南アフリカがイスラエルを提訴した件の、その後と、日本への余波について調べました。【2月06日】
・前回、南アフリカが国際裁判所を通してイスラエルを提訴した件ですが、国際司法裁判所(ICJ)は暫定措置命令を発出しました。
・暫定措置命令は、イスラエルがジェノサイド条約違反を行っているか否かを現時点で判断したものではありません。
・しかしイスラエルに対し、ガザ地区のパレスチナ人との関係において
ジェノサイド及びその扇動を防ぐための措置をとること
緊急に必要とされる基本的サービス及び人道支援を供給可能とする措置をとること
等を命じました。
・この決定は当事国を法的に拘束するものです。
南アフリカによるイスラエルに対する国際司法裁判所(ICJ)への提訴(暫定措置命令の発出)
・このことにより2月5日、前回も紹介しました「伊藤忠アビエーションが、イスラエルの軍事企業エルビット・システムズと協業する覚書の締結」が取りやめられました。
・この取りやめは、国際司法裁判所が集団殺害を防ぐための措置を取るようイスラエルに命じたことにより、エルビット社との取引が国際的な批判を浴びる可能性が出ているための判断と報じられていますが、国内での強い反発も少なからず影響しているものと思われます。
・ともかく著名を指揮してくれた方、直接的に行動を行なった方々に感謝いたします。
複雑化する中東情勢
・これまでは「イスラエルによるガザ地区のジェノサイド」という分かりやすい構図で非人道的な行いが認識されていたため、わたしたち日本の人々にもその異常性を認識、アクションを起こすことができました。
・しかし情勢は複雑化し、イスラエルへの軍事支援の形はパレスチナ地区を援助する関連組織への攻撃へと変化してきています。
アメリカとイギリス、フーシ派を攻撃
1月から2月にかけて、アメリカとイギリスはフーシ派の関連施設を攻撃した、と言われています。
・攻撃に際し、オーストラリア、バーレーン、カナダ、デンマーク、オランダ、ニュージーランドが支援しました。
米英軍、イエメンのフーシ派拠点に3回目の空爆 紅海での船舶攻撃に対し
・イランの支援を受けるフーシ派は、イスラエルと敵対関係にあり、イスラエルへの流通経路である紅海を渡る英米の運搬船を度々妨害、攻撃していました。
フーシ派、米商船を紅海で攻撃と発表 米軍もイエメンでドローン破壊と
アメリカ、イラン関連施設を攻撃
・またアメリカは2月2日、米兵が死亡した先月のヨルダンの米軍基地攻撃への報復として、イラン関連施設へ攻撃しました。
・アメリカは「フーシ派はイスラエルと無関係の貿易船を攻撃している」あるいは「亡くなった米兵」への報復としています。
・このように自衛や報復といった正当?な理由に乗っ取って、パレスチナ地区を支援し、イスラエルを牽制する近隣国へ圧力を強めています。
・とにもかくにも、中東の情勢を通して、二極化した世界情勢をみることができます。
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