ケモノというジャンルについてのお話
こんにちは。9052でございます。
今回は「ケモノ」というジャンルのお話。
オタクなので超長文を語ります。ご了承ください。
また、人によっては嫌悪感を示される方もいるかと思いますので、
気分が悪くなったら閲覧を止めていただいて問題ありません。
前述
私はバイクの車載動画をニコニコ動画にアップしているのですが、
私の代理キャラクター、および動画サポート役のキャラクターをどちらも獣人化しております。なぜなら私がケモナーだからです。
これ自体は完全に趣味だからほっとけや という話なのですが、
コメントの中にいくつか語らざるを得ないコメントがありましたので、
個人の解釈も交えてまとめました。ここから抜粋して動画の方に反映させようと思っております。
■ そもそも「ケモノ」「ケモナー」ってなんなの?
■ ケモナーには同性愛者が多いの?
■ 定義と解釈の揺れはマジで多すぎるよ という話
■ 最近のメディア露出が増えたワケ(個人的解釈)
■ ケモナーにとっての地雷はこの辺だよ
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■そもそも「ケモノ」「ケモナー」って?
超ざっくり言うと、獣人や亜人の総称を「ケモノ」と呼び、
ケモノを好きな人の事を「ケモノ+er」 つまり「ケモナー」と呼びます。
ここでは漢字での「獣」との差別化が図られていて、
「ケモノ」はおおよそ人間と同様の知能を持っており、人語を話したり、
独自の社会性、文化性を築いている作品もあるっちゃあります。
実は「ケモナー」という言葉が広く普及し始めたのはネットからではなくゲームが発祥。
.hack//シリーズで出てきたのが一番大きいと言われております。
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■ ケモナーには同性愛者が多いの?
これは個人的な偏見もあるかと思いますが、多いです。
というよりも、いろいろなジャンルが「ケモノ」の中に内包されており、
そのきっかけになっているものも全く異なるアプローチによるものなので、異常にややこしいことになっております。
大きく分けると3つ。
1. 異性の艶めかしさ(メイン)+動物の可愛さ(サブ)で入ってくるもの
人間の女性(あるいは男性)をメインとし、そこにケモノの要素を足していくタイプです。
昨今ぼちぼち認知が進んでおりますが、ここにどれくらいのケモ要素が入れられるかによって 見た目や雰囲気が大きく変わります。 ここに入れるケモというのは現存するほ乳類から空想上の生物まであります。
ポケモンならルカリオやミミロップ、デジモンならレナモンなど、様々な獣人がここに属するかと思います。
この辺が解釈無限大レベルなので後述。
2. 四つ足・小動物の可愛さ(メイン)+人間的な知性(サブ)で入ってくるもの
現存する動物や、動物寄りの4つ足系モンスターの可愛さ、魅力から、
人間的な知性、文化を持たせていくタイプです。
個人的にはここから入ってきたタイプの方は、ケモに二足歩行させる以上の事は基本的にしないかと。
(人間のような骨格にする、手を人間のようにする、など)
3. 男性・同性愛者のメタファーで入ってくるもの ← これが同性愛者が「割合として多い」といわれる所以
あまり表沙汰には出てこない印象がありますが、実はコミケの「ケモノエリア」では、半分くらいがこのジャンルです。 今でこそ異性愛、同性愛などの理解や関心が広まっていますが、広まる前から一定数同性愛者がいたことは想像にたやすいでしょう。
同性愛者のあれこれを表現する上で、どうしてもモロに描いたりすると悪目立ちしてしまいます。
日本では悪くて不快がられる くらいで済むのですが、国によっては厳罰対象になったりするわけです。
そこで、クマやトラの獣人を代理を立てることで婉曲表現としたわけです。
「人間じゃないからセーフ!」といった具合です。
(そう、このような婉曲表現の追いかけっこの末に「ドラゴンカーセック〇」が生まれたのです)
そういうわけでこのジャンルは「悪目立ちしそうな同性愛の性的表現の婉曲として」流れてきたパターンなので、筋肉質であったり肉付きが良かったりと、極端に男性的であることが多いです。
さらには、ここに第三者の性別が入るから話が複雑になります。
つまりどういうことかというと、男性向け同性愛(いわゆる”ガチ”系です)と、女性向け同姓愛(いわゆる"BL"系)に分けることができます。
※ 実際に読んでいるのが男性か女性か という問題は度外視させてください。
この3つのアプローチで入ってきた人々を総称して「ケモナー」と呼ぶようになっているため、内部はマジモンの混沌をきわめています。
普通であれば同性愛者か異性愛者かの違いでなんとなーくコミュニティが分かれてくるとは思うのですが、それが「ケモノ」というジャンルでまとめられており、ここへのアプローチの一つにメタファーがある以上、
割合として多いのではないか、と感じるのが私の考えです。
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■ 定義と解釈の違いが多すぎ問題
さて、前項にてお伝えした通り、「ケモノ」と一言にまとめてもアプローチや「ココが好き!」みたいなポイントも全く異なるわけです。
さらにですが、このケモノ階段という所が大変厄介。
前提1. 人間と動物の間を「ケモノ」としている
前提2. ケモノは実在はしていない
この前提があるため、人間よりだけど動物の要素を持っていても、
動物寄りだけど人間的な要素を持っていても、どちらも「ケモノ」と名乗っているわけですね。
さて、この「動物的な要素」「人間的な要素」というものは何でしょうか?
尻尾の有無、耳の違い、足の関節の違い、手足の形状、
肉球の有無、マズル(犬などに見られる長い鼻先のことです)の有無……
そう、この要素の違いを組み合わせてケモノは創られます。
ただし、人間の耳や人間の顔をしながら逆関節、のようなある種の禁じ手のようなものもあります。
ここでまた面倒くさい分類が発生しますが、
人間の顔や体は持っているけど、手先や足先だけがケモノ要素を持たせていた場合、
それはケモノではなく「モンスター娘」という解釈になります。
※男性版モンスター娘 のようなキャラクターはあんまり見ないかと
ちょっと話は脱線しましたが、
尻尾やマズル、肉球の有無(あるいは性器は人間寄りか動物寄りか)という点で、定義や解釈違いが発生します。面倒くさすぎる。
有名どころの解釈違いで言えば、髪の毛があるのかないのか問題や、
お腹や胸は毛で覆われているのか素肌なのか薄毛なのか問題、
二足歩行だけど足は人間系なのか動物のような逆関節持ちなのか問題など……
ただしこの解釈違いに憤るのは若い方が多く、(私も昔は解釈違いを嫌がっていました)
年数の長いケモナーは「どれでもある程度は美味しくいただく」という感じになっているようです。
(さすがに同性愛、異性愛などの話になると人によって見解が分かれますが……)
ここです。実はケモナーでない方から見ると、かなり違和感を感じる所になるわけです。「なんで頭が犬なのに髪の毛生えてるの?」とか、「頭は猫なのに手は猫じゃないんだね」とか。
私なりに答えを出すとするならば、「そういうものとしてとらえてください」ですね。
実はこの辺の違いをなんの違和感もなく視聴者に見せている映画があります。
「猫の恩返し」というスタジオジブリ作品です。
メインヒロインのハルは人間から人語を話してセーラー服を着る猫 という間を行ったり来たりします。
主人公?のバロンは本当に頭だけが猫のような感じで、白タキシードを華麗に着こなしますし、手袋も靴も人間そのものです。
他のキャラクターは完全に猫が二足歩行したようないで立ちをしています。
話のバックストーリーなどはありますが、これだけ程度の違うケモがたくさん出てきているのに、
違和感を感じずに見ることもできるのです。
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■ 最近のメディア露出が増えたワケ(個人的解釈)
「獣人」「ケモノ」も、十数年前から見ていくと メディア露出が(アニメ・ゲーム内では)めちゃくちゃ増えました。
「そんなんあったっけ?」と首を傾げられる方もいらっしゃるかもしれませんが、
昔はネット上のお絵かき掲示板等が主流であり、テレビ放送されたりゲームにちょっと出てきたキャラクターを皆で描いていたりしておりました。
(スターフォックスシリーズのクリスタルや、聖剣伝説LoMのダナエやシエラ、デジタルモンスターのレナモンなど)
昔からメディア露出はあったにはあったけど、やっぱり本筋から少し外れたキャラクターであったように思います。
というかメインに据えられているキャラクターやバディもので出てきていた作品もありましたが、ケモノが出てこない作品の方が圧倒的に多かった というわけですね。(そりゃそうか…)
※結果、いろんなマスコットキャラクターがケモナーに愛でられたりする文化ができているため「業が深い」と言われがちですが、その話は今回はしません。
で、今になって、「ケモナー」という名前を冠したり、主人公がそもそもケモナーだったりする作品が、単行本化されたりアニメ化されたりしています。つまりは、「ケモナー」というある意味へんてこりんな趣味を持った人間が認知されてきたわけです。
なんで?という話ですが、私なりの解釈では、理由は3つあるかと思います。
1. 異世界転生モノによって、ケモノという存在が出しやすくなった
ゲームであればファンタジーという世界観は大変作りやすいですが、
アニメ原作となると依然としてファンタジーマンガの連載は難易度が高いといわれています。
理由として、始まって数回までに世界の理を読者に説明する必要があり、説明を入れすぎると読者への乖離が大きくなるために人気が下がり、逆に説明を入れないとトンデモ展開に読者が離れていってしまうためです。
週間少年ジャンプなどの週刊誌でファンタジーマンガが連載が続かなかったのもこれが理由ともいわれています。
そうなるとマンガ原作でアニメ化をするというビジネスで成り立っているアニメ業界(特に深夜)でファンタジーモノを出せず、結果としてケモノが出てくる作品はほぼない、とされていました。
もちろん美少女のほうがウケが良い環境において、ケモノというニッチジャンルを攻めるという事自体がリスキーすぎます。
ところが最近(?)「小説家になろう」という小説投稿コミュニティサイトの作品がアニメ化し、「なろう系」というジャンルが築かれるようになりました。そこで流行ったのが、いわゆる「異世界転生」モノです。
冴えない主人公が現代でトラックに轢かれてしまい、死ぬはずがファンタジー世界に転生して、そこで超特殊スキルや体質を持っていて、超ちやほやされるというアレです。
ここで注目すべきは「ファンタジー世界に転生した」という点です。
ファンタジー世界なので、人外生物、ドラゴンなど、どんな種族でも登場させられるわけです。つまりは獣人、つまりはケモノも登場させることができるので、視聴者に対してこういう種族を見せやすいわけです。
もしかしたら「アレ、こういうのもアリなのかも?」と思わせる一因になっているのかもしれません。
2. ソーシャルゲームで出しやすい
ゲームであればどんな世界観でもある程度は許されます。
ファンタジーな中世のゲームとなると、よっぽどゲームから断絶した世界で生きてきた方以外なら見たこともあると思います。
ファンタジーとなれば、先ほどの通り、人外生物でも登場させることができるので以下略、といった所です。
3. なろう系が出始める少し前に「モンスター娘」が流行った
ケモノ解釈の話で少し触れましたが、なろう系が流行る少し前に、モンスター娘が流行った時期があります。モンスターのような足や翼、はたまた身体を持っていながら、おおよそは美少女 という描かれ方をしているものです。
これによって、「いきなり人外はキツイけど、おおよそ女の子の感じなら案外イケるかも…?」と感じた方もそこそこいるとか。
つまりは長い期間をかけて、人間からケモノへと橋渡しがされていた ともとれます。モンスター娘以前に、ネコ耳やバニーなどのケモノ耳は古くから一定数の支持がある事は前提で、の話です。
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■ ケモナーの地雷はこの辺だから話すときは気を付けてね
さてここまで、ケモノとはなんぞや、境界線はどこや、なんでメディア露出増えたんや という話を長々としてきました。
解釈違いやアプローチの違いで全く違う人種が多数おり、面倒くさいといわれるゆえんが分かるかと思います。
ですが、誰に聞いてもだいたい怒るポイントが3点くらいあります。
1. ケモノ耳だけで「ケモナー歓喜」と言われる
解釈が細分化されているので多少のものは許されますが、これはほぼ100%怒られます。これは本当に注意してください。
猫耳と尻尾のみのキャラクターが好きな事自体は別に個人の自由だからよいのですが、
こだわりが強いがためにそれで「俺ケモナーだわw」と近寄られると
「うるせえこっち来るな」と激怒されますので注意してください。
また、企業様がこれをやってしまうとメチャメチャ叩かれます。
実際に、「けものフレンズ」というアニメ、ありましたよね?
アレ実はスマホアプリがもとになってできたアニメなのですが、
このアプリの広告キャッチコピーがケモナーの逆鱗に触れました。
キャッチコピーは「ごめん、俺ケモナーだわ!」というものでした。
けものフレンズは、基本的にはケモノ耳と尻尾を持った女の子のキャラクターですので、ケモノではなく耳尻尾のついた美少女です。
twitter(特に私のTL)は死ぬほど荒れており、結果として公式が謝罪を入れるまでになりました。これ自体はサービス終了のきっかけとはならなかったのですが、結局はサービス終了となりました。
他にも、いろいろな所で「やめろバカ」とケモナー(私含め)がガチギレしたコンテンツはそこそこあった印象があります。
これですね、仕方ない所ではあるのですが、
いくらファンタジーの世界だなんだといっても、多くの人はケモノよりも美少女のほうが好きです。なので、ケモノ耳の生えた美少女キャラクターがニーズに合っている という事もわかります。ただ線引きはしっかりあるから、変に知った単語を口走るとSNSを見たくなくなるくらい叩かれるよ?というお話です。
2. ケモノキャラクターが覚醒や変身で人間の姿になる
これは怒られることはあまりないのですが、ほぼ100%がっかり要因です。
ケモナー同志でゲームやアニメの話をしたりした時も「アレさえなければなぁ…」という感想になってしまう事が多いです。
こればっかりはストーリー上の関係やニーズを考えると仕方ない所ではありますが、やっぱり最後までケモノキャラで行きたかった!話を見たかった!みたいな話も多いです。
3. 「ほら、こういうの好きだろ?」と言って動物の写真を渡される
人によって分かれる所ではありますが、リアルな動物への性的嗜好は別のジャンルです。リアルな動物への性的嗜好は「ズーフィリア」という別の性癖です。とはいえケモノ好きな人は単純に犬猫などの動物が好き、という方も多く、さらにはケモナー兼ズーフィリア みたいな人もいます。
ですので、ケモナーだからといって動物園に行った際「お前にとっては風俗みたいなもんだな」みたいな言い方をすると、
マジで絶交絶縁されかねないのでそういう風に言うのはやめてね という話です。
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終わりに
自分でいろいろ書いておいて、長文過ぎるしキモいなと思っております。
完全に早口オタクじゃないか……
ですが、実はこれですべてではないです。
もっと細かい分類があったり、海外文化、着ぐるみ文化などを合わせるともう手が付けられません。
まあそんなことは一気に言う必要はない。
一言にケモノと言っても、それは「美少女」にいろんなカテゴリがあるように、いろんな嗜好があるよ というお話でした。
実は私はケモノ好きな人間ではあるのですが、
ケモノが出てくるアニメやゲームをそこまで見ていないので言うほど詳しくもない というよくわからないジャンルの人間だったりします。
一次創作大好き。
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