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「儲かるシブすぎ観光列車」①JR四国「伊予灘ものがたり」は手作りすぎる歓迎で乗車率9割!②静岡で全長9.2キロの「岳南電車」が走らせるのは…暗すぎる電車?観光列車なのに消灯!?③新潟「えちごトキめき鉄道」のボロボロ国鉄にマニア殺到!?

今回のがっちりマンデー!!は…
「儲かる!シブすぎ観光列車」

この夏、世の中のおでかけ需要もすっかり復活!

全国の観光地がにぎわいを取り戻してますが、
そんな中で、あの観光スポットも帰ってきた!
それが…

「観光列車」

コロナ前に大ブームを巻き起こした、
JR東日本のクルーズトレイン「TRAIN SUITE 四季島」、
東急の豪華観光列車「ザ・ロイヤル・エクスプレス」など
どの有名列車も満席!満席!の大人気、なんですが、

今、こうした超豪華観光列車ブームの影で、
そんなに豪華じゃないけれど、
ちょっとシブめのやつが密かに…いや!
結構人気を集めて走ってる! そして、儲かってる!!

JRグループの中で一番小さい「JR四国」が
なんとか作った観光列車が、大人気!
儲かりのヒミツは…お遍路巡り?

静岡県を走る、全長たった9キロの鉄道会社が、
どうにかこうにか観光列車、発車!
夜に楽しいことがあるんです!

儲かるシブすぎ観光列車!
出発進行〜!

※以下、7月23日放送の書き起こしです。

JR四国「伊予灘ものがたり」は手作りすぎる歓迎で乗車率9割!地元の人が大歓迎のヒミツは四国独特の文化「お遍路さん」?

シブい観光列車を求めやって来たのは…

愛媛県にある「JR四国」の松山駅。

お出迎え頂いたのは、四国旅客鉄道の観光列車担当、松岡哲也さん。

失礼ながら「JR四国」さんは、全国のJR各社の中でも一番小さくて
結構大変と聞いたんですけど、儲かっている観光列車あるんですか?

松岡さん:たくさん乗っていただいてます!

本当ですか!? 早速やってくるということで、駅のホームに行ってみると…

人だかりが出来ています!これは期待大!
そして、皆さんのお目当ての列車が…

何やら音楽を流しながらやってきたこちらの列車!一体、これは何なんですか?

松岡さん:「伊予灘ものがたり」です。ドル箱です!ドル箱列車です。

こちらの「伊予灘ものがたり」は、2014年から運行を開始した「JR四国」が誇る観光列車!

ボディは、愛媛県の伊予灘の夕景や柑橘類をイメージした「茜色」と「黄金色」の2色デザインです。

土日と祝日を中心に、愛媛県内の松山駅から伊予大洲駅間、松山駅から八幡浜駅間で1日2往復、計4便が運行。お値段は、片道3780円から。

松岡さん:昨年度では、大体2万6000人くらいのお客様。売上げは2億円くらい。乗車率でいきますと、9割近いです。

この乗車率9割という数字、「JR四国」の普通列車と比べるとめちゃくちゃスゴイことなんです!お客さんに聞いてみると…

お客さん:なかなか予約も取りにくいですよね、「伊予灘ものがたり」って。やっと取れて!

そして、この日も…ウッディでオシャレな車内は、お客さんでいっぱい!ほぼ満席じゃないですか!スゴい!実は、この「伊予灘ものがたり」…

松岡さん:JR四国としては、はじめての本格的な観光列車ということでデビューしました。

とは言え…一番小さいJRなもので、作るのは大変だったらしい。そのへんのところを松岡さん、教えてください!

松岡さん:本当にここでしか走っていない列車を作ろうと思ったので、鉄道車両っぽくない物を作れば、ここにしかない列車になるのかなと。レストランだったり、喫茶店だったりっていうようなイメージで作りました。

確かに、車内はレトロな雰囲気で、列車というよりレストランという感じ!ところで、どなたがデザインしたんですか? さぞ有名なデザイナーさん?

松岡さん:いや、これは私がデザインしました。
スタッフ:え?そうなんですか?

そう!こちらの「伊予灘ものがたり」をデザインしたのは、松岡さん。

松岡さんは元々、車両ではなく駅の建築などが専門だったそうなんですが…

松岡さん:他の観光列車はプロデュースの部分を外注してる所が多いと思うんですけど、僕がやった方が安いというものありますし。
スタッフ:経費もかかってないわけですよね?
松岡さん:そうですね、僕の給料分だけ。

新車両を造る予算がたくさんある訳ではない「JR四国」。だから、チームJR四国、社員さんメインで、デザインからプロデュースまでしてるんです。そして…愛媛の街を走っていると…

ん?この電車、結構ゆっくり走ってない?

はい!実はこの速度こそが、「伊予灘ものがたり」のシブいアイデア!この列車が走る松山〜八幡浜間は、特急で走れば50分程度で着くんですが、「伊予灘ものがたり」では平均時速50キロ、2時間半かけて走ります!

愛媛の山間の風光明媚な景色や…

伊予灘の美しい海がゆっくり見られる…のはモチロンですが、最大の理由がこれ!

…ん?沿線から手をふる人。そして…

また手をふる人。

なぜか線路沿いでいろんな人が「伊予灘ものがたり」に向かって、何かやっています。これも、何かのサービスなんですか?

松岡さん:地域の方がこの列車を歓迎して下さっている。おもてなしですね。

そう!こちらのみなさんは、JR社員でもなんでもない地域の方々。みなさん、「伊予灘ものがたり」が通るたびに、自発的に手をふったり…

旗をふったり、

シャボン玉を飛ばしてくれています。こうした地域の方のおもてなしを見せるためにゆっくり走るんですが、でも、なんで地域のみなさんは、こんなことをやってくれるのでしょうか?

住民の方:お遍路さんの88箇所、四国はそういう文化があるでしょ?

そう!四国といえば、88箇所のお寺をお遍路さんが巡る「四国八十八ケ所霊場めぐり」が有名。四国の各地には、長旅をするお遍路さんたちに、地元の方がお茶や食事、時には宿までも提供してもてなす、その名も「お接待」という文化があるんです!
お遍路さんだけでなく、観光で来る方も「お接待」しようと、みなさん、いろんなやり方で出迎えてくれるんですね!

お客さん:テンションが上がったよね、手を振ってくれたら、なんか元気が出た。

「JR四国」は…「伊予灘ものがたり」で…がっちり!

▼スタジオでお話を伺いました。
加藤さん:ゆっくりっていいですね。

市川紗椰さん:本当にゆっくりです。食べ物も食べられるし、景色も見ながら、すごく優雅な時間です。
森永さん:あれを走らせること自体が実はものすごく大変で、「JR四国」ってみんな単線なんですよ。単線の中でゆっくり走る列車がいると、邪魔でしょうがないわけです。
加藤さん:単線だったら、後ろから特急とかくるでしょ?どうするの?

南田裕介さん:特急車とうまくすみ分けをしてまして、「伊予灘ものがたり」は海沿いをゆっくり走っていくわけです。


南田裕介さん:特急車は、内子線経由で一気にいくんですよ。だから、海沿いは、案外ゆっくり走っても大丈夫なんです。
加藤さん:そういうことか。電車移動って、早く移動するために乗ってるのに、あえてゆっくりしてるって。しかも手を振ってくれたり…いいですよね。

市川紗椰さん:思春期ぽい少年が手振ってくれたりします。
加藤さん:そうなの? なかなか手振りませんよ。思春期の子が。
市川紗椰さん:ちょっと感動しました。
南田裕介さん:そうなんです。家の庭に出ておじさんが手を振ってくれたり、営業所から出てきて手を振ってくれたりとか。もう感動ですよね。

静岡で全長9.2キロの「岳南電車」が走らせるのは…暗すぎる電車?観光列車なのに消灯…なんで?

シブすぎる観光列車を求めて、続いてやって来たのは…

静岡県にある「岳南電車」の吉原駅。

こちらの「岳南電車」は、静岡県富士市内を走る全長わずか9.2kmという短い鉄道。年間およそ70万人が利用するんですが、そのほとんどが地元の通勤・通学の方とのこと。シブい観光列車は、こちらにあるんでしょうか? 運転士を務める鉄道部の本多功典さんに話を伺いました。

本多さん:夜にうちは楽しいことがあるんです。時間帯は19時43分です。

夜出発??ちょっとよく分かりませんが、午後7時過ぎ…吉原駅のホームに行ってみると…

お客さんの姿が!しかも…結構いらっしゃるじゃないですか!みなさん、うわさのシブい観光列車がお目当てなんですか!?

お客さん:スゴく憧れていたので絶対乗ろうと思って!
お客さん:結構楽しいんじゃないかなって。興奮しています!

みなさんちょっと興奮気味!そして、そのお目当ての観光列車がコチラ!

8000形という、確かに見た目は結構シブめの列車。すると、ホームにいた皆さん、続々と電車の中へ。

あっという間に、車内はほぼ満席! そろそろ出発と思った、その時!

車内アナウンス:それでは、まもなく発車いたします!消灯まで5秒前…

えっ!消灯?そして…

車内アナウンス:4、3、2、1、消灯!

お客さん:おお〜!

なんと発車の合図の後、車内の電気が消え真っ暗に!そして、真っ暗な車内のまま、ホームを去っていく。一体、これのどこが人気なのでしょうか…

と、思っていると…車内では、こんなアナウンスが!

車内アナウンス:右側に見えます工場は…

ん?工場?

窓の外に目をやると、見えてきたのは工場の灯り。これは、かっこいい!

お客さん:スゴい!きれい!

実はこれが「岳南電車」人気の観光列車で、消灯した車内から工場夜景や街の灯りを楽しむ、その名も「夜景電車」!

実はここ富士市は、紙の街として、製紙工場をはじめ様々な工場が集まっているんです。

そんな富士市の工業地帯を横切る「岳南電車」から見える風景は…

夜になると、作業用の照明などに照らされた銀色のパイプが輝き、なんとも幻想的な風景に!こちらの「夜景電車」、乗車料金は往復で大人1200円。現在は月に2回ほど実施し、今年で9年目。年間およそ2000人ものお客さんが来るというからスゴい!

そして、この「夜景電車」のスマッシュヒット以降、夜はイケる!と思った「岳南電車」の夜の観光はどんどんエスカレート!

ある日の夜23時の駅舎には…

ん?駅のホームに寝袋?

さらには、車内でも!一体これは?

本多さん:この吉原駅で終電後、朝まで楽しんでいただく「ナイトステイホーム」です。

そう!終電後の駅舎で1泊するイベント。これが鉄道ファンに好評!お金をかけず、既存の列車や駅舎、さらに風景を生かした夜のイベントでお客さんを呼ぶ「岳南電車」

本多さん:夜のイベントをいろいろと、また作り上げていきたいなと思っております!

がっちり!!

新潟「えちごトキめき鉄道」のボロボロ国鉄にマニア殺到?2両だけの小さな観光列車が大人気!

シブすぎる観光列車を求めて、続いてやって来たのは…

新潟県にある「えちごトキめき鉄道」という会社。

「えちごトキめき鉄道」は、北陸新幹線の長野〜金沢間開業に伴い、新潟県の市振駅から妙高高原駅間、全長98.3キロの路線をJRから引き継いでできた小さな鉄道会社。お出迎え頂いたのは、「えちごトキめき鉄道」の竹内幸一さん。失礼ながら、こちらに観光列車あるんですか?

竹内さん:私的にもですね、自慢のリゾート列車です!

そんな、「えちごトキめき鉄道」の観光列車が…

こちら!なんだか見た目は2両編成でカワイイ!これは?

竹内さん:えちごトキめきリゾートの「雪月花」です。年間で約6000名のお客様にご利用いただいておりまして、売上げにしますと去年で1億3千万円から1億4千万円。

結構、稼いでます!確かに、「雪月花」の出発時間に駅のホームに行ってみると…

おっ!人だかりが!

スタッフ:今日どちらから来たんですか?
お客さん:北海道です!憧れの観光列車なので乗りにきました!

実は、なかなか予約が取れないという人気の「雪月花」は…

土日と祝日を中心に、およそ3時間かけて新潟県内の上越妙高駅から妙高高原駅へ行き、さらに折り返して糸魚川駅へ向かうコースと、その逆のコースで運行。お値段は、食事付きで…2万4800円から!と、結構お高い!どんな感じなのか、中を見てみると…

結構、お客さんが乗ってます!スゴい!

そんな、「雪月花」最大のウリは…

車内で食べる料理!

糸魚川市の能生漁港直送の魚介類をふんだんに使った「割烹 汐路」のカニ料理や…

上越市で140年続く料亭「百年料亭 宇喜世」の釜飯など。しかもこれが…

お客さん:和食っていうのは、やっぱり日本酒と合いますよね。
お客さん:お酒を飲む人にとっては、つまみ的に食べれて良かったんじゃないですかね。

米どころ、酒どころの新潟だけに、おいしい日本酒と一緒に楽しめるんです!

お客さんはつい、美味しい料理とともに別料金の日本酒を飲んでしまうんです!なんともかわいくてステキな観光列車「雪月花」。

でも…竹内さん、シブい観光列車もあると聞いたんですが…

竹内さん:実はですね、社長の肝いりでもう一つの観光列車があるんですよ。

そんな社長の肝いりが、コチラ!

確かにシブい…というか、シブすぎる…。

昭和からタイムスリップしたような古い列車。最近あまり見ないような感じですが…なぜかこの車両に…

どんどんお客さんが集まり…みなさん、中に続々と乗り込んで行きます!一体、どれくらいの方が利用してるんですか?

竹内さん:年間で2万4000人のお客様にご利用いただいております。

めちゃくちゃスゴい!

土日を中心に、直江津駅から市振駅の間を1時間15分程度で運行。乗車券に500円の急行券をプラスして、手軽に乗ることができるこの観光列車。何でこんなに人気なのでしょうか?

なんとなく乗り込む人たちを見てると、分かりますよね?

スタッフ:お兄さん、鉄道は?
お客さん:大好きです。乗り鉄と撮り鉄ですね。
お客さん:基本的には乗り鉄が中心でして、仕事も鉄道の仕事を。

そう!このレトロな車両、鉄道マニアにはたまらないらしい!

お客さん:やっぱり昔から走ってた味のある車両の方が、乗りたくなちゃう。30〜40回乗ってます!

こちらはその名も「国鉄形観光急行」と言って、今から約60年前に作られ旧国鉄時代に走っていた古い車両を、JR西日本から普通の車両の10分の1程度の値段で購入したモノ。

中でも、こちらの455系は世界に現存するこのモデルで唯一の車両。めちゃくちゃ貴重なんです。そんな古い車両なので…

お客さん:車内の入った匂いとか。
スタッフ:匂いも?
お客さん:まあまあマニアックな匂いしますよ。

なるほど!これもまたうれしい!さらに、車内で感じるある意外なところに
ハートを掴まれる人も!

お客さん:この電車は古いんで、なかなかにうるさい!僕的にはそのうるささがいい。

一般人には全くわかりませんが、鉄道マニアには、この列車の音すらたまらないらしい!でも、なんでこんな古い車両を導入し、昭和レトロな感じの車内にしたのでしょうか?

こちら、シブい列車の採用を2年前に決めた鳥塚 亮社長。実は鳥塚社長、かつて千葉県のローカル線「いすみ鉄道」の社長だった方。そこで、廃線寸前の会社を立て直し、2019年から「えちごトキめき鉄道」へ移籍。

鳥塚社長:私も鉄道大好きなんで、こういうの走ったら絶対みんな来てくれるよなって。

そう、鳥塚社長自身が筋金入りの鉄道マニア!そんな、鉄道マニアの心を分かり過ぎている社長ならではの、こだわりサービスも「国鉄形観光急行」にはあるんです!

例えば、こちら。普通は4人がけで座るボックスシートを

なんと独り占めできちゃうサービスで、お値段は釜飯などの料理付きで8800円!さらに、さらに!

なんとこちら、運転士さんの横の助士席に座れるサービス!

運転士さんと同じ目線を体験できるこの席、お値段は2万7500円となかなかですが、これまた大人気!既存のスペースをうまく使い、お金をかけずにがっちりやっていますね!

「えとごトキめき鉄道」は…「雪月花」と「国鉄形観光急行」で…がっちり!

▼スタジオでお話を伺いました。
加藤さん:考えてますね!
森永さん:鳥塚社長が天才なんですよ。旧国鉄形の車両を買う時は、社員みんな反対だったんです。でもやるぞ!って。鉄道マニアだからわかってるんですよ。
加藤さん:僕は車とか好きなんだけど、車で言ったら「旧車がほしい!」みたいなことだよね?
市川紗椰さん:感覚は近いと思います。博物館とかに保存されている古い国鉄の列車はいっぱいあるんですけど、ちゃんと走らせてくれるっていうところがむちゃくちゃ嬉しいんです。音もわかりますよね。
加藤さん:車もガタガタいいますし。旧車は。
南田さん:トンネル入った時のモーターの音とかたまらないですよね。

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