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せまいけど儲かってそうな「ドリル&カッター業界」を調査! 鉄もコンクリートも何でも切れる敵なしの巨大カッター!硬いものを切れる「刃」の秘密とは?超精密ドリルがスゴい!髪の毛に文字を彫れる?

がっちりマンデー!今回のテーマは…
「せまい業界」

今回、目をつけた、
せまいけど儲かってそうな業界は…
ズバリ!「ドリル&カッター業界」

グルグルこじ開ける、ドリル!
スパーッと切っちゃう、カッター!

まあどちらも、昔からあるし、
そんなに進化とかはないのでは…と思ったら!
なんだかトンデモないことに!

というわけで今回は、ドリル&カッター業界を
深く掘り下げちゃいます!

※以下、3月13日放送の書き起こしです。

建物を切っちゃう巨大カッター「ガジラ」!硬いものを切れる「刃」のヒミツとは?

せまい業界!ドリル&カッター業界!
まずやってきたのは、岡山県にある…

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「株式会社タグチ工業」という会社。

お出迎え頂いたのは、田口裕一会長。

田口会長:ものすごいカッターを作って、がっちり!です!
スタッフ:年間売上げはどのくらいなんですか?
田口会長:70億円くらいです。

実は3年連続で増収増益と、がっちり!のタグチ工業! 一体、どんな儲かりカッターを作っているのでしょうか?会長に連れられて向かったのが…

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スタッフ:なんですか?ここ!
田口会長:スクラップを集めたスクラップヤードです。ここにトンデモないカッターがあります。

辺り一面、巨大なスクラップの山…すると!

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田口会長:あれが、タグチ工業の巨大カッター「ガジラ」です。

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スタッフ:あれで、鉄切ってるんですか?
田口会長:鉄で鉄を切っているんです!

そう!タグチ工業の儲かりカッターは、とにかく大きいものを切れる巨大カッター!その名も… 「ガジラ」

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重さ6トン、刃の長さ1メートルの大きな口で、 厚さ20センチもある鉄をチョキンとカット!

さらに!

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印刷機の中でも一番硬いローラー部分も、 楽々カット!

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そして鉄の中にレンガが入ったボイラーも、まとめてカット!

田口会長:鉄も切れるし、コンクリートもレンガも切れます。なんでもかんでも、一緒くたに切ってしまう巨大カッターです。

実はある特殊な所で、大活躍なのだという。
それは…

田口会長:解体屋さんのために、油圧ショベルの先端のカッターを作って、がっちり!です!

解体現場!

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しかも、鉄筋コンクリートでできた建物を、まるごと解体する現場で、「ガジラ」は引っ張りだこなんだとか。

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今まで解体といえば、ショベルカーでつついて崩し、中の鉄骨は、切るのに2〜3人がかりで…と、とにかく時間はかかるわ、危ないわで、大変でした。

「ガジラ」を使えば、チョキチョキ切って、スムーズに解体できちゃうんです! 実際にガジラを8台所有しているお客さんの安田産業の安田猛男さんに伺うと…

安田さん:コンクリートを切っても、擦り減らない、摩耗が少ないです。

なので、従来の解体用カッターに比べ、作業スピードが倍以上アップ!というからスゴい!

しかも、この「ガジラ」、特に、日本の建物の解体で、トンデモなく役に立つんだとか。というのも…

田口会長:日本は地震国なので、世界よりもゴツい建物でできているんです。とにかくカッターも大きく強くというのが、最近の傾向です。

そんな日本の解体現場に、なくてはならない存在の「ガジラ」。そのお値段は…会長、ぶっちゃけいくらですか?

田口会長:だいたい2000万円くらいです。ちょっとした高級車が買えますね。

それにしても、なんでこんなにスパスパ切れるのでしょうか!? 田口会長によると、カッターの素材にヒミツが!

田口会長:例えば、「ブロン」、「チタン」「コバルト」等々、ちょっと言えないものが…レアメタルで価格が高いものがブレンドしてあります。とにかく今まで作ったどの刃よりも硬いです。

とにかく硬さにこだわる田口会長が、鉄鋼メーカーに頼んで作ってもらった自信作!しかも、ただ硬いだけじゃない!

田口会長:硬いけど、割れない。普通なら切っている最中に、ヒビが入って、割れてしまうんです。

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デカイものを切る場合、硬いだけだと、どうしてもポキっとなります!一方、「ガジラ」は、特殊な金属を混ぜて、硬さに「粘り」をプラスすることで、デカいものを切っても、刃こぼれしないんです!

作業を終えた「ガジラ」の刃を見てみると…

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田口会長:まだエッジが立ってますね。あんなに使ったのに。

恐るべし「ガジラ」!その年間売り上げは、10億円以上!

解体用巨大カッターで…がっちり!

▼スタジオでお話を伺いました。
加藤さん:見てて、爽快な感じすらあるね。
森永さん:日本では、「解体バブル」っていうのが起こっていて、高度成長期に、色んな建物ができたんですけど、耐用年数って60年なんですよ。
加藤さん:じゃ、ちょうどですね。
森永さん:だから今、もう壊さないといけないものが山の様にあるんですよ。「ガジラ」の活躍の場ってものすごく広がるんですよ。
加藤さん:ガジラバブル来てるんですね。高度成長期からの建物が、やっぱ解体しなきゃいけないっていうとこに差し掛かってるって事ですか?

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田口会長:そうですね。鉄の値段が上がってるから、スクラップも上がってるんで、とにかく鉄が出ると、もう壊したがる、みたいな。
加藤さん:なるほど。そういう流れになってるんだ。面白いですね。

髪の毛に文字を彫れる?超精密ドリル!エンドミルがスゴい!

続いてやってきたのは…

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東京・品川に本社を構える…

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「日進工具株式会社」

お話を伺ったのは、後藤弘治社長。

スタッフ:ドリルですか?カッターですか?
後藤社長:どちらかと言えば、カッターになります。ドリル的な要素もございます。
スタッフ:カッターでもあるし、ドリルでもある?
後藤社長:はい。がっちり!です!

カッターのようなドリルとは一体何なのでしょうか?謎の儲かりツールを求めて、吹雪の中、向かったのは…

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宮城県にある開発センター.。
後藤隆司副社長に話を伺いました。

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後藤副社長:こちらです。ドリルのように見えるんですけど、「エンドミル」という工具なんです。

直径6mmほどの、この小さな工具が、日進工具の儲かりツールらしい…。これの何がどうスゴいのでしょうか?

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後藤副社長:今からこの「エンドミル」を使って、鉄を削ります。

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このドリルで鉄を削る…? 早速、削ってもらうと…

スタッフ:おお!すごい!

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なんと鉄に穴を開けるだけじゃなく、縦に横にと、四角く削ってます!

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わずか30秒で、3センチ四方の四角形が完成。

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しかも、削った側面を御覧ください。ツルツル!角もキレイに削れています!さらに…

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スタッフ:え!?
後藤副社長:スゴいでしょ!

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曲線も自由自在!この「エンドミル」…

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先端の大きさを変えれば…

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もっと小さくて細かい形状にも削れるんです!

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さらに先端を丸型に付け替えれば…

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ピッカピカに仕上げちゃう!

しかもこの加工、その精密さが売りで…

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削って磨き上げた鉄を重ねると…

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ピタッと隙間なく合わさるんです!

後藤副社長:このように穴も開けられるし、色んな形状にも加工できる。これが「エンドミル」の特徴ですね。

でも、なんでこんなにキレイに削れるのでしょうか?ヒミツは…

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先端部分の「溝」

後藤副社長:切りくずをいかに外に出すかが、非常に重要なんです。切りくずを中で巻き込んでしまうと、そこで「エンドミル」が折れてしまうんです。切りくずを出してあげれば、削れます。そういう角度とか、切りくずをどう出すかを念頭に置いた形状になってます。

1秒間に1000回という高速回転で鉄を削る「エンドミル」。

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削った切りくずを巻き込んでしまうと 、「折れる」だけではなく、切りくずが周りの金属にも擦れて、ボロボロになってしまう!なので…

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切りくずを瞬時に外に出せるよう、溝の角度、形状、深さを1000分の1mm単位で、設計しています!

では、日進工具の「エンドミル」は、何に使われているのでしょうか?

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後藤副社長:主には、金型を作ってます。これが金型です。スマートフォン、自動車、カメラ、腕時計、パソコン、ほとんどが、金型が必要です。

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さまざまな新製品やパーツを作る時に、なくてはならないのが、型に流し込んで形を作る「金型」。この金型を精密かつ正確に作るのが、大事で、とっても大変なんですが、それを可能にしているのが、「エンドミル」なんです!

後藤副社長:6ミリ以下の小径の「エンドミル」の括りでみると、大体200億円くらいの市場です。

そんな中でもシェア4割を誇る、極小エンドミルのトップメーカー「日進工具」。その年間売上げは…なんと95億円というから相当儲かってます!

そしてこの「日進工具」が、さらにトンデモない「エンドミル」を開発したらしい…

後藤副社長:私どもの商品で1番小さい「エンドミル」が、直径で0.01ミリです。100分の1です。

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世界最小のエンドミルを作っちゃった!スゴい!
そして、今回、特別にあるものに、文字を彫ってもらえるというのですが…

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後藤副社長:髪の毛に、文字を彫ります。
スタッフ:えっ?文字?

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太さ0.1ミリほどの髪の毛に、文字を彫っちゃう!
しかし、そんな事できるのでしょうか?

彫っている工程を見てみると…

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髪の毛をツンツンつついているようにしか…彫れてるのかどうか全然わからない!

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しかし!電子顕微鏡で髪の毛を拡大してみると…

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後藤副社長:がっちりマンデー!!

確かに0.1ミリの髪の毛に、ちゃんと彫れています!

現在、半導体や医療分野から、問い合わせがきているんだとか!

日進工具は、「エンドミル」で…がっちり!

▼スタジオでお話を伺いました。
加藤さん:すごい技術!やばいよね!これって、世界にない技術ですか?
後藤社長:そうですね。ドイツの展示会とかで出してますと、「数字間違ってるぞ!」って、言われるんです。「0.1ミリだろ?」って。0.01ミリと言っても信用されないです。あまりに小さくて。
加藤さん:ありえないと思われるんですね。
後藤社長:そうです。


世界トップシェアの歯医者さんのドリル…歯医者さん絶賛のワケとは?

続いてやってきたのは…

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栃木県鹿沼市にある…

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「株式会社ナカニシ」という会社。
社長の中西英一さんに話を伺いました。

スタッフ:こちらは何でがっちり!なんですか?
中西社長:皆さんの健康に欠かせないドリルでがっちり!です。

健康に欠かせないドリルって、いったい何なのでしょうか?

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中西社長:これが歯科用のドリルです。

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そう、ナカニシの儲かりドリルは、歯医者さんが虫歯の治療などで使う歯科用ドリル!しかも…

中西社長:歯科ドリルの専業メーカーでして、グローバルナンバーワンのシェアを持っています。世界ナンバーワンです!

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1930年に日本で初めて、モーター式の歯科用ドリルを開発製造した、パイオニアでもあるナカニシ。

スタッフ:1本いくらくらいですか?
中西社長:定価で、15万円くらいです。

なかなかのお値段!では、ナカニシの年間売り上げは?

中西社長:2020年は330億円、2021年は、400億円以上になる予想になってます。

歯科用のドリルだけで、売上げの8割を占める、まさに儲かりドリル!
でも何でそんなに売れるのでしょうか?歯医者さんに聞いてみると…

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歯医者さん: 持った時のストレスが少ないです。しかも、すごく使いやすいです。あとは、削ってる時に、ガタガタしないとか。ナカニシさんを使っているというのは、1つのステータスになります。

歯医者さんにとっては、憧れのブランド「ナカニシ」! そのヒミツは、抜群の「安定感」。何が他とは違うのでしょうか?

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社長いわく、そもそも歯科用ドリルには、大きく2種類あるそうで…

中西社長:「モーター式」と「エアー式」の2種類があります。

空気でドリルを回す「エアー式」と、電気でドリルを回す「モーター式」の2種類!

ナカニシは創業以来、主に「モーター式」を作っているらしい!実はこの2種類にはある「大きな違い」が!

中西社長:音ですね!

では、聞き比べてみると…
まずは「エアー式」…

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キーン!!

聞いたことある、いかにも歯医者さんの音。一方、「モーター式」は…

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シュイーン!!

あの甲高い音が聞こえてこない。

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「エアー式」は、空気が、ドリルを回す羽車に当たるので、キーンと音が出ますが…

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「モーター式」は、直接ドリルを回してるのであの音がしない。しかも直接だからドリルも安定してる!というわけ。この小さな先端に、モーターの回転を伝えるのは、とっても高度な技術なんだとか。

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では、歯を削る。肝心のドリル部分はどうなっているかというと…

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結構表面がザラザラ。このキラキラしたものは…?歯科設計部の高森昭一さんに話を伺いました。

高森さん:表面にダイヤモンドがついてまして…

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高森さん:キラキラしているのが、ダイヤモンドがついてます。
スタッフ:お高いんですか?
高森さん:量としては、そんなについていないので、そんなに高くないです。

歯科用のドリルは、ダイヤモンドで歯を削っているんです! 実は歯の表面を薄く覆うエナメルは、人体で一番硬い物質。ダイヤモンドを高速回転させて、歯にぶつけないと削れないんです。

そして歯科用のドリルづくりで一番大事なのが…

中西社長:やっぱり、ブレないことですね。ドリルがブレたら、歯の表面がキレイに仕上がらないんですね。

口の中で使うドリルなので、ほんの少しのブレでも大怪我につながりかねない。とはいえ、普通、高速回転させると、どうしても先端部分がわずかにブレてしまうのですが、 超ハイスピードカメラで、ナカニシのドリルの先端部分を見てみると…

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高速回転しているのに、全然ブレてない!

そんなナカニシの今期の売上げ見込みは、400億円以上とがっちり!

ナカニシは歯医者さんで使うドリルで…がっちり!

▼スタジオでお話を伺いました。
山口智充さん:ナカニシさんの商品は、もちろん、もう世界にいってるんですよね?
中西社長:はい。世界135ヵ国以上に出してます。
加藤さん:世界シェアはどのくらいですか?
中西社長:世界シェアで、27%ぐらいですね。
加藤さん:すごいですね 。

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