自分のモンハンの認識は世間一般のものとズレていたらしい

どうも、9052です。
ゲーム「MONSTER HUNTER」シリーズの話。

本記事の概要
■ モンハンは好きだけどプレイスタイルがなんか違った
■ 個人の世界観は複数人のUXに勝てない場合がよくあるという話
■ だからこそ 最新作がバカ程私に刺さった という話

ゲームを多少なりともやってる人(スマホゲー除)ならば、
名前は聞いたことあると思います。

「MONSTER HUNTER」

モンスターハンター、縮めて「モンハン」です。
シリーズ累計でもドえらい額をたたき出している、現カプコンの稼ぎ頭の一角でもあります。
私は初代(PS2)からのプレイヤーであり、
無印 , dos , Tri , portable 2nd , 2nd G , 3rd , 3rd G , X , world , Icebornをやっておりました。
(tri,Xあたりはちょっと触った程度でしたが)
モンスターハンターというタイトルそのものに世間的に火が付いたのがPortableシリーズでしたね。

プレイ体験としては、PSP(携帯機)のアドホック通信を使用して、最大4人で巨大なモンスターに挑む という体験がバカ受けした と認識しております。
(これを機に様々なゲームが共闘スタイルに移行した結果、良作化したりIPがつぶれるほどの駄作になったりしました)

周りに聞いてみたところ、2ndや2ngGあたり(人気が爆発した所)から狩猟生活に身を投じた という人がそこそこ多かったのですが、初代やdos(2作目です)からやっていた人は案外少ない印象です。

実は人気が出た2nd/2ndGあたりを境に、狩りゲーのコンセプトが異なっており、友人と会話した際にこの違和感が明確になったのでここで吐き出したいと思います。
別に「昔はよかった」と言いたいわけではないのであしからず。

〇共闘で感じた違和感

2ndGが爆発的な流行りを見せていた当時、私は浪人生を終え、大学でいわゆるオタサーに所属しておりました。
やっぱりPSP片手にモンハンをするコミュニティがサークル内でも出来上がっていたわけです。
ひとまずいろんな人とプレイするわけですが、そこで違和感がありました。

私個人としては「モンスターは強大で畏怖すべき存在であり、そやつを討伐するにあたっては殺るか殺られるかの壮絶な命の奪い合いがある」と感じていたんですな(大げさ)。
それに対して多くのプレイヤーは「いかに短時間で」「いかに相手に行動をさせずにこちらの攻撃を命中させるか」という認識が強かったのです。

自分の技術不足、レベル不足もありましたが、
全く歯が立たなかった相手を全く行動させずにボコしている図は「なんか違うわこれ。俺の想定してたモンハンじゃない」という雰囲気だったわけです。

※ 後述しますが、狩りに効率化を求めたり相手を封じ込める事は悪い事ではないです。
※ さすがに「お前はすぐやられてしまうから、キャンプ(安全圏)で待ってろ」と言われた時には、さすがに一緒にプレイするのをためらいましたが…

〇「共闘」がウケたモンハンの方向性
2nd Gや3rd,3rd Gで共闘がウケにウケたモンハンですが、(おそらくオトナの事情で)次作のプラットフォームがPSPからnintendo 3DSに移行します。
PSPとnintendo 3DS(以下、3DS)では所持者の年齢層に圧倒的な違いがあり、3DSの方が年齢層が上下ともにめちゃめちゃに広かったわけです。

共闘 という点に主眼を置き、さらに多くの年齢層に適合させるようになった結果、どうなったか。
アイテムを採取する”準備期間”の極力排除と、ハンター(プレイヤー)個人の「派手さ」の登場です。

準備期間の極力排除として「農場」システムが採用されました。
(これ自体は2ndG時代から既にありましたが…)
農場システムというのは、狩りに必要な様々なアイテムを自動栽培してくれる環境のことで、
実際にフィールドに出ずとも、回復役やサポートアイテムの数多くをそこで収集できるわけです。

ここも後述しますが、共闘において「サポートアイテムを揃えて戦いに挑む」という期間は正直無駄で、
無料で無限に湧いてくるという矛盾との折衷案がこれだったのでしょう。

また、プレイヤー自身に対していくつかの特殊能力をセットし、
大ダメージを与えたり、カウンター技を発動したりする「狩技」というものも出現しました。

これは様々なプレイヤーに対応すべく(大人だけでなく、子供にもプレイが映えるように)
ド派手な必殺技でモンスターと戦う という「カッコイイハンターがモンスターをやっつける」状況を作りだしたかったのだと思います。

つまり、共闘をメインに据えた結果として、世界観や生活感は極力抑え、
ハンターがメインとなって大暴れする という風潮が強くなったのです。
結果として、「モンスターを身動きさせずにボコる」というやり方が「正」とされました。

実は私は3DSに移行した際に「なんか違う」とモンハン自体あまり触らなくなった期間がありました。
当時は「デカい画面で綺麗な画面でモンハンをプレイしたい」と言っていたのですが、
おそらくこの「狩猟対象だからボコっていい」という雰囲気がそこまで好きではなかったのではないかと思っています。

〇昔の「モンハン」とはなんだったのか

その当時、PS2に別売りのインターネット接続アタッチメントを付け、
電話線をつなぎ、月額945円を払わないとオンラインに繋ぐことのできなかった時代です。
当時主流なインターネット回線はADSL。当時はメーリングリストができるだけでわーきゃー言っておりました。

手間や人口の関係から、まだまだ「ゲームは一人で行うもの」という考えの方が一般的だったように思います。
そんな中でのモンハンのゲームコンセプトは「大自然の中の一個人」だったと解釈しております。

モンスターは「狩りの対象」ではなく「驚異的な存在」であり、
ハンターはモンスターを含む大自然の中、フィールドワークに赴く現場の人間 だったわけです。

人間ですら食糧の一部であるモンスターが跋扈する試される大地に人間が一人でいれば、
もちろん自然の恵みを享受するのにも命がけで、腕の立つ人間でないと薬草一つ取ってこれないわけです。

初代では"農場"のシステムも全くなく、各種サポートアイテムを集めるのも、
フィールドに赴き、現地でアイテムを拾ってくる という操作が必要でした。
大型モンスターと戦うとなるとサポートアイテムを大量に消費してしまうので、
アイテム採取にかける時間とモンスターを討伐する時間の割合は、だいたい[8:2]くらいの割合でした。

当然面倒臭いわけです。

狩技なんてものは全くなく、武器の種類も6種類程度だったかと。(現在は派生含めて14種類くらいあります)
要するに、これと言って見栄えのする戦闘シーンは少なく、
戦闘に至るためには異常な程の準備期間が必要だったわけです。

当然面倒臭いわけです。(2度目)

dos(2作目)は、より「大自然」の感覚が強くなっております。
現行作品ではなかなか考えられませんが、
3つの季節(温暖期、寒冷期、繁殖期)があり、さらに朝と夜の区分けもありました。
当然、出現するモンスターが変わったり、季節によって強さが異なるモンスターがいたわけです。

アイテムの採取時間こそ緩和されておりますが、
それでもフィールドに出て採取を行わないと、狩猟をするためのサポートアイテムは手に入りにくい というのは
依然として残っていました。

さらには、モンスターの狩猟数に応じて報奨金が上下する という機能があり、
たくさん狩猟したモンスター程報奨金の価格が下がり、
あまり狩猟していないモンスターであるほど報奨金が上がる というシステムがありました。

当然面倒臭いわけです。(3度目)

そんなわけで、「モンスターを狩猟するハック&スラッシュゲーム」としてはリプレイ性も低く準備時間が長すぎるので
大変面倒くさいゲームでした。

が、


「大型モンスターが跋扈する世界感でフィールドワーカーとして生きる準オープンワールドゲーム」としては、
とても長い時間を過ごせる神ゲーだった というわけです。

サポートアイテムを入手するのも自分で収集し、生態系を崩さないように需要と供給のバランスが報奨金価格という数値で保たれ、腹を満たすために草食獣の命を取り、街の発展や同族の命を守るために脅威に立ち向かう、こういう流れでした。

頭のキレる読者の皆さんならもう理解ができていると思いますが、
モンスターハンターというゲームはポータブル機でのブレイクを境に
「試される大地で生きるゲーム」から「共闘してモンスターをたくさん狩猟するゲーム」へとコンセプトが変貌したのでしょう。

私自身は初代とdosでの経験がもはや性癖レベルで身についていたので、
「試される大地で強大な脅威に立ち向かう」というごく個人が抱いていた世界観は、「強いメンバーと圧倒的な力でモンスターを狩猟する」というコンセプトやUXに全く歯が立たなかったわけです。

(一狩り行こうぜ!と軽くCMしていた時期は共闘をメインにしております)

CMとしての売り出し方もそうですし、モンハン絡みでイベントが開かれた際には「狩猟タイムアタック」が開かれており、どのチームが対象のモンスターを上手に手早く狩猟できるか という大会になっておりましたので、
完全に私が変な奴だった、という話になります。

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〇 時は流れて、モンスター・ハンター・ワールド

3DSでのモンスターハンターシリーズが一息ついたのか、
PS4版でモンスターハンターがリリースされたのが2018年年始の出来事です。
当時は「プレステにモンハンが帰って来た」と一部ゲームハード論争界隈が騒いでおりましたが、
私の印象としては「俺(たち)のモンハンが帰って来た」でした。

農場に似たようなアイテム収集箇所はありましたが全てのアイテムをほぼ無尽蔵に取得できるシステムはなく、
かといって アイテム収集のために延々とフィールドを周り続ける必要がないシステムです。

歴代シリーズと比較すると、圧倒的に広い(広すぎるくらい)のマップに、これでもかとアイテムが配置されているため、特定アイテムを集めるために日課のようにフィールドを回る という煩わしさはほどんどないわけです。
アイテムを集めるための動作も改善され、走りながらアイテムが集まっていく という所もスムーズ。

今作では 各ジャンルの武器ごとに必殺技のようなものがありますが、狩技は存在しません。
必殺技も派手と言えば派手ですが、モンスターの咆哮や他エフェクトやギミックに比べるとかなり控えめです。

つまりは、ハンター個人の動きによる派手さよりも、モンスターの動き、地形の変化など、
大きさでもって「画面的な映え」を演出しているのです。
これによって「ハンターという無敵超人」のような演出は少しはなくなったのかと思います。
(とはいえ普通の人間なら即死のようなものもケロッとしてたりしますが)

ド派手なアクションをついつい期待しがちですが、
狩猟って本来 地味でどろっくさいものと思っているため、
トレーラーが出た時は「これでいいんだよこれで」と地味に思っていたりもしました。

さらに、モンスターの痕跡を探すことで新種のモンスターの手がかりを探していく要素や、
環境変化を追っていった先に元凶となるモンスターがいる という流れを追うストーリーなど、
ポッと出で「強いモンスターが出てきたから倒してこい」という
単なる「狩猟対象増加のお知らせ」ではない新モンスターの登場のさせ方も、「上手い!」と思っています。

つまりはですね
「モンスターのいる世界で生活する」という要素が、十数年ぶりに帰って来た という印象を持っているのです。

それだけかというとそうではなく、4人で集まって共闘することもできますし、
高い報酬の見返りとして重度の制約を設けているモードなどもあります(調査クエストのことです)

古来からのモンスターハンターに息づいていた「大自然に挑み、その中で生活する」という世界観と、近作の「共闘でモンスターに挑む」という 共闘プレイにもうまく対応したのが、モンスターハンターワールド、および実質続編のモンスターハンターワールド・アイスボーンではないかと思っております。

友人とボイスチャットを繋ぎながらモンハンワールド・アイスボーンをしながら、生きるという世界観が重視されていたのは昔だったね なんて話をしたのがきっかけでなんか妙にしっくり来たのでした。

とは言いつつ、一緒にプレイして先導してもらってる友達がいて、
私自身はそこまで上手なプレイングではないので、あっさりとやられてしまうために「三オチ担当」(いわゆる任務失敗担当)と言われたり自分から言ったりしていますが…

追伸
MHWと言えば、「受付嬢が妙に馴れ馴れしい上に、やたらとトラブルに足を突っ込みたがって守ってもらって当然みたいな態度を取るから嫌い」と受付嬢バッシングが流行った時期がありましたが、
あんだけハンターと編纂者のツーマンセルで組んでるメンバーが多い中で、妙によそよそしい編纂者が相棒だったらと思うと ものっすごい虚無ですよ?
そりゃオトモのアイルーとの再会時に、自分ではなく受付嬢に飛び込んでいくところはジェラっとしましたが。

あと、アイスボーンでは受付嬢の知能が急激に上昇しているので、
ためらっていた方は是非ちゃんとストーリーを自分の目でおっかけてみてください。

以上。それでは。

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