日本の色 7月(季節を味わう#0015)
「季節を味わう」では、毎月第3水曜日に季節を象徴する日本の色をピックアップ。
7月にもたくさんの色があります。その中から私の好みで選びました。
【玉蜀黍(とうもろこし)色】
最近は白っぽい玉蜀黍もあるようですが、私は、浅い緑色の皮を剥いたときに黄色い粒が見えた方が美味しそうに感じます。玉蜀黍色はまさに、玉蜀黍の実のような温かみのある黄色です。
別名「もろこしいろ」とも呼ばれ、江戸時代に大流行したのだそうですが、当時の詳しい染色方法はわかっていません。ヤマモモの樹皮を乾燥させた揚梅皮(ももかわ)と明礬 (みょうばん)によって玉蜀黍色に染めることができるそうです。
ところで とうもろこしはイネ科の一年草で南アメリカ原産。コロンブスによってヨーロッパに伝えられ世界中に広がりました。日本には天正七年(一五七九)と言いますから戦国時代にポルトガル人によって長崎にもたらされたことになります。新しい物好きの織田信長がとうもろこしを食べたかどうかは分かりませんが、信長は玉蜀黍の花がお好きだったようですよ。
【水色】
澄んだ淡い藍色のこと。
純粋な水や蒸留水はほぼ無色透明ですが、池や湖、川、海などは空色に見えます。これは水の微粒子による光の散乱や、水中の藻類・微生物の色、水面に反射する空の色や風に揺れる葉の色の反射が影響しているからではないかと言われています。
水色という呼び名は、このような「水の青」からきています。平安時代には「水色」という色名が使われており、古くから「水=青い」というイメージがあったことになります。
(2023年7月19日)
色見本については、Webサイト「伝統色のいろは」様より引用させていただきました。
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