知られざる儲かる穴ビジネス!①六角穴付きネジを特殊な回転の加工方法で作る町工場②地中に直径20cmの小さな穴から最大8.5mのコンクリートの柱を作る!?③車のエンジン音を快適にする目に見えない無数の穴とは!?
今回のがっちりマンデー!!は…
儲かる「穴」!
みなさん世の中、至る所に穴って開いてますよね。
こんなとこや、あんなとこ…
もうなんだか穴がないものを探す方が難しいぐらい!
ですが…
穴が開いているのには意味があるんです!
掘れば儲かる!
知られざる穴掘りビジネスを発見!?
小さな穴から…
地下に巨大な柱を作る会社!
日本経済の大黒柱!自動車産業
そんな車に欠かせない儲かる「穴」があった!?
今回のがっちりマンデー!!は、「儲かる穴」!
穴業界の儲かりのヒミツを覗いちゃいます!
※以下、10月23日放送の書き起こしです。
社員5人で年商1億1000万円!六角穴付き ネジを、特殊な回転の加工方法で作る町工場!
儲かる穴を求めてまずやってきたのは、東大阪市にある…
「三喜製作所」
うーん、わりとこじんまりとした町工場のようですが…
お出迎え頂いたのは、「三喜製作所」の三宅喜夫社長。
「穴」で儲かってると聞いたんですが…?
三宅社長:大きい声じゃいいませんけど、ありがとうございます!
こちらの会社、社員はたった5人の小さな町工場なんですが、年商はおよそ1億1000万円!
とある「穴」の駆け込み寺と呼ばれる、業界では有名な会社なんだとか。 その儲かる「穴」というのが…?
三宅社長:ネジ頭に穴を開ける仕事です。
そう、「三喜製作所」の儲かる穴は「ネジの頭の穴」!三宅社長が作るのは…
三宅社長:これです!六角穴付きネジです。
でも「六角穴」って何がいいんですか?
三宅社長:普通はプラスとマイナスの穴が開いているんですけど、それだとちょっと穴が潰れやすいので、しっかり締めたい時にこの六角穴のネジをおススメしています。
確かに!プラスやマイナスのネジ頭だとすべったりするのが、六角形なら ガチッとはまる!
だから、ネジが外れると困る「車のホイール」や工場の機械などでは、この六角ネジが欠かせないんです。
しかも三宅社長が作るのは、研究機関や海外の企業から舞い込む特別な六角穴付きネジ!というのも…
三宅社長:六角の加工方法が、他社さんと少し違います。
普通の六角穴は、上から六角形の金型でプレスして、ギュッと作ります。
三宅社長:六角の金型をボンッと突くと、六角の外径が太ってこのようにできます。
でもこのやり方だと、プレスしたときにどうしても外にふくらんじゃうので、サイズが厳密なネジとかだと困っちゃう。
「三喜製作所」ではどうやって六角の穴を開けるのでしょうか?
三宅社長:私どもは、「旋盤」で六角の穴を開けます。
出てきたのは「旋盤」という機械!?
三宅社長:素材を回転させながら、刃物をドリルの場合は真ん中、外径刃物であれば外から回転させながら削ります。
三宅社長:例えば、「こけし」を削るようなものです。六角穴を旋盤で作るのは珍しいです。
では、その「儲かる穴」作り見せてもらいましょう!
今回、作るのはリング型の特注タイプネジ!
三宅社長:丸い穴の状態です。旋盤で今から六角穴を開けます。
旋盤にリング型のネジをセット。
反対側には六角形の刃。それでは…
三宅社長:今からスイッチ入れます!
穴作り開始!
すると六角形の刃物を…
リングの穴に押し当てた!?
そして、押し当てること2分…
三宅社長:できました!
丸い穴が…キレイな六角穴に!?
あれ…回転しながら削るのに、どうしてネジ穴が丸くならず、六角形なんですか、社長?
三宅社長:わからないから、がっちり!分かって頂いたら…つらい…
スタッフ:社長は理解されてるんですか?
三宅社長:なんとなく。そんなもん!できたらいいんですよ。OK!OK!
そこをなんとか教えてください、社長!
三宅社長:まっすぐから1度だけ振ってます!1か所だけが順番に当たって無理やり押していきます。
社長によると、削られるネジ頭に対して、削る六角形の刃物を1度傾ける!それだけ!これで、なんで丸じゃなくて六角形になるでしょうか?
1度の傾きで、ネジと刃物が同じスピードで回転することにより…
ネジと刃物がここでだけ当たり、1辺を削る。これが1周につき6回!
これを繰り返すことで、ネジ頭が六角形になる!分かりましたか?
これぞ、「三喜製作所」の秘技「回転ブローチ加工」!!この技を使えば…
三宅社長:刃物の先端が花柄だったり四角形だったり、そうすれば同じように加工できます。
そう、刃物の形を変えれば…
四角形なら四角形…
花柄なら花柄のネジ頭が作れるんです!でも社長、なんでこんなに色んなネジ穴の形があるんですか?
三宅社長:開けられたくない!というのが大きいと思います。
そう!ネジの中には、どうしても他人に開けられたくないものもある。その場合、ネジ頭の形を特注の形にして、特注のネジ回しを持っている人だけが開けられるようにすることで、セキュリティを守るというわけ。だから「三喜製作所」では…
三宅社長:ネジ回しもオーダーで作らせてもらってます。
ネジ作りと同時に、ネジ回しでダブルでがっちり!なんです!そんな「三喜製作所」で、最もセキュリティの高いネジ穴が…
地中に直径20cmの小さな穴から最大8.5mのコンクリートの柱を作り出して売上げ235億円!
続いてやってきたのは横浜市にある…
「ケミカルグラウト」という会社。
お出迎えしてくれたのは、渡辺昇 技術センター長さん。
スタッフ:穴で儲かってるって聞いたんですけど。
渡辺さん:めちゃくちゃ頑張って掘ってます!
どうやら穴を「掘って」儲かってる会社らしい!果たして、いかほど…?
渡辺さん:年間売上げで235億円くらいです。
なんと、「穴」で235億円!
これはデカい!
渡辺さん:ビルは、土の中の柱で支えられています。
実は、高いビルを建てる時などは、地中にしっかり杭を打たないといけません。「ケミカルグラウト」はこのための穴を掘って、コンクリートの柱を地中に入れる会社なんです!年間に掘る穴の数は、1万個以上!そんなトップ穴掘り企業の「儲かる穴」教えてください!
渡辺さん:スゴい穴があります。
「スゴい穴」?これは気になる…ということで、その穴を掘っている現場へ。現場担当の松尾剛伸さんに話を伺いました。
松尾さん:スゴい穴があります。直径が2.5m。長さが17mの円柱が80本、出来上がります。
なんと、こちらの現場では穴を掘って…
直径2.5m、長さ17mのコンクリートの円柱を80本も打ち込むという!これは相当大変そうですが…見せてもらいましょう!
松尾さん:こちらが穴掘り現場です。これから穴を掘っていきます。
それでは穴掘り作業開始!直径2m以上の穴を一体どうやって…
すると…
ん?あれ??
松尾さん:これがうちの稼ぎ頭の穴です。
スタッフ:意外と小さくないですか?
松尾さん:今、20cmです。
直径2.5mのコンクリの柱を打ち込むのに松尾さん!穴が小さすぎますよ…と思ったら、何とこの地面の下がとんでもないことになっていた!
松尾さん:ロッドと呼ばれる鉄の管の先端からセメントを噴射しながら、回転しながら引き上げることによって、2.5mの円柱を作ってます。
松尾さん:地盤を切削して、かくはんして、円柱を作ります。
どういうことかと言うと…
まず、ロッドと呼ばれる鉄の管を17mまで掘り下げます。するとここで…
ロッドの先端が回転しながら、真横にものすごい圧力でコンクリート噴射!
すると、地中でコンクリが土と混ざり、土の中で、下から上にコンクリートの柱がニョキニョキできていく、という魔法のような方法なんです。
この方法なら、今まで杭打ちができなかったような狭い場所にもコンクリの柱が作れるとあって、業界では大人気に!
しかもこの方法なら、もっと深く、もっと太い柱を地中に埋め込むことが可能で…
こちらの円柱は実に直径7m!これは安心です!! さらに!ケミカルグラウトにはまさに今、「超儲かりそうな穴掘り技術」があるそうで…
渡辺さん:リニア中央新幹線の工事で注目されている技術があります。
一体、どんな「穴掘り技術」なのでしょうか?
実は、大きなトンネルを掘るときに一番難しいのが、中の地盤が地下水などでグチャグチャに柔らかくて、崩れやすいとき。
確かに、そこをうまく掘ることができればリニア中央新幹線にとっても画期的な技術ですが…一体どんな技なのでしょうか?
渡辺さん:川の下など、もろい地盤の下に建造物を作る。そういった技術になります。
水を含んだ地中を、水槽で再現し見せてくれるという…
何やら変なパイプが刺さっていますが!?
渡辺さん:まだ水を含んだ柔らかい土のままです。
渡辺さん:パイプの中に液体を流します。
それでは、実験開始!
すると…1時間後…
パイプの周りが白くなり…
そしてパイプの周りの土が固まりはじめ…
4時間後…
スタッフ:固まってますね。
渡辺さん:土も水も固まってます。
そして…
渡辺さん:凍土の壁が見やすいように、周りを削りました。
スタッフ:凍ってる?
渡辺さん:はい。凍ってます。
そう!「ケミカルグラウト」のグチャグチャ地盤に穴を開ける技は、いったん凍らせる!という荒業。
パイプにマイナス45度の液体を流し続けることで…
地盤を丸ごと凍らせる!
凍ってる間に穴を掘って、そこに壁を作ってしまえば、後は溶けても
OK!…なるほど!
渡辺さん:これがアイスクリート工法です!アイスクリームからとってます。
スタッフ:アイスクリームとコンクリート?
渡辺さん:そうですね。アイスクリームとコンクリートをくっつけて、アイスクリート工法です!シャレもあります。
これは期待できそう!
「ケミカルグラウト」は、穴を掘って…がっちり!
車のエンジン音を快適にする「ポーラスダクト」目に見えない無数の穴の正体とは…!?
続いてやってきたのは、愛知県岡崎市にある…
「セキソー」
お出迎えしてくれたのは、山田昌也社長。
スタッフ:穴で儲かってますか?
山田社長:会社の売上げは、グループで180億円になります。
これまた結構デカいビジネス!早速ですが、その儲かっている「穴」とは…?
山田社長:こちらになります。
スタッフ:車ですか?
出てきたのは、普通の自動車…
山田社長:こちらの部品になります。
スタッフ:これはなんですか?
山田社長:「ポーラスダクト」という製品です。
この「ポーラスダクト」という黒い物体が、セキソーの「儲かる穴」。
そして、この穴を使っている車というのが…
山田社長:トヨタの高級車やレクサス、BMWについてます。
まさに、世界の名だたる高級車ブランドが「セキソー」の「ポーラスダクト」をつけてるというから、これは確かに儲かりそう!しかしこの「穴」、そもそも一体、なんの穴なのでしょうか?
山田社長:エンジンの騒音を小さくするものです。
車のエンジンは「ダクト」と呼ばれる管から、空気を吸い込む時にどうしても大きな音が出てしまうのですが…
これをつけると、その音がうるさくなくなるという。
ということで、一般的な車についている「プラスチックダクト」と「ポーラスダクト」で周囲の音を聞き比べ。
社長!なんでこんなに違うんですか?
山田社長:大事なのは、こちらの穴になります。
スタッフ:穴?
山田社長:見えないですけど、非常に小さな穴が無数についてます。これが大事です。
山田社長によると、「ポーラスダクト」の筒の表面にある小さい「穴」。この穴がうまく音を吸い込んでくれることで、うるさくなくなるんだとか。では、これを実際のエンジンに使うとどうなるのでしょうか?
普通のダクトがついたエンジン音と、「ポーラスダクト」がついたエンジン音を聞き比べてみます。
開発チーフの高尾秀男さんによると、聞き比べにはポイントがあるそうで…
高尾さん:従来の「プラスチックダクト」の音は、加速するときにブオオオオーという風に聞こえます。「ポーラスダクト」ですとブオン…ブオン…という音になります。
では、ポイントに注目しながら聞いてみると…
結構、微妙な違い…そんなに静かでもないような…。社長、結構音が出ちゃってますけど、大丈夫ですか?
山田社長:運転者が気持ちよく乗ってもらいたいので、心地よい音にしてます。
そうなんです。音は、「小さくする」んじゃなくて、嫌な音を消して「いい感じにする」のが大事!
でも、この「いい感じ」にするのが、かなり難しい!穴作りの現場を覗かせてもらうと…
山田社長:「ポーラスダクト」の穴を作る素材になります。
出てきたのは何やら布のような物体…これを…
なんかめちゃくちゃ刺してます!
山田社長:最適な穴にするためにこの針をどれだけ打つか調整してます。
スタッフ:どれだけ打つんですか?
山田社長:相当打ってます。
どれだけ針を打ち込むかは言えませんが、針の大きさも刺す回数もきっちり決まっていて、その数によって音がガラッと変わっちゃうんだそうです。
みなさん、学校で音楽の時間に吹くリコーダー。あれも、指でふさいで穴の数を変えることで、音を変えてますよね。ざっくりいうと、あれと同じ仕組み!
「セキソー」は、ダクトに穴を開けて…がっちり!
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