2024.1.22

『花殺し月の殺人――インディアン連続怪死事件とFBIの誕生』を読了。筆者の並外れた情報収集力に脱帽。ノンフィクション小説だけど、論文のように注釈がつく。私にこの注釈を活用できるほどの見識はないけど、緻密に調査し、それを普及させる活動をしてくださる方がいることが嬉しい。
読み進めるにつれ、この内容を最小限の手数で表現したスコセッシの凄さを痛感した。映画と異なり、捜査官側の内情について紙幅が割かれていた。権威欲は犯人側にも捜査官側にもあって、それに巻き込まれる純粋な存在たちがいる。悪ボスとしてのヘイルとフーヴァー、駒のようになってしまったアーネストとホワイトが対のよう。映画でも本でも、アーネストと足利尊氏がなぜか重なる。本では、ホワイトの健気さがとにかく切ない。
オセージの事件などを踏み台にして初代FBI長官となったJ・エドガー・フーヴァー。別の映画でディカプリオがフーヴァーを演じているようなので、見比べたい。
写真が複数掲載されていて、興味深い。ヘイルは見るからに性格が悪そうだけど、誰もあやしいと思わなかったのだろうか。西部劇の世界は映画でしか見たことがなかったけど、実際の写真や出来事を知ると、ほんまにあった世界線なんやなと小さく驚いた。北アメリカの先住民や入植の歴史について、ちゃんと勉強しなきゃ。移民について前々から興味があるのに、何にも調べられていない。オクラホマ、どんな場所なんだろう。

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