「ムコ社長」が業績を上げる!?全国ムコ社長徹底取材!①鋳物メーカーのムコ社長が売上げを18倍に!②音楽の初心者が日本一の楽器店「島村楽器」のムコ社長に!③棚を作っている会社のムコ社長が地震で揺れても本が落ちない棚を発売!その秘密は…!?
今回のがっちりマンデー!!は…
「儲かる!ムコ社長」
ムコ社長ということは、
奥さんの実家に入った娘婿、
いわゆるマスオさんで、
義理のお父さんが社長。
で、その会社を継ぐというパターン。
なんだか、いろいろ大変そうな気もしますが
実はこれが、結構うまくいくらしい!
というのも、ある驚きのデータが!
社長の子どもが後継ぎになるよりも、
なぜかおムコさんが継いだ方が
業績がいい、ってことが判明したんです!
その秘密を探るべく、
全国のおムコさん社長を調査!
すると、意外な儲かりの法則が!
仏具や茶道具を作っていた鋳物の会社に
ムコ社長が来たら、売上げが18倍!
その秘密は…
金属をぐにゃぐにゃ曲げて、がっちりだった!
棚を作っている会社にやってきたムコ社長は
棚の弱点を解決するスゴいモノを開発!
地震で揺れても…
本が落ちない!?
儲かる!ムコ社長
マスオさんも「エーッ!」と驚く儲かりのヒミツ満載です!
※以下、10月16日放送の書き起こしです。
鋳物メーカーにやってきたムコ社長が売上げ18倍に!作ったのは…ぐにゃぐにゃ曲がる食器!?
最初の儲かるムコ社長がいるのは、富山県高岡市。
「能作」という会社。
能作社長:こんにちは。はじめまして、代表の能作克治と申します。
こちら、100年以上の歴史を持つ鋳物メーカーで…
仏具の香炉だったり…
茶道で使う花瓶なんかを作ってるそうなんですが…
スタッフ:社長さんはムコ社長なんですか?
能作社長:そうです、ムコ社長です。実は、先代もムコ社長なんです。
なんと、先代の社長もムコ養子。2代続けてムコ社長なんですね。ところで、肝心の売上げはどうなんですか?
能作社長:社長になる前は1億円を上下していた感じなんですけど、売上げが18億円になりました。18倍くらいになったんです。おムコさんなら65倍くらいならないとダメでしょ。
スタッフ:ムコ(65)だから?
能作社長:そう。
スタッフ:ムコダジャレみたいな。
2002年、能作さんが社長に就任。あることを始めたら売上げが急上昇!今年は18億円を見込んでいるとは、スゴいですね!しかも…
スタッフ:人がたくさんいますね。
能作社長:見学に来る人が多くて、観光スポットになってまして。
ムコ社長が作った新しい「あるもの」を見るため、観光客がどんどんやってきます!その、あるものとは!?
能作社長:こちらです。食器を作ってます。
そう、儲かりの秘密は金属製のオシャレな食器。でも、これ普通の食器じゃない!
例えば、このお皿は…
能作社長:コレ金属なんです。
能作社長:こうすると曲がるんですよ。曲がる器なんですね。
スタッフ:スゴい。硬いけど、曲がるんですね。
そう、能作の食器は、金属なのにぐにゃぐにゃ曲がる!
さらに、こちらの網目が入っているものは…
能作社長:こう持ってやると、カゴになりました。
スタッフ:なるほど。
食器を自分好みに曲げて使える、その斬新さが受け…
こちらの器「KAGO」はお値段1万4300円ですが、累計20万個の大ヒット!
そして、使っていると手に馴染んだ形になる「NAJIMIタンブラー」は、年間およそ2万個とこちらもバカ売れ!
でも、金属なのに曲がるとはどういうことなのでしょうか!?その秘密は、作業場に…
能作社長:この型に溶けた金属を流し込みます。
能作社長:今入れた金属なんですけど、これは錫(スズ)なんです。錫100%で作っているんです。
スタッフ:だから、柔らかいんですか?
能作社長:そうです。
そう、能作の柔らかい金属の正体は錫(スズ)!錫100%だと、食器もぐにゃぐにゃ曲がるというわけ!…と、なると気になるのが、どうしてどの会社も錫100%のものを作らなかったのでしょうか!?ということ。
能作社長:錫は、単品は柔らかいのに合金になると硬くなるんです。
スタッフ:なるほど。
能作社長:だから、どのメーカーも硬くして加工してたんです。
実は、錫には他の金属に混ぜると、その金属をより頑丈にするという性質があります。
例えば、銅に錫を混ぜた青銅は、ただの銅よりもはるかに強度が増す!といった具合。だから錫はこれまで、合金として使われてきたんです。
能作社長:この100%錫の製品開発は誰もやってなかった。世界で初めてです。柔らかいものが製品になるのは、ありえないと思っていたみたいです。
「金属は硬いもの」という固定観念から、誰もやらなかった錫100%の鋳物。実はこれ、ムコ社長だからこそできたそうで…
能作社長:元々は、大手新聞社でカメラマンをやっていたんですよ。
スタッフ:カメラマンなんですか?
能作社長:そうなんです。
スタッフ:鋳物に関しては、もうまったく?
能作社長:完全な素人です。何も知らずに来ました。金属のことを知ってたら、こんな無謀なこと誰もやりません。
素人だからこそ、業界の常識にとらわれなかったんですね。ところで社長!2代続いてムコ社長とのことですが、後継ぎってどうなってるんですか?
能作社長:長女の能作千春です。
スタッフ:専務で、いらっしゃるんですか。
能作社長:うちは娘3人なんで。
なんとムコ社長のお子さんも、全員女性。ということは!?
能作千春さん:主人をおムコさんで。
スタッフ:またムコ。
能作千春さん:そうなんですよ。なので主人もお仕事を一緒にさせてもらっています。
しかも、驚きなのが…
能作社長:孫も女の子です。
先先代の社長も、先代も、能作さんも子どもは全て女性。さらに、能作さんのお孫さんも2人とも女の子。すごい偶然ですね!
スタッフ:次期社長ってどうなんですか?
能作社長:娘が社長やります。
スタッフ:奥さんが社長になるって、旦那さんからしたらどうなんですか?
旦那さん:すごいしっかりしてるし、(私は)社内と家庭を支えていきたいと思ってます。
次期社長はムコじゃなくなりそうですが、しっかりしてそうですね! これなら「能作」は、錫100%で…がっちり!
▼スタジオでお話を伺いました。
加藤さん:全然知らないから、こういうのやればって発想が出てくるのかもね。
小木博明さん:確かに。森山家でも、家でお好み焼きをホットプレートで作るって、考えられないことだったんです。俺が持ち込んだんですよ。新しい風を入れていかないと。
加藤さん:外から持ち込むんだな。
音楽の初心者が日本一の楽器店のムコ社長に! ネットと店舗を繋げて売上げ100億円アップ!
儲かるムコ社長。続いて向かったのは、東京・江戸川区の…
「島村楽器」。
島村楽器といえば、全国に176店舗を持つ楽器店で、店舗数・売上げともに業界ナンバー1の会社。こちらもムコ社長なんでしょうか?
廣瀬社長:社長の廣瀬利明です。よろしくお願いします。
スタッフ:ムコ社長ですか?
廣瀬社長:はい。私がムコで社長になりました。
スタッフ:社長になったのが?
廣瀬社長:9年前ですね。38歳ですね。
廣瀬社長:妻の都充子です。
都充子さん:創業者の娘で4人姉妹の3番目です。
島村楽器は、創業者の島村さんが1代で築き上げた会社で、お子さんは4人姉妹。その3女・都充子さんと結婚し、9年前ムコ社長になったのが廣瀬さん。でも、最近は少子化で楽器を使う人も減ってそうだし…大変なんじゃないですか?
廣瀬社長:私が社長になる前の年が(売上げ)292億円でして、今400億円におかげさまでなりました。
都充子さん:経営者としても、夫としても、お父さんとしても、パーフェクトです。
廣瀬社長:横で聞いてて照れますね。
なんと!廣瀬さんが社長になってから売上げはぐんぐん伸びて、昨年は過去最高の401億円!
その儲かりの秘密は、楽器屋さんビジネスの「難しさ」を解決した、ムコ社長・廣瀬さんの2つの改革にあるんだとか。まず1つ目が…
廣瀬社長:こちらです。インターネット販売の強化です。
スタッフ:ネット販売ってやってなかったんですか?
廣瀬社長:今までもやってはいたんですけど、「実際の店舗でお客様に楽器を触っていただいてしっかり接客する」、それが島村楽器のポリシーだったので、インターネットで、触らない、音も聞かない、それで買うのは違うだろうということで。
そう、意外と楽器ってネットで売れない。というのも、値段もそこそこするし、実際に見て音を出してから買いたい、ってお客さんが多いから。
でも、ムコ社長の廣瀬さんがあることをやったら、売れるようになったんです!それは、島村楽器の持つ武器を生かした、ありそうでなかった作戦!
廣瀬社長:島村楽器は、日本で一番店舗の数が多い楽器店ですので、ネットで買ったものも、島村楽器の店舗に行って相談できる。ですので、相性がいいと思います。
例えば、99万円もする錦糸町店でしか売っていないレアなギターも…
スタッフ:例えば北海道のお客さんが、これをネットで買って故障した時は?
廣瀬社長:北海道のお店にもギターの修理をするリペアのスタッフがいますので、相談すること可能です。
島村楽器は全国に176店舗もあるから、ネットで買っても、故障したり、分からないことがあったら、お店に行って聞ける仕組みに!
他にも、ネットで見つけたものを取り置きして、お店で買うこともできるようにしたんです!
まさに、「ネット」と「実店舗」の良いとこどり作戦なんです!
ムコ社長・廣瀬さんの楽器屋さん改革その2「太鼓の達人作戦」…とは何??
廣瀬社長:こちらです。「ギターセンパイ」です。
スタッフ:これなんですか?
廣瀬社長:初心者の方でも簡単にギターを弾けるように、ゲーム感覚で覚えられる。
月額990円で、ギターをゲーム感覚で教えてくれる動画配信サービス、「ギターセンパイ」。ギターといえば、指を何本も使ってコードを覚えたりと、最初の基礎がかなり難しい。でも、「ギターセンパイ」は基礎練習が一切なし。指1本で、いきなり曲を弾いちゃう!
試しに、ギター超初心者のスタッフがやってみると…
廣瀬社長:1をおさえて…合ってます!そうです。
「太鼓の達人」みたいだから、ゲーム感覚で楽しめますね!
楽器屋さん一番の課題は、楽器を始める人が少ないこと。だったら、最初のハードルをとにかく下げて、まずは演奏の楽しさを知ってもらうのが大事なはず!というわけで、社長が考えたのが…
この、太鼓の達人のような「ギターセンパイ」だったんです。ところで廣瀬社長、ムコ社長になる前は何をやってたんですか?
廣瀬社長:銀行員をやってまして。
都充子さん:「結婚してください!」と言われた時に、「(島村楽器を)継いでくれないかなとご両親やあなたが思ってるなら、それはないよ。けど、それでもよければ」と、言われました。
プロポーズの時にも会社を継ぐのは断ってたのに、どうして心変わりを!?実は廣瀬さん、MBAを取ることが目標だったそうで…
廣瀬社長:義理の父親から「MBA取りたいってことは社長になりたいんだろ?であれば、島村楽器の社長にならないか?」と。
お義父さん、説得がうまかったんですね。
スタッフ:銀行員であるが故の性として、島村楽器の経営体質とか調べたりしなかったんですか?
廣瀬社長:事前に財務諸表は見なかったです。
スタッフ:見ないで入った?
廣瀬社長:今から思うと、見ないでよく入ったなと思いますけど。
その思い切りが功を奏した、ということですかね!?
「島村楽器」は、ネット販売の強化で…がっちり!
棚を作っている会社に来たムコ社長が地震で揺れても本が落ちない棚を発売!その秘密は…!?
続いて、がっちりなムコ社長がいたのは、熊本県・熊本市の…
「金剛」。
田中社長:田中稔彦です。よろしくお願いします。
こちら、何をやっている会社かというと…
田中社長:ハンドルのついた移動棚。こうやって図書館なんかで使っていただいている。
図書館や学校で見かける、移動できる棚。社長曰く、コレを48年前に世界で初めて作ったのが「金剛」なんだとか。
スタッフ:もしかして、ムコ社長?
田中社長:そうです。(奥さんの)夫です。
こちらが創業者にして、社長の義理の父、谷脇源資さん!そして実家には…
ユミ子さん:どうもはじめまして。ようこそ。
スタッフ:はじめまして。義理のお母様?
田中社長:はい、義理の母親です。
スタッフ:失礼ですが、おいくつでらっしゃいます?
ユミ子さん:91歳。
スタッフ:91歳ですか。お若いですね。
ユミ子さん:うちはみんな女性なんですよ。
スタッフ:何人姉妹?
ユミ子さん:5人姉妹。
スタッフ:それでおムコさん?
ユミ子さん:そうなんです。強引にムコにして。
創業社長・谷脇さんのお子さんは5人姉妹。田中社長は4女の浩子さんと結婚し、2009年ムコ社長に。
スタッフ:社長っぷりは、いかがですか?
ユミ子さん:いいですね。しっかりしてます。
田中社長:こうやって言っていただけて幸せです。
義理のお母さんは絶賛してますが、売上げはどうなんですか?
田中社長:前期が大体76億円くらい。私が就任してから3期連続で売上げが増加してまいりました。
ムコ社長の田中さんが売上げをアップさせた、その秘密が…
田中社長:こちらの棚になります。
スタッフ:普通の棚に見えますけど。
田中社長:地震の時にここに載せてある本が手前に落ちにくい、そういうタイプの棚になります。
「金剛」さんのこの棚は、地震が起きても本が落ちない、ということで、全国の図書館で大ヒットしているんです!
でも、どれぐらい落ちないのでしょうか?試しにやってみてもらうことに。
田中社長: 左は通常の棚です。
田中社長:実は右側の棚の上2段には傾斜スライド棚が取り付けてあって。
スタッフ:じゃあ、この上2段は本が落ちない?
田中社長:そういうことです。大体は実験で震度5強の衝撃を与えます。
スタッフ:震度6とか最大までいきましょうか。
田中社長:わかりました。
普通の棚と新開発の棚。パッと見、全く同じですけど…本当に震度6の揺れでも、本は1つも落ちないのでしょうか!?
「動きます!」
普通の棚は、一番上の本が全部落ちちゃいましたが…
新開発の棚は1つも落ちてない!
一体、何が違うのでしょうか??社長、教えて下さい!!
田中社長:実は、この棚板がスライドするようになっています。
スタッフ:スライド?
田中社長:実際、地震の衝撃でこれがスライドするんですね。そうすると奥の方に角度がついているので、本が奥の方に収まって手前に飛び出しにくくなる。
わかります?
実は、棚を支えている台のココに溝があって、地震で揺れると…
この溝に棚板の端っこがバッチリはまる!
結果、棚が少し傾くことで本が落ちないというわけ。
田中社長:これはかなり売れています。年に100か所ずつくらい図書館にずっと入ってますから。
スタッフ:図書館に棚なんていっぱいあるから、それ全部ってことですか?
田中社長:そうですね。
棚をまるまる免震用に買い換えると、1台ウン十万円もかかりますが、
新開発の棚は、もともとある棚の、この部分を取り替えるだけ。1つ7000円とかなりリーズナブル。ということで、バカ売れしているんです!
ところで、ムコ社長の田中さん!もともとは何をやっていたんですか?
田中社長:地元のテレビ局に勤めてました。
スタッフ:奥様もテレビ局?
浩子さん:はい。
田中社長:報道とか制作とかですね。
スタッフ:「金剛」さん取材に行ったりとかって。
田中社長:1度あります。でも、とにかく怖い社長だなっていう印象だけがありました。
スタッフ:その怖い社長のところに(ムコに)行ったんですね。
田中社長:そうです。
でも、なんでそんな怖いお義父さんがいる会社のムコ社長になったんですか?
田中社長:実は、当時のテレビ局の社長から呼ばれて、「金剛さんがお前に(ムコに)来いという話があるけど、是非行ったらどうだ?」ということで…転職を決断しました。
スタッフ:義理のお父様からではなかったんですか?
田中社長:直接じゃなかったです。
実は、さらに裏で糸を引いていたのが…
浩子さん:おそらく私の母からテレビ局の社長に頼んで、そこから話がいったと思うんですけど。
怖い義理のお父さんからの誘いだと、断られてしまうかもしれない。そう考えたお義母さんがテレビ局の社長に説得を頼んだらしい。
「金剛」は、棚のイノベーションで…がっちり!
▼スタジオでお話を伺いました。
加藤さん:ムコ社長のみなさん、物腰柔らかいね。
小木博明さん:2代目になりたいってなってその会社に入るんじゃなくて、元々はやりたくなくて、自分の夢があって、という人が入るからいいんですよ。
加藤さん:夢があって、引っ張られてるんだよね。
森永さん:さすが、森山さん家のムコですね。
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