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技術士第二次試験 受験申込書の書き方
1. 受験申込書の重要性
受験申込み書の重要性ですが、簡潔にまとめると、口頭試験でのあなたの一次評価につながるためです。
口頭試験は、わずか20分の面接の中で、技術士に相応しいかどうかチェックされます。毎年、筆記試験の合格者達が12月~1月にかけて口頭試験を受けて、3月の上旬に口頭試験の発表がされます。残念ながら、毎年10%の方が筆記試験を合格したにも関らず、口頭試験で不合格となってしまいます。
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何が原因なんでしょうか?
主な原因は、口頭試験への準備不足です。口頭試験は、受験申込書の記載されている情報を基に質問しますし、申込書の出来・不出来はあなたの印象につながっています。そのため、受験申込書の出来が悪いと、口頭試験で不利になることは、十分理解できると思います。
ここでは、
受験申込書のポイントとなる「経歴書」と「詳述論文」の書き方について、解説していきます。
2. 業務経歴書の書き方
業務経歴書作成のポイントは5つです。
①経歴は5つに分けましょう。
職歴や期間は、受験生で異なっていますが、経歴は5つに分類してください。
転職経験のある方は、まずは会社ごとに分類してください。その後、担当するプロジェクトや、地位の変更で分けるのが綺麗な分け方です。
業務は、その期間の中の代表的な業務を取り上げて頂いて構いません。
②経歴の配分は、新しい業務を重点的にアピールしてください。
20年以上の経験をもつ方は特に意識して頂きたいのは、最近の業務を細かく分類するようにしてください。
例えば、20年間の経験をお持ちの方は、最初の5年~10年間の経験は一括りにして頂き、残りの期間の業務を4つに分類するように検討して下さい。
口頭試験を考えたときに、比較的最近に技術士として相応しい業務をしていることを強調できるためです。また、新しい業務の方が、マネジメントやリーダーシップ等の経験を積んでいるでしょうから、口頭試験でしっかりアピールできるたです。
③業務内容は、受験資格要件を反映させましょう。
まずは、受験資格を確認しましょう。
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業務内容については、『科学技術に関する専門的応用能力を必要とする事項についての計画、研究、設計、分析、試験、評価(補助的業務を除く)又はこれらに関する指導の業務に従事した期間』と明記されています。
基本的に、「計画」、「研究」、「設計」、「分析」、「試験」、「評価」又は「これらに関する指導」の業務を職務内容に組み込んでください。
一例を示すと、「~盛土の施工計画」や「洋上風力発電所の基礎設計」となります。
④ 業務内容は、必ず業務上の特徴や課題を記載してください。
業務内容は、専門的応用能力が必要とされる業務であることを示しましょう。専門的応用能力を必要とされる事項が何かというと、解決にあたってマニュアル通りではなく、創意工夫が必要な技術的課題があるということです。そのため、課題を含めるようにしましょう。
事例:護岸近傍における砂質土・粘性土の互層地盤より構成される敷地内の液状化危険度評価及び側方流動を考慮した地盤応答解析業務
⑤口頭試験を意識し、最終チェックを行いましょう。
口頭試験は、「技術士としての適格性を判定することに主眼をおき、筆記試験における記述式問題の答案及び業務経歴を踏まえ実施するものとする」とされています。口頭試験の採点基準は下表のとおりであり、実務能力と適格性を問われます。
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口頭試験の冒頭で、「あなたの経歴と詳細で取り上げた業務の概要について2分程度での説明」を求められることがありますので、経歴票の作成段階で、2分程度の説明の練習をしておくことで、口頭試験に向けた経歴票が仕上がります。
3.詳述論文の書き方
詳述論文は、口頭試験にて技術士としての実務能力の評価を受けるものと考えてください。また、多の受験生が詳述論文の内容を軽視するため、口頭試験で耐えれるものに仕上げるまでに1か月以上の時間を費やしています。
詳述論文では、ここ5年間で行った専門的応用能力が必要とされる業務を取り上げてください。専門的応用能力とは、前述のとおり、創意工夫が必要な技術的課題があるということです。そのため、詳述論文の見出し構成は以下のとおりとなります。
1. 立場及び役割
2. 業務を進める上での技術的課題
3. 技術的提案
4. 成果
①立場及び役割
具体的に何をしたか、何を担当したかがわかるように記載してください。とくに、立場(発注者側、設計、施工)を明確にしましょう。
記載例:私は〇〇の立場で、□□を担当した。
②業務を進める上での技術的課題
技術的課題は、業務内容(要求内容、制約条件)のことではありませんので、注意して下さい。例えば、下記の例を見てください。
軟弱地盤が業務上の課題であった。そのため、軟弱地盤対策工を比較検討し、経済性に優れ、品質も確認しやすい表層改良を提案した。
お気づきのとおり、軟弱地盤は業務を実施する際の設計条件となりますので、業務を進める上での技術的課題ではありません。技術的課題を深掘りするにあたって、業務を進める上での技術上の問題点を探しだしましょう。問題点とは、業務を進める上でのハードルと考えてください。
例えば、工法比較(A、B、C、D)をしたときに、A工法がコストが安価で採用したいが、品質が要求水準を満たしていないとすると、品質が問題点となり、技術上の課題としては、いかに品質を改善していくかとなります。
また、課題を2つ、3つ記述する受験生がいますが、基本は1つに絞ってください。文章量は限られていること、論理的な文章を書くことを考えると、課題は1つで十分です。
③技術的提案
技術的提案は、高度な技術である必要はありません。評価のポイントは、技術的課題を工夫して解決したことを、工学的な根拠をもって説明することです。
業務で実施したことを淡々と記載するだけの受験者がいますが、良くありません。あなたの考え方や、どのようにその提案にいたったかのがわかるように記載しましょう。
④成果
自分の評価ではなく、発注者、社内、第三者(利用者、住民等)からの評価としましょう。また、この業務で得られた経験をどのように社内外に展開したか、また次のプロジェクトに対してどのように改善していくを記載ください
4. まとめ
ここでは、受験申込書のポイントとなる「経歴書」と「詳述論文」の書き方について解説してきました。
多くの受験生が、詳述論文の技術的課題を適切に記載できるまで時間がかかっています。また、経歴書の指導を行う中で、「当時はそこまで考えてなかった」という受験者が多いのも実情です。
口頭試験では、試験時点での技術力を問われるため、経歴書の添削を通じて得た気づきを詳述論文に反映してもらって構いません。その結果、口頭試験での評価が高い経歴書が仕上がります。
経歴書に時間をかけると、その分論文作成の勉強が減ってしまうため、焦る気持ちも分かりますが、最終の技術士合格に向けて頑張りましょう。
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