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気がつけば一枚の絵の制作に250時間溶かしてた話

ふと、エア装画をやってみたいって思った。

しばらくnoteを書いていませんでした。
というか暇さえあればこの絵をゴリゴリ描いてました。
装画ごっこをひとりでやってた。
ようやく完成したので、カラーラフに毛が生えた状態から完成した時点の画像のビフォーアフターをこちらにのっけます。

厚塗りだと珍しくないであろう変遷

アングル変わっとるやないかい。
なんなら顔も。
ツラ構え ちゃうやないかい。


いつも通りラクガキしてて、最近ちゃんとした作品というものを描けていないなとも思っていたので(ちゃんとコンセプトから考えてきちんと描く、というのが作品だということで、ここは一つ)下絵が結構いい感じに描けたし、これをちゃんと仕上げてみっか〜!と軽い気持ちで掘り下げていきました。
せっかくならちょっと設定に凝ってやってみようと思い、
想定として…

●これはハードカバーの児童書の表紙である。
●ファンタジー要素の入るお話の装画。出版されたのは数年前という設定。
●本屋ではなく、並んでいるのは図書館の児童書のコーナー。
●解釈次第ではBL要素もあり。
●対象年齢:10代中頃〜
●どちらかというと女の子向けのストーリー。
◯タイトル等の文字も含めてレイアウトを熟考すること。
(普段から構図や視線誘導等を意識するのが苦手なため)
◯気になったら調べて解決しながら進めること。
◯満足いくまで投げ出さないこと。

という設定のもとでやっていました。
あと、ついでに現時点の自分の絵の成分を自己分析すると
・幻想水滸伝2と3 =3割
・精霊の守り人=3割
・十二国記=2割
・乙嫁語り=1割
・進撃の巨人=1割
こんな感じだとおもいます。
今の流行り風ではない。

背景等は以下。

画面右側男の子がチョウ、左側女の子がショルガ。
二人とも観光客相手に放鷹術をショーという形で披露したり、お客とツアーを組んで鷹匠体験!等の観光業を生業とする鷹匠で、普段は別々のグループに所属しています。
グループは主に親類家族経営で、血縁者同士の何家族かが固まって運営していることがほとんどです。
それぞれ特有の売りやサービス内容も違い、差別化をはかっています。
普段はいくつかのグループが各々に分散して遊牧民の生活の傍で鷹匠として活動しています。
お客も各自でとることが主。
ご予約は紹介窓口やネットの予約フォーム等から!

年に数度の大きなお祭りだと沢山のグループが集結し、情報を交換したり交流するための場であるとともに大々的なイベントになる・稼ぎどきなのですが、
世界中で大流行した疫病により、お祭りも中止を余儀なくされたりと 現在観光業はなかなかに厳しい状況。
お客も激減。
喰っていくためだけでなく、観光客相手の鷹匠という活動を今後も続けていくためにもいくつかのグループが一丸となって生き残るために協力し合うことが当然となりつつある時代。
SNSを使って宣伝したり、お客を呼ぶために心血を注ぐ傍らで、鷹匠として一流になるためのヒキコモゴモ、日常面がお話の主軸です。
二人をはじめとする鷹匠たちの活動の根底には、少数民族である自分達が昔から続けてきた鷹狩りを後世に残していきたい、自分達という人間がここにいる、民族独自の文化を残したいという意識があります。
後ろのサークル状の刺繍もそういった残したいものの一つ。
ちなみに刺繍ものも高値で取り引きされるので、主に女性たちがチクチク刺して家計の足しにしています。
服装なんかも現代の機能的な服と合わせて民族衣装を着る点は民族性のアピールでもあると言えます。

さて、チョウのグループを率いるリーダーとショルガのグループのリーダーは面識があり、ちょいちょい行き来があるので訓練なんかも一緒によくやってます。
が、このチョウとショルガ、メッチャ仲悪いのです。
好きな人がカブってるので、お互いライバル視してバチバチ状態。
二人ともチョウのグループのリーダーが大好きです。
しかしその好きな人に広報に使うための写真を撮るからと頼まれ、二人ともイヤとは言えず…。
夜明け早々 なんかすごい笑顔で!とか視線くれとか言われるし。
チョウはカメラ目線苦手でタカばかりみるし。
ショルガのタカ、飛んだな!

…というのが、絵のシチュエーションとなります。
※因みに、既存の同タイトルの本とは一切関係ございません。

後ろの刺繍もチクチクしたひとが画面左下から時計回りに刺してって、どんどん上達してったんだろうという妄想もはかどっています。
楽しい。私が。
しかし今回は描いてた刺繍もボカシました。どれもこれもってわけにはいかんくて。
(チョウは家族のなかに好きな人がいるんかい、という点については血のつながりがない関係です。
現グループリーダーのお父さんにあたる人に弟子入りしてる形。
このあたりに触れ出すと長いので割愛)

この絵、描いてる間に色々学びがありまして、ちょいちょいその学びを反映しつつ、違和感を感じるところを都度加筆修正しながら描き進めていってました。
ああ、肩は巻いてるんだよなあ とか、斜め顔の時の目は左右で全然形がちがう、なぜなら回り込んでいるからだ!とか。
最終的に違和感が全部なくなったかってぇとそういうわけにはいかなかったし、未だ出来てないことも山積みなんですけど。
ただね、私は完成した絵を加筆修正するのをめんどくさがってほぼせずにきてたんです。
やだー、過去絵ド下手!といいつつ、時間が経って冷静になり ダメな部分が見えてもほとんどしてこなかった。
多分このままこれを続けても変わらんな、ということはわかったので、じゃあやってみよう!とやってみました。
メッチャしんどかった。
いつ終わるん…てなった。
けど、なんだかんだものすごく楽しかったです。
ショルガの顔も決まってなかったのもあり、斜め顔の回り込みも苦手なので何回も描き直しました。
Twitterで鍵垢をつくり、描き直したものをそっちに投稿しては自分でダメ出しし、修正して加筆の繰り返し。
結局やや上から角度つける予定が、アイレベルはほぼ平行になりだいぶ下がったりはしちゃったけど。
そして推敲したからといって必ずしもいい出来になるかというとそうでもないと思うんだけど。

それでも(結果的に)ガッツリ250時間溶かした甲斐はありました。
イヤ、こんなに時間かける必要なんてないと思うし、数時間でビシッと決まるならそれにこしたことはないと思う。
私の場合はただただこねまわして ちがうなー、出来んなーとやってただけ。
こんなに時間かけたの、初めて。
ここまで掛けるつもりもなかったし、もっと短く済むと思ってた。
どんだけわからんことだらけなんだ…。

きっと自分の場合は長くてもせいぜい100時間くらいがいいんじゃないかと思います。
そしたらある程度クォリティアップできるし、集中したまま完走できると思う。

やたら時間が掛かった分、自分の出来てないことが身に迫って実感できました。
一朝一夕ではどうにもならんというのもわかった。何故なら苦手だからです。
ちょっとやそっと描き直したくらいでどうして出来るようになろうか。
そんなすぐに成果がでるわけがないのです。繰り返しやるしかない。
あと、あー出来てない…下手だわ…と凹むことがほぼなくなった。
じゃあできるようにすりゃあイイんだよ!やってればいつか出来るでしょと抵抗なくやり直す習慣はできました。
出来てるかはおいといて、向き合えるかって点では向き合えてると思う。
今より良くするにはどうしたらいいのか、ひたすら考えて描いていました。
ああでもないこうでもないとものすごく泥臭く、要領の悪い遠回りしまくりなことばかりしつつ、調べつつ、自撮りや家族の協力を得つつ、絵描き友だちに都度相談しつつ。描けないけど描いてみるんですけど、やっぱ描けないものは描けないなあ。
でもそれは経験してないんだから当然だし、今後描けるよう積み重ねればいいと思う。

そういうことを繰り返してみて、最初の状態よりも自分がみてみたい絵に近づけたのでは、と思います。
しかし最初の立体感皆無な絵もそれはそれで好きなんだよな〜。
好みで言うとほんと初期段階のザックリした塗りのが好きです。
光と影は出来上がりのが好きだけど、絵肌のザラつきみたいなのが削げちゃった。
ということは今度は面意識してザックリぬればいいんかな〜!やってみよー!

基本、現在の私はプレゼントフォーミーがモットーです。
もう、ほんと 見てみたいもんがあってそれを描きたい。如実に再現・出力したい。
全ては自己満足のためですが、側からみてて楽しんでもらえるならそれにこしたこともないよなあとも思います。
将来的にプレゼントフォーユーで描くこともできればいいなーとも思いますが、チョウやショルガをはじめ、色々描きたいのがいるので描けるように精進していこうと思います。

総括。
・250時間とかコリゴリラ。
・7、8割の出力でイイ感じを目指した方が絶対いい。
・正直途中で飽きてくる(けど盛り返しもする)。
・今の自分がどんぐらい描けるのか、全力で挑んだのでよくわかった。

迫れタカ。

最後までブレのある躍動感優先か、児童書のセオリー(?)に則って静止画でいくか迷った末に躍動感を捨てたのでここで供養させてほしい。
大概静止画なんだよね、少なくとも私の守備範囲の児童書は。
大緒っていう紐もブレるとなんじゃこの紫のは?ってなるだろうし、どう処理したものかひたすら悩み抜きました。

1ヶ月後には完成画像がドヘタクソに見えるようになっていますように。

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