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2024.5.2

京都シネマで『パスト ライブス/再会』を観た。ジョン・マガロを見るとお腹が空く。アーサーがパスタを作ってくれるのかと期待したら、外食でがっかりした。なんなら、ドーナツとかパンとか焼いてほしかった。ほんで、ジョン・マガロは優しい人の役が似合う。声が優しい。
この作品が、こんプロラジオで『四月になれば彼女は』の筋書きと比較されていたけど、身体の向きや位置関係の徹底ぶりも、あの作品と対照的だった。あの作品でやんわり期待していたのに裏切られたものが、この作品にはあった。複数の人間関係の時間による変化を描く場合は、身体の向きや位置が肝要なのかも。サウスバイサイドだけど違う方向を向くヘソンとノラに、同志的な"縁"を共有しつつも一緒に人生を歩むことはできない関係が象徴されていた。宗教的な観念がでてくるのは韓国だと普通の感覚なのだろうか。新しい未来へ、がんばれヘソン!と思った直後に、泣き虫なノラで終わる円環構造が見事。もう二人が会うことはないのだろうと思うと、こっちまで泣ける。

村上龍『ユーチューバー』を読了。初めての村上龍。客観的な視点に共感を覚えつつ、さらっとしていて特にひっかかりがない。レビューを読むと、村上の自叙伝的な作品らしい。自叙伝的な作品に対して、老人の自慰行為と批判しているものがあったけど、そんな言われ方をされてしまうのか。

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