「音」をビジネスにしている企業を徹底取材!東京オリンピックでも使われた水中だけで聴こえるスピーカー!全国7割の医科系大学が利用!医学生向けの聴診器用スピーカー!
今回のがっちりマンデー!は…
儲かる「音」ビジネス!
今、静かに急成長してるのが…
「音」ビジネスの世界!
合成音声で歌う歌が大ヒットしたり…
本を読んで聴かせるアプリが流行ったり…
ポッドキャストやインターネットラジオが、じわじわ伸びたり…
と、なぜか「音」がアツい!
今回はちょっと見えづらい
「音」ビジネスの世界の、
さらに超ニッチなところで
儲かってる人たちに注目!
あんな音、こんな音が、
がっちり儲かっていました!
今回は、「音」ビジネスの世界を徹底取材します!
※以下、12月26日放送の書き起こしです。
買い物中に聞こえてくるあの「音」!頭から離れないあの曲のヒミツとは?
儲かる音ビジネス。
やってきたのは群馬県みどり市にある…
「群馬電機」という会社。
お迎えいただいたのは、営業担当の佐藤秀之さん。実はここ、みなさんおなじみのいろんなものを作ってるらしく…
佐藤さん:大手メーカーのリモコンとか…
佐藤さん:LED表示器などを作らせて頂いております。
大手電機メーカーからの依頼をうけて、エアコンやテレビなどのリモコンや、壁に取り付ける操作パネルなど、色んな精密機器を作ってる会社。
街で見かけるLED表示盤だったり…
羽田空港のタクシー乗り場なんかも「群馬電機」さんなんです!
その年商は45億円。そんな「群馬電機」さんが20年前に作って、今も地味に儲かっている「音」ビジネスがあるという!それが…
佐藤さん:この音聞いたことございますでしょうか?
ん?どこかで聞いた事のあるような、ないような…
佐藤さん:かなり全国のみなさんに、「あっ!この曲聞いた事ある」というようなお話を頂いております。
なんでしたっけ?これ…?
佐藤さん:呼び込み君と申します。お店で販売促進で使っていただくものです。
「群馬電機」の儲かる音ビジネスが、その名も「呼び込み君」!一台2万3980円!これは、お店でお客さんを呼び込むための販促機器なんですが、なんと今も、年間約3000台がコンスタントに売れているらしい。
一体、何がそんなにすごいのでしょうか?実際に「呼び込み君」を使ってるというイオン大宮店さんへ。
すると…
お惣菜売り場に!ありました!
他にも、食器売り場にも!
野菜売り場には、サンタ姿の「呼び込み君」!
魚売り場では、なぜか頭が文字になっちゃったバージョン!
とにかく、お店のあちこちで「呼び込み君」が呼び込んでいます!
この音について買い物中のお客さんに
聴いてみると…
お客さん:馴染みのある曲なので、ちょっと見ていこうという気になります。
お客さん:明るくて、お買い物したい気持ちになります。
お客さん:さっさと買って帰らなければ…って気持ちにさせられる。
もはやお客さんにもすっかりお馴染みの音。
「呼び込み君」でがっちり!イオンの店長、阿曽達郎さんも太鼓判!
阿曽さん:我々の仲間だと思ってますので。
そのメロディーに何かヒミツがあるのでしょうか?
「呼び込み君」を作った開発者の藤巻剛さんを直撃!
藤巻さん:お買い物に来ていただく方が、楽しくお買い物できるように、お子さんが喜んでくれるようなイメージで、外見もそうなんですけど、そういったところで、音楽とイメージを作れたらいいなと。
CMソングを作っているプロの作曲家の方に依頼して作った「キッズ」。
確かになんだか、楽しく買い物できそう!でも、「呼び込み君」が毎年3000台も売れるのには、もうひとつ、大きな理由があるんです!それが…
店員さんの呼び込みの声を、簡単に録音して再生できる機能!
スーパーでは店員さんによる、その日の目玉商品の売り込みを毎日吹き込んで流すというのが、とっても大事!
藤巻さん:ひと昔前だと、ラジカセを使って、3分間喋り続けるやり方でした。呼び込み君の場合、伝えたいことだけ、録音したら終わり、非常に簡単です。「疲れた」って言わないですし。
確かに、ラジカセのような音楽機器を使って録音して、何度も繰り返し再生するのは、意外とめんどう。しかし「呼び込み君」なら…
ボタンを押して喋るだけ!
スタッフ:何回やってもできるんですか?
藤巻さん:できます。ボタン押して喋れば、上書きされるので、特売商品が終わって、違う物に切り替えがその場で、新しい商品に切り替えをすぐできます。
誰でも簡単に、何回でも録音して使えます!しかも、録音機能も再生スピーカーも、これ一台で済み…
超コンパクトサイズだから、売り場の邪魔にならないんです!
2O年前の発売開始以来、とにかく使い勝手が良いと5万台を売りあげてる「呼び込み君」。開発者の藤巻さんも…
スタッフ:こんなに売れると思ってました?
藤巻さん:全然、思ってなかった。
一度、聞いたら耳から離れないメロディーと、使いやすくて、エンドレスに喋り続けるタフさで、「呼び込み君」は今も、全国のお店で大活躍中!
「呼び込み君」で、がっちり!
▼スタジオでお話を伺いました。
森永さん:今、普通の製品の寿命って、3年ぐらいになってきてるんですね。でもこれは、20年売れてるって言うのは、すごい発明だっていうことですよね。
加藤さん:面白いですね。
東京オリンピックでも使われた水中スピーカー!選手の次は植物に音を聴かせて大成功!
続いてやってきたのは新潟県上越市にある…
「ウエタックス」という会社!
お出迎え頂いたのは、ウエタックスの2代目 植木正春さん。
ウエタックスは新潟で35年続く、小さな精密機械製造の会社。植木さんによると、そのすぐれた技術が生み出す音で、かなり、がっちりなモノがあるらしい。
植木さん:当社は水中スピーカーでがっちり!です。水の中で音が出ます!
ウエタックスの儲かる「音」ビジネスは、水中スピーカー!一台約20万円!でも、水中でも使えるスピーカーとは、どういう事なのでしょうか?
というわけで、近くのプールへ。
実際にスタッフがプールに入って、音を聞いてみます!
植木さん:ぜひ、体感してください。実際耳で聴くと全然違います。
水中にスピーカーを沈め…スタッフには曲名を言わず、「うっせぇわ」を流してみます。
果たして…
スタッフ:すごい聞こえる。「うっせえわ」。
植木さん:正解です!
どんな風に水中で聴こえるのか、水中マイクで音を収録してみると…
なんと、イヤホンで聴いてるみたいに聴こえます!
これまでは、壊れやすく使い勝手の悪かった海外の水中スピーカーで練習していた、アーティスティックスイミング日本代表で、15年前から使われるようになり…
東京オリンピックではなんと、水中で音楽を流す公式スピーカーとして採用!
さらに、意外なところでは、警察や消防の捜索活動の現場で…
水中のダイバーに指示を与えたりする連絡用にも大活躍!しかし、気になるのは、一体なんで水中でだけ聞こえるのか?ということ。植木さん、どういう仕組みなんですか?
植木さん:実は、骨伝導で聴こえてるんです。人間は、水の中に入ると、鼓膜よりも骨で聴く修正があるみたいなんです。
そう、人間は、地上では空気の振動を、耳の鼓膜で感じて、音を認識。
空気のない水中では、水を振動させて、それが骨に伝わり、それを神経で直接「音」と感じる、骨伝導という仕組みで聞いてるんです。「ウエタックス」のスピーカーは、独自の技術で、水をブルブル震わせることで、音を水中で聴くことができるというわけ。
水の方が空気よりも、より振動が遠くまで伝わるので、遮るものがなければ最大200メートル離れてても聞こえちゃう!
しかし、植木さんによると、水中でしっかりと音を伝えるには、普通のスピーカーとは違う、ある点が難しいという。
植木さん:沈めていくと水圧がかかりますので、それを防ぐために、同じ力で、戻さないといけない。簡単に言うと、車のサスペンションのようなものが中に入っていて、外圧と内圧をイコールにする機構が設けられています。
そう、スピーカーの表面をブルブル振動させるとき…
水圧でグッと押さえつけられると、うまく震わせられない。
そこで、スピーカーの内側から、水圧と同じくらいの力で押し戻すのですが、その力の加減が難しい!
スタッフ:本当に振動しているんですか?
植木さん:はい、振動しています。
スタッフ:スゴい!
どうやって押し戻してるのか、その仕組みは、絶対に観せられない超トップシークレット!…なんですが、特別にちょこっとのぞかせていただきました!
スタッフ:シンプルですね。
植木さん:はい。これだけです。
スタッフ:これが難しいんですか?
植木さん:これが難しかったんです。
スタッフ:バネですか?
植木さん:サスペンションです。
この超トップシークレットであるサスペンションの技術は、世界各国で特許を取得!今後は、世界で1000台を売るのが目標なんだとか!
さらにさらに、こんな意外な使いみちも研究中!
スタッフ:えっ野菜ですか?
植木さん:植物の根に音を聴かせています。
これは、水中で植物の根に、直接、「音」を聴かせる実験!
なんと、「音」を聞くと育ちがいい!とは、にわかには信じがたいですが、
ルッコラの大きさが1.5倍に! 栽培期間も、通常20日のところが18日と2日も短縮したんだとか!2022年末までに栽培システムとして売り出す計画!これは本当に世界で踊り出しそうです!
ウエタックスは、水中スピーカーで、がっちり!
一見音が出ていないスピーカー?実は命に関わるあの音を出していた!
続いてやってきたのは、神奈川県 横浜市の…
「テレメディカ」という会社。
音ビジネスでがっちりな、藤木清志社長、らしいのですが…
さすがに会社が小さすぎませんか!?
藤木社長:このスペースで十分に仕事ができるビジネスをやっております。がっちり!です。
この小さなスペースだけ、社員数5人だけで1億8千万円の売り上げ!
棚には発送予定の商品がズラリ!一体どんな音ビジネスを?
藤木社長:聴くゾウです。
「テレメディカ」の儲かる音ビジネスは、その名も「聴くゾウ」
一見、おもちゃのスピーカーのように見えますが、実はある特殊な音が聴ける、すごいスピーカーなんです!
スタッフ:何のスピーカーなんですか?
藤木社長:聴診の音を出す専用スピーカーです。
えっ?お医者さんが聴診器でやってるあの聴診?
藤木社長:「医学生」とか「看護学生」、「研修医」、「看護婦」さんの医療関係の方が聴診の練習をする研修会や、授業などで使っています。
そう!「聴くゾウ」はその聴診の音を聴いて、勉強するためのスピーカー!
専用のアプリが入ったパソコンとつないだ「聴くゾウ」に、聴診器をあてて聴いてみると…鼓動音がしっかり、聞こえます!
しかも、体のどこに聴診器を当てるのか、パソコン上の画面で、聴診器を動かせば…同じ心臓の音も、微妙に違う音として聴こえるんです!
心不全や弁膜症など、正常じゃない心臓の音も出せるから、聴き比べも可能。心臓以外にも肺の呼吸音もあって…
例えば、健康な肺の音と、コロナ患者の肺の音は、全然違う音として、しっかり聴くことができるんです。
実際に授業で使っている、聖マリアンナ医科大学の黄先生に、「聴くゾウ」について聞いてみると…
黄先生:今まで学生の教育も含めて、CDやイヤホンを使って教えていたんですが、圧倒的に教育効果が高いと思います。「聴くゾウ」の場合、自分自身の持っている聴診器を使えるので、より実際の臨床に近いと思います。
学生さんも…
学生:今まで文字でしか習ってなくて、初めて使ったんですけど、聴きやすかった。
学生:持って帰りたいです。
今までは心拍を聞くにも肺の音を聴くにも、大きなマネキン型しかなくて、使うのも大変!
黄先生:どちらも高価で大きいので、学生に貸し出すことはできませんし、使う時には、教員が付き添う必要がありました。
スタッフ:なんで今までそういうのなかったんですか?
黄先生:なんでですかね。
黄先生:本はいっぱいありました。CDが入っていて、後から聴く練習はできるんですけど。聴くための道具として、聴診器を使えるようにスピーカーを作る発想はなかったと思います。
今までになかったニッチな音に、目をつけた藤木社長。症例の音作りは自らパソコンで!
実際の症例を録音し、よりきれいな音にするため、雑音を除く作業を一つ一つこなし、大学の先生に何度も確認してもらって、作るのだとか。
黄先生:かなりリアルだと思います。患者さんに出会う前に異常な音を勉強できる点では、かなりメリットがあると思う。
さらにこんな機能も付いてるんです!
藤木社長:聴診の時には脈を取りながら、心臓の聴診を聞くのが基本なんですけども、スピーカーなんですけど、聴くゾウに触ると、脈を触れることができる機能もあります。
聴診の音だけでなく、脈拍を指で感じられます。これで、よりリアルに、訓練できるようになってるというわけ!
「聴くゾウ」、お値段の方は、2台セットのレンタルが、年間27500円。100種類以上の音が入ったソフトは、年間60500円。
なんと、全国7割の医療系大学で利用されているというから、これは相当儲かりそう!
テレメディカは、聴くゾウでがっちり!
▼スタジオでお話を伺いました。
加藤さん:これ、すごいね。医学の進歩というか、間違いがないように、レベルも上がっていくよね。
森永さん:ものすごくニッチなところをおさえているんですけれども、実は世界中に医学生がいるわけですよ。だから、「グローバルニッチ」なんです。聴診器で音を聞かせるっていう発想がなかったんですよね。
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