《Savannah》
1:《真鍮の都/City of Brass》
1:《イス卿の迷路/Maze of Ith》
1:《ミシュラの工廠/Mishra's Factory》
1:《ペンデルヘイヴン/Pendelhaven》
1:《露天鉱床/Strip Mine》
11:《平地/Plains》
10:《山/Mountain》
10:《森/Forest》
Creature: 25
1:《Exorcist》
1:《Farrel's Zealot》
1:《魔女狩り師/Witch Hunter》
1:《怒れる群衆/Angry Mob》
1:《セラの天使/Serra Angel》
1:《Goblin Chirurgeon》
1:《ウスデン・トロール/Uthden Troll》
1:《オーク弩弓隊/Orcish Artillery》
1:《Roc of Kher Ridges》
1:《山イエティ/Mountain Yeti》
1:《ボガーダンの獣/Beasts of Bogardan》
1:《シヴ山のドラゴン/Shivan Dragon》
1:《Tracker》
1:《氷の壁/Wall of Ice》
1:《アーナム・ジン/Erhnam Djinn》
1:《大蜘蛛/Giant Spider》
1:《Singing Tree》
1:《Master of the hunt》
1:《茂みのバジリスク/Thicket Basilisk》
1:《コカトリス/Cockatrice》
1:《Sunastian Falconer》
1:《ヨハン/Johan》
1:《Lady Caleria》
1:《踊る円月刀/Dancing Scimitar》
1:《テトラバス/Tetravus》
Spell: 36
1:《剣を鍬に/Swords to Plowshares》
1:《土地税/Land Tax》
1:《蘇生の印/Death Ward》
1:《神への捧げ物/Divine Offering》
1:《解呪/Disenchant》
1:《蘇生/Resurrection》
1:《神の怒り/Wrath of God》
1:《稲妻/Lightning Bolt》
1:《稲妻の連鎖/Chain Lightning》
1:《False Orders》
1:《赤霊破/Red Elemental Blast》
1:《Fork》
1:《Wheel of Fortune》
1:《粉砕の嵐/Shatterstorm》
1:《地割れ/Fissure》
1:《火の玉/Fireball》
1:《分解/Disintegrate》
1:《地震/Earthquake》
1:《賦活/Instill Energy》
1:《再生/Regeneration》
1:《新たな芽吹き/Regrowth》
1:《森の知恵/Sylvan Library》
1:《夜の土/Night Soil》
1:《Powerleech》
1:《荒々しき自然/Untamed Wilds》
1:《北風/Winter Blast》
1:《ハリケーン/Hurricane》
1:《太陽の指輪/Sol Ring》
1:《Delif's Cube》
1:《友なる石/Fellwar Stone》
1:《ジェイラム秘本/Jalum Tome》
1:《玄武岩のモノリス/Basalt Monolith》
1:《ネビニラルの円盤/Nevinyrral's Disk》
1:《ジェイムデー秘本/Jayemdae Tome》
1:《蜂の巣/The Hive》
1:《Ring of Renewal》
※本リストは、再録カードを同じイラストで集めた場合の価格です。
同じイラストでない場合であっても、再録の使用は認められています。
※以下は趣味による黒枠や一部高額カードを抜いた場合のリストです。
統率者
・パラディア=モルス/Palladia-Mors
統率者であるこのエルダードラゴンは、飛行・トランプル・7/7を持つ8マナの大型クリーチャーです。あまりもの強大さ故に、毎ターン3マナを捧げる必要がありますが、この世界においてエルダードラゴンを止められる生物はエルダードラゴンしかいないため、一度空を舞えば圧倒的な強さで盤面を支配します。デッキの中で最も強いカードは彼女であるため、彼女を補助するカードを多めに採用した構築としています。
デッキのカラーは、白・緑・赤の三色となります。オールドスクールEDHにおいて、強力なカードに恵まれた青と黒に触れないカラーとなりますが、青と黒に多い、「島渡り」や「沼渡り」に引っかからないという利点もあります。弱そうな3色に見えるかもしれませんが、特に不利であると感じたことはありません。
※その他の伝説のクリーチャーについては、以下のリンクから確認ください
https://mtg-jp.com/products/card-gallery/0000135/?filter=multicolor
クリーチャー解説:白
・Exorcist
2マナタップで黒のクリーチャーを破壊できる色対策生物。この環境において、黒が最もクリーチャーとスペルの質が良く、どこかしらには刺さります。この時代の色対策カードは酷い物ばかりなので、採用は程ほどに。Wisdomによれば市場に1,2枚しかない。
・Farrel's Zealot
「対戦を攻撃してブロックされなかったとき、対戦相手へのダメージを軽減する代わりに、好きなクリーチャーへ3点のダメージを飛ばすことができる。」という能力を持っています。3点あれば大半のシステムクリーチャーを処理できます。他のプレイヤーに攻撃を素通しするよう交渉する場面が多々あり、会話を増やすことができる良カード。イラストが3種類あるので好みのおっさんを選ぼう。私は左のおっさんが好き。
・魔女狩り師/Witch Hunter
「タップ能力で好きな対戦相手に1点のダメージを飛ばす」能力と「3マナタップで、対戦相手の生物をバウンスさせる」能力の二つを持つ。ゲーム展開が遅いOS-EDHでは、かなりの制圧力を発揮します。
・怒れる群衆/Angry Mob
自分のターン中のみ、対戦相手かコントロールする沼の数だけP/Tが増加するトランプル持ちの2/2生物。酷いときにはP/Tが11/11になることも。まともにブロックすることもできない強力なアタッカー。
・セラの天使/Serra Angel
飛行・警戒・4/4と攻防一体のステータスを持つ最高のクリーチャー。飛行クリーチャーで彼女を止められる者はほとんどいない。
クリーチャー解説:赤
・Goblin Chirurgeon
「ゴブリンを生贄に捧げることで、任意のクリーチャーに再生を持たせる」能力を持つゴブリン。タフネスが地味に2もあるため、システムクリーチャーに除去され難い。パラディア=モルスの贄に捧げるために採用。
・ウスデン・トロール/Uthden Troll
赤マナで再生を持たせることができる2/2のトロール。殴りに行くことも、守りに徹することもできる偉い奴。この世界は全除去が度々飛んで来るため、再生能力は馬鹿にはできません。
・オーク弩弓隊/Orcish Artillery
タップで好きな場所に2点を飛ばすことができるが、デメリットとしてオーナーに3点のダメージを与えるシステムクリーチャー。強力な反面デメリットが強く、気軽に使用することはできません。
なお、画像のアルファ版は2マナですが、正しいマナコストは3マナ。こういう地味なところで個性を出していきたいのですが、値段が・・・。
・Roc of Kher Ridges
4マナ3/3飛行持ちの貴重な航空戦力。フレーバーテキストが好き。
行く手には谷が待ち受けていた。崖の上に途方も無い大岩が積み重なり、薄気味悪く岩が並んでいる。突然、その石の塊が崩れたかと思うと、巨大な翼が飛び出し、真っ黒な影を落とした。我々は恐怖に駆られて走り出した。
・山イエティ/Mountain Yeti
4マナ3/3山渡り。山を置いたプレイヤーを殴りにいこう。弱そうに見えますが、3回くらい殴られると流石に死が見えてくる。地味に付いているプロテクション白は《黒き剣のダッコン》を牽制することも。
・ボガーダンの獣/Beasts of Bogardan
5マナ4/4の高スタッツに加え、プロテクション赤を持っています。赤絡みの統率者がかなり多いため、かなり有用。
・シヴ山のドラゴン/Shivan Dragon
6マナ5/5飛行に加え、火吹き能力を持つにもかかわらず、一切のデメリット能力が無い!イラストの美しさもあって正にトップレア!エルダードラゴンを除き、タイマンを張れるのは青の《マハモティ・ジン》しかいません。
クリーチャー解説:緑
・Tracker
2マナタップで任意のクリーチャーと格闘します。(※厳密には格闘ではありませんがあまり関係無い。)大抵のシステムクリーチャーを一方的に葬ることができる貴重なカード。Wisdomによれば市場に4,5枚しかない。
・氷の壁/Wall of Ice
0/7の壁。弱そうに見えますが、これを突破できる陸上生物はほとんどいません。置いて安心したところに空から殴られることもしばしば。
・アーナム・ジン/Erhnam Djinn
4マナ4/5とマナレシオに優れたアタッカー。デメリットとして、自ターンのアップキープに、対戦相手がコントロールするクリーチャー1体に「森渡り」を付与します。大抵の場合、システムクリーチャーに渡りを付与することになるので実質デメリットはありません。イラストの躍動感が良い。
・大蜘蛛/Giant Spider
到達持ちの2/4クリーチャー。4マナの飛行生物は3/3や2/4ばかりなので、同マナ圏内の飛行生物は止めることができます。緑や白には飛行クリーチャーが少ないため、殴られないように採用。
・Singing Tree
タップで攻撃中のクリーチャーのパワーを0にできる植物。防衛能力に優れ、起きているだけで鉄壁の守りと安心感を与えてくれる。細かい点として、壁っぽいが壁ではない。
国内在庫が全く無く、12,000円で購入しました。流通が少なすぎて誰も適正価格を分かっていない説が・・・。運よく見つけ、価格に納得ができたなら買ってみよう。イラストの雰囲気もあってお気に入りの一枚。
・Master of the Hunt
4マナ(タップ不要)で「"他の狼とのバンド"を持つ1/1の狼」を生成する能力を持っています。4マナのトークン生成は悠長に見えるかもしれませんが、この環境はマナフラ気味になるため、毎ターントークンを生成する能力は極めて強力になります。
"バンド"の能力は、「狼の群れとして狩りをする」イメージです。トークンが一つの群れとなり、一個体として攻撃とブロックを行うが、死ぬのはトークン1つのみ。説明が大変面倒なので、使いたいならWikiをどうぞ。
・茂みのバジリスク/Thicket Basilisk
「壁以外のクリーチャーと戦闘を行った場合、そのクリーチャーを戦闘終了後に破壊する」能力を持っています。ちまちま殴っても良し、防御に回っても良い、地味に強いしウザい奴。
・コカトリス/Cockatrice
《茂みのバジリスク》と同じマナとスタッツに加え飛行が付いた。強力な飛行クリーチャーに睨みを利かせる。
・ラノワールのエルフと極楽鳥は不採用
緑定番のマナクリであるこの2体は採用していません。この理由は2つあり、一つはマナ加速してもうまみが無いこと、もう一つはタフネス1に人権が無いためです。
後者について説明すると、青いデッキに99%採用されている《放蕩魔術師/Prodigal Sorcerer》の存在が大きく、この魔術師は好きな場所に1点を飛ばす能力を持っています。マナクリは彼の的になってしまうため全て抜いています。タフネス1はよっぽど強くなければ採用しないことをお勧めします。
ゲーム中に一回は必ず見るオジサン。通称"ティム"
クリーチャー解説:多色&茶
・Sunastian Falconer
5マナ4/4、タップ能力で無色2マナを加える。大抵はバニラ。
・ヨハン/Johan
「戦闘開始時に"ヨハンは攻撃しない"ことを選ぶと、他の攻撃クリーチャーがタップされない」能力を持ち、P/Tも5/4と優れた性能を持つ。攻めと守りを両立でき、他にクリーチャーがいなければ自分からも殴りに行ける。イラストから来る威圧感が凄い。
・Lady Caleria
「タップで、攻撃中orブロック中のクリーチャーに3点を飛ばす」ことができる。対戦相手間の攻防に割り込むことも。7マナと重いが、環境が遅いので普通に出てきます。タフネスが6もあるため、大抵の除去では落ちません。デカイスタッツは正義。
・踊る円月刀/Dancing Scimitar
4マナ1/5の飛行クリーチャー。飛行クリーチャーでパワーが5を超えるものは少なく、専ら防御用に使われます。取り合えず入れとけ枠。
・テトラバス/Tetravus
6マナ1/1の飛行持ちで、1/1カウンターが3つ乗った状態で戦場に出ます。アップキープ開始時に1/1カウンターを取り除くことで、1/1飛行トークンを生成することができます。または、このトークンを生贄に捧げ、自身に1/1カウンターを乗せることができます。要は分解/合体ができる6マナ4/4飛行クリーチャー。分解しなくても素で強い。
コントロールを奪われ、対戦相手に分解されることもしばしば。OS-EDHのトップアイドル。
スペル解説:白
・剣を鍬に/Swords to Plowshares
説明不要の最強除去。使い所は慎重に。
・土地税/Land Tax
「アップキープ開始時に、何れかの対戦相手がコントロールする土地の数が、自分の土地の数より多い場合、基本土地を3枚までデッキから手札に加えてよい」1マナエンチャント。圧倒的なアドバンテージを期待できる反面、ヘイトを非常に稼ぐため、政治力が試される一枚。
・蘇生の印/Death Ward
インスタントでクリーチャー1体に再生を持たせる。定期的に飛んで来る全体除去に合わせることができれば、更地に統率者と有利な盤面を築くことができる。コンバットに合わせて使うことも、細かい動きができる1枚。
・神への捧げ物/Divine Offering
アーティファクトを破壊し、そのマナコストに等しいライフを得るインスタント。おまけのライフゲインが良い仕事をする。
・解呪/Disenchant
インスタントでアーティファクトかエンチャントを破壊する。この世界では貴重なエンチャント破壊カードです。相手の置物破壊に使うのではなく、自身に向けられた脅威、《支配魔法》などに使います。
・蘇生/Resurrection
自分専用のリアニカード。黒のリアニに比べると弱い。
・神の怒り/Wrath of God
強力なリセットカード。再生を持つクリーチャーが少なからずいるため、「再生できない」は決してインクの染みではありません。
スペル解説:赤
・稲妻/Lightning Bolt & 稲妻の連鎖/Chain Lightning
説明不要な赤の顔。何時か黒枠の稲妻を手に入れたい。
・False Orders
OS-EDHでしかお目にかかれないオシャレ枠。他のプレイヤーのコンバットに介入しても良し、〆の一撃を通すのに使っても良し。
「この呪文はブロック・クリーチャー指定ステップの間にのみ唱えられる。防御プレイヤーがコントロールするクリーチャー1体を対象とし、それを戦闘から取り除く。それによってのみブロックされていた、それがブロックしていたクリーチャーはブロックされていない状態になる。あなたはそのクリーチャーで、あなたが選んだ攻撃しているクリーチャーをブロックしてもよい。」
・赤霊破/Red Elemental Blast
青対策カード。手癖の悪い青使いはしょっちゅう他人のカードを奪っていくので、きっちり咎めていこう。統率者に向けるのは程ほどに。
・Fork
インスタントかソーサリーをコピーするインスタント。全ハンデスや全体ダメージをコピーし、混沌を齎すエキサイティングな一枚。X火力がコピーされると人が死ぬ。
・Wheel of Fortune
すべてのプレイヤーに7枚引かせる素敵なカード。クリーチャーが睨み合い停滞した状況を動かすことができる。少々値は張るが、採録禁止カードは安くならないので実質タダ。
・粉砕の嵐/Shatterstorm
全てのアーティファクトを埋葬するソーサリー。有利な交換を狙っていきたい。
・地割れ/Fissure
対象の土地かクリーチャーを埋葬するインスタント。5マナで重いように見えますが、数少ない確定除去であり、貴重な一枚。強力な《イス卿の迷路/Maze of Ith》も除去できる。
・火の玉/Fireball & 分解/Disintegrate & 地震/Earthquake
ゲームの〆に必要なX火力。削り合いの果てに最大火力を叩き込む。たまに《地震》が《Fork》され全員が瀕死になる。
スペル解説:緑
・賦活/Instill Energy
対象のクリーチャーに速攻と、自ターン中に使用できるアンタップ能力を付与するエンチャント。統率者に警戒を持たせる動きが強い。
・再生/Regeneration
緑マナで付与したクリーチャーを再生させるエンチャント。埋葬持ちの除去でなければ対応できない最強生物が誕生する。
・新たな芽吹き/Regrowth
墓地から望むカードを回収できるソーサリー。ハイランダー構築で使い回しが可能になる有能カード。
・森の知恵/Sylvan Library
数少ないドロー操作カード。40点スタートのゲームであり、4点ペイはそれ程痛くありませんが、異様なほどヘイトを稼ぐため支払いは計画的に。
・夜の土/Night Soil
単一の墓地からクリーチャー2体を追放し、1/1トークンを生成するエンチャント。起動マナが1マナと少なく、プレイヤーが4人もいるため墓地にも困らない。墓地を利用するカードは少なくないため、意外と刺さる。3種類のイラストからお好みの土を選ぼう。私は左の土が好き。
・Powerleech
対戦相手がコントロールするアーティファクトがタップ状態になるか、タップを含まない起動型能力を発動する度に1点のライフを回復するエンチャント。プレイヤーが3人もおり、除去されにくいエンチャントであるため、かなりの量を回復できます。
実は、環境に存在する無限マナ&バーンコンボに対する回答になる一枚。
《玄武岩のモノリス》に《Power Artifact》を付け無限マナを生み、X火力か《Rocket Launcher》を使い一気に全てのプレイヤーを倒すコンボ。《Transmute Artifact》や《悪魔の教示者》を使えばサーチは可能だが、ハイランダー構築で成立することは稀。
・荒々しき自然/Untamed Wilds
デッキから基本土地をサーチし場に出すソーサリー。色事故が発生しやすい環境において、任意の色をもって来れるのはとても強い。
・北風/Winter Blast
「X体のクリーチャーを対象とし、それらをタップする。それらが飛行を持つなら2点のダメージを与える」Xソーサリー。ゲーム終盤に相手のクリーチャーを寝かして一気に勝負を決める。
・ハリケーン/Hurricane
「全てのプレイヤーと飛行クリーチャーにX点のダメージを与える」Xソーサリー。全除去としても、X火力としても重宝する。
スペル解説:茶
・太陽の指輪/Sol Ring & 友なる石/Fellwar Stone & 玄武岩のモノリス/Basalt Monolith
EDHでお馴染みのマナファクトたち。しかしながら、マナ加速をしても大して強い動きができないのが悲しい現実。《ネビニラルの円盤》に度々巻き込まれるため、いっそのこと基本土地に変えるのもあり。
・Delif's Cube
OS-EDでしか使用されないだろう謎カード。クリーチャーを除去から守るために採用しています。効果は以下の通り。
(2),(T):あなたがコントロールするクリーチャー1体を対象とする。このターン、それが攻撃してブロックされなかったとき、それはこのターン戦闘ダメージを割り振らず、あなたはDelif's Cubeの上に立方(cube)カウンターを1個置く。
(2),Delif's Cubeから立方カウンターを1個取り除く:クリーチャー1体を対象とし、それを再生する。
・ジェイラム秘本/Jalum Tome
2マナ起動でワンドロー&ディスカードをするアーティファクト。数少ないドローカードで手札の質を高められる。やっていることが地味すぎてあまりヘイトを稼がない。黒枠でも1000円程度とお安く、威圧感も出る。財布に余裕があるなら是非黒枠に。
・ネビニラルの円盤/Nevinyrral's Disk
1マナタップで土地を除く全てのパーマネントを破壊するアーティファクト。タップインするため、起動までに1ターン必要であり、状況によっては全員に殴られる・・・。設置するタイミングは慎重に。
・ジェイムデー秘本/Jayemdae Tome
4マナタップで1ドローできる貴重なアーティファクト。悠長に見えますが、マナはいくらでも余るので問題はありません。数少ないアドバンテージを稼げるカードであり、奪い合いになることもしばしば。設置していることを理由に全ハンデスを喰らうこともありますがそれでも強い。
・蜂の巣 / The Hive
5マナ起動で1/1飛行を生み出す5マナアーティファクト。マナフラ受けやブロッカーの生成に役立つ。入れておいて損はしないカード。
・Ring of Renewal
5マナ起動でランダムディスカード後に2ドローする5マナアーティファクト。流石に悠長ですが、アドバンテージを稼げるのは偉い。
土地解説
・デュアルランド
合っても無くても大差無し。《Plateau》は持っていないから入れていません。なお、私たちのコミュニティーでは、土地事故を防止するため、「ゲーム中に一度だけ、アップキープ開始時に3点のライフを払うことでドローの代わり基本土地をサーチできる」ハウスルールを採用しています。そういう背景もあって、土地基盤に関してあまり難しく考えていません。
・真鍮の都/City of Brass
好きな色のマナを出すことができるが、タップ状態になる度に1点のダメージを喰らう土地。色事故防止に役立ちます。何度も再録されていますが、このイラストでの再録は1度だけであり、市場から枯渇しているのが悩みの種。
・イス卿の迷路/Maze of Ith
OS-EDHにおける最強の防衛カード。タップ能力で対象の攻撃クリーチャーが与えるダメージとそれに与えられるダメージを軽減します。対策する手段が殆どなく、これ1枚でまともに攻撃が通らなくなります。
・ミシュラの工廠/Mishra's Factory
1マナ起動で2/2のアーティファクトクリーチャーになる土地。タップ能力で自身に+1/+1修正を与えることができ、防衛時には3/3として機能します。やることが無かったり、更地になると動きだします。春夏秋冬からお気に入りの工廠を選びましょうと言いたいところですが、どれも高いのが現実。
・Pendelhaven/ペンデルヘイヴン
緑マナの供給と、1/1クリーチャーに+1/+2の修正を与える伝説の土地。「伝説の土地渡り」を持つクリーチャー《Livonya Silone》が出されない限り、デメリットは無いため基本は入れ得です。
・露天鉱床/Strip Mine
あらゆる土地を破壊することができるマジックの根幹を破壊する土地。OS-EDHでは《イス卿の迷路》を割るのが主な仕事です。4種類の柄からお気に入りの鉱床を選びましょう。私は一番右の鉱床が好き。
・基本土地
各色、3種類ずつあるので好きな柄を集めましょう。1枚200円~400円で、30枚買うとそれだけで1万円近くに・・・。一番の難所かもしれません。
最後に
ここまでお付き合い頂きありがとうございました。カードの紹介を通じてオールドスクールEDHの魅力が伝われば何よりです。このフォートマットは、P9等の高額カードを必要とせず、セットや言語を気にしなければ比較的安く揃えることができます。肩の力を抜いてのんびりと古き良き時代のマジックを楽しんでみませんか。
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