音と光の洪水を体感せよ!Just Shapes&Beatsから得る体感について

どうもこんにちは。9052です。
今回は「Just Shapes & Beats」というゲームから見る、音と光を重視したゲームの面白さについて。

https://store.steampowered.com/app/531510/Just_Shapes__Beats/?l=japanese

■どういうゲーム?
Just Shapes & Beatsはいわゆる弾幕ゲームと呼ばれるジャンルのゲームで、
飛んでくる弾幕を避け続けるゲームです。シューティングとは少し異なり、プレイヤー側から敵に対して攻撃をすることはなく、一定時間避け続ければステージクリア という形式です。
これだけならよくあるパターンかと思われますが、このゲーム、ただの弾幕ゲーではないのです。
ステージごとに様々な「音楽」が起用されており、
弾幕はその曲の音やステージコンセプトに合わせて発生する という形式です。
「音ハメ」感が圧倒的で、この気持ち良さで
一気に引き込まれる事請け合いとなっております。
ビジュアルはどれをとっても単純な形状で、
背景は基本的に黒かそれに準じた色、弾幕は蛍光ピンク一色です。
つまりは画面いっぱいに音楽に合わせてネオン系の弾幕が飛び交う中を駆け回る、といった構成になるわけです。
ダブステやらアップテンポなダンスミュージックやチップチューン、
それに準じた綺麗な弾幕構成、画面いっぱいに広がるネオンピンク。


こりゃもう爆音縦ノリ必須ですわな!といった感じでございます。

※ このゲームはあくまで弾幕ゲームなので、
     リズムに合わせてボタンを押す という、
   「音ゲー」とは厳密には異なります。
  リズムに乗っていれば弾幕の発生予測はできますが、
  リズムとは関係なく弾幕を避ける必要があります。


■なんでこんなに気持ちがいいの?
文字に起こすとなんてことはない弾幕ゲーだと思われがちですが、
実際にやっているプレイヤーからすると「とてつもなく気持ちの良いプレイ体験」が得られます。
(私一人ではなく、他の方からも同じような意見がありました)
なんでこんなに気持ちがよくなるのかを考えた所、2つの大きな要因があるのではないかと思っています。


1.「視覚と聴覚の一致」
もともと人間には、音の出どころを無意識に目で追ってしまったり、
動きに対して音が同時発生でないと違和感を覚えるなど、
「視覚と聴覚は一致するものだ」という前提が本能レベルで存在しています。
元は危険な生物から身を守ったり、いち早く危険を察するための防衛反応だと思いますが、これを前提に日々行動しているため、音と動きが合わないと違和感、もっというと不快感を覚えるわけです。
これを利用して、聴覚だけの情報ではまったく意味不明に感じるノイズを視覚によって補完したり、
ずっと同じ聴覚情報をインプットしているハズなのに、視覚情報を入れ替えることによって全く別物の情報に聞こえたりする という認知トリックがあったりします。

とは言え全ての視覚情報と聴覚情報が一致していなければいけないわけではなく、明らかに関連性のない情報は脳が別情報として処理してくれます。有能。

さて話は戻り、よくある弾幕ゲームでは音楽と動作は別々に動き、
良BGMはあったとしても、プレイヤーは「いかに弾幕を避けて敵を倒すか」がメインになるため、
そこでの一体感は求められていなかったように感じます。
(私が弾幕ゲーをあんまりやってこなかった という所もありますが)
ここに音楽と弾幕発生の一致が発生することで、別項として扱っていた情報が一致し、それが画面いっぱいに広がるという流れを見せ、
結果として「気持ちが良い」という感覚になるのでは と思っております。


2.「暗→明のネオンの高揚感」
このゲーム、触ってはいけない弾幕は全て蛍光ピンク1色で構成されております。これは「敵である色」を1色に絞ることで画面としての効率化を図るようにも取れます。様々な色があった場合、画面としては賑やかですが ゲーム性を考えるとどれを避けたらいいかわからない というジレンマが発生するわけです。
(このジレンマをうまく活用したのが斑鳩という弾幕ゲームですが…)
さらに、この暗い背景に極端に明るい色が明滅することでの高揚感を出している、ともとれます。これはまさに、クラブのようなトランス感です。
と、大きくこの2つの要素によって
「気持ちよくて楽しい」弾幕ゲームが出来上がっているのではないか と感じました。

■ この感覚、どこかで…
この音楽と画面の一致感や、明滅によるトランス感を出したゲームは
今までになかったのでしょうか?やはりもちろんありました。特にアーケード系の音楽ゲームは最近この要素が大きいように思います。
例えば sound voltexやGROOVE COASTERは特にトランス感が高めです。

他にも「Rezシリーズ」(Rez,Rez HD,Rez Infinity)やAudioSurf、ルミネス、最近ではtetlis effectなど、様々なゲームがあります。ですが、このトランス感を追い求めていた企業がありました。


タイトー」です。

タイトーと言えば最近だとゲーセンの企業でしょ?と思われなくもないですが、代表作である「スペースインベーダーシリーズ」は、どの世代の誰に聞いても知っているゲームかと思います。
実はタイトー、節目節目にスペースインベーダーをリリースしていた時期があり、年数を追うごとにどんどん進化を遂げていました。
様々なアイテムの追加、自機の変形、ボスの登場、画面の明滅など、
昔の物とは一線を画した出来となっております。
ただインベーダーを打ち得点を得るゲームから、
敵を一層する爽快感やよりキメ細かいSF感を追求する形となり、
この流れを次いで GROOVE COASTER(音楽ゲーム)が生まれているのだと思います。このGROOVE COASTERというゲーム、
音楽に合わせて手元にあるジョイントボタンを叩いたり揺らしたり、回したりするのですが、
それだけの操作にも関わらず ディスプレイがバカ程大きい筐体です。
そして、それこそジェットコースターのように
レール上を自機が滑っていき、レールに配置されているタイミングに合わせて指示されたアクションを取り続けていく といったゲームの流れになっています。プレイング的にはそこまで複雑な要求をしていないにもかかわらず、
疾走感と没入感、そして画面構成によるトランス感を生み出しているのです。

特に音ゲーやリズムゲーは音ハメを「させにいく」ゲームなので、多くの人が魅了されるのも想像に難しくないでしょう。

音ゲーから話は戻りますが、
この光が踊るという感覚と画面と音楽の一致感は、割と鉄板な組合せのキモチ良さなのかもしれません。それがクラブであり、ゲームであり、ライブであり、映像であり、といったエンターテイメントの媒体に組み込まれているのも想像に難しい話ではありません。

なんやかんや書きましたが、複雑なストーリーテリングやチームプレーに疲れてきたなという方 やってみてはいかがでしょうか。

※このゲーム、冒頭で光過敏性発作(いわゆるポリゴンフラッシュ)の警告が出るほど 点滅が激しいゲームです。動画での視聴、実際のプレイする際には部屋を明るくし、画面からある程度の距離を取ることをオススメいたします。

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