見出し画像

日本の色 9月(季節を味わう#0024)

「季節を味わう」では、毎月第3水曜日に季節を象徴する日本の色をピックアップ。
9月にもたくさんの色があります。その中から私の好みで選びました。


【茜色】

茜色と聞いて、夕暮れ時の空を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。茜色はやや黄みがかった沈んだ赤色のことで、山野に自生する蔓草の茜の根を染料としたことから茜色と名付けられました。
植物の茜は「赤根」という字を当てられていたこともある、世界で最も古い植物のひとつといわれていて、邪馬台国の卑弥呼が魏の皇帝から茜色の絹を贈られたという記録もあるそうです。

【月白】

モデルでタレントのアンミカさんは「白には200種類あるねん」とおっしゃったそうですが、月白も「白」の一種。月光のような明るい白に、青みが差した色合いを月白(げっぱく)と呼びます。月そのものの色ではなく、月が出てくる際に白く染まった東の空の色のことだそう。
「げっぱく」ではなく「つきしろ」と読むと、月が東の空に昇る際に空がだんだん明るく白んでいく様子を指し、特に月見客が十五夜を待ち焦がれる思いを表現しました。
ちなみに宝塚歌劇団 月組トップスター 月城かなとさん(2023年9月現在)の苗字は字は違いますが「つきしろ」と読みます。もしかしたら月の光に関係がある色名の「月白」が芸名の由来ではないかと深読みしましたが、そうではないようです。月城さんは95期生。芸名を決める時に、90周年記念史に掲載されていた過去のタカラジェンヌの芸名からピックアップ、組み合わせてつけたのだとか。漢字や読み方などこだわり抜いて芸名をつける人もいるのに、先輩タカラジェンヌの名前をミックスして自分の名前にするとは、あまり細かいことは気にしないトップスターさんなのかもしれませんね。

(2023年9月20日)


色見本については、「伝統色のいろは」様より引用させていただきました。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?