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2023.10.15

この期に及んで岡崎観光。
並河靖之七宝記念館、七宝の作品も美しかったけど、植治作庭のお庭が見事。京都のお庭で一番好きかも。疏水の水を取り入れた池が、建物の下に食い込む。植物の生え方や枝ぶりも美しく、どこまでが作為なのか気になった。屋根瓦が舗装に使われていたり、いろんな奇石や灯籠があるのも楽しい。
見たことない道を通ったり、いつも気にしない白川沿いの植物を見たりして、藤井斉成会有鄰館へ。初めて中に入った。手書きのキャプションはなかなかパンチが効いていた。中国美術が大量にあって、どこまでが本物なんやろと疑ってしまった。仮に偽物やとしても、こんなに作り込めるのはすごい。科挙のカンニング下着とかは、本物も偽物もなくて労力に対する驚きだけがある。
有鄰館の門を出た向かいの豪邸には、"藤井"と表札が掲げられていた。
疏水の南にあるリグナムのテラス席で一服。全体的に値段が高すぎるのに、なんでこんなに人気店なんやろ。不思議。フレンチトーストが1200円強でおののきながら食べると、めちゃくちゃ美味しかった。トーストの表面がキャラメリゼ?されていて固くて、生クリームとリコッタチーズが混ざったような不思議なクリーム。これからは家で真似しよう。
図書館で本借りて、出町座へ。『アル中女の肖像』を観た。昨日のファスビンダーは半分くらい空席だったのに、今日は満席。
ファッショナブルでセリフが鋭い。寓意的で不思議な映画だから解説が欲しくなる。登場人物は浮世離れしているのに、舞台は現実世界というのが面白かった。
わんこそばを平らげるようにお酒を飲み、チャイを飲んだ後の素焼きのコップのように空になったグラスを床に落として割りまくる。そんな主人公に笑いそうになった。アル中女がちゃんと二日酔いになっているシーンは、なんか安心した。こんなにお酒ばっかりの映画なのに、お酒飲みたいとは思わなかったから不思議。台詞にも出てきたけど、男性の酩酊と女性の酩酊ってそんなに違うんかな。それに反発するフェミニズム映画とも受け取れるのか。
ニナ・ハーゲンと飲んだり、全身パンのおじさんがでてきたり、いきなり綱渡りしだしてなんやと思ったら地面からそんなに高くなかったり。概念擬人化女性の3人が異物として画面にいると思っていたら、レズビアンバーでそのうちの1人も他の人と踊りだしたり。なんでかよく分からんけど面白かった。ホドロフスキーっぽい。
今日も渋谷哲也さんのアフタートーク付き。
飲んでも美しさを崩さない主人公、鏡像に映る崩れた自分に不快感を示す→ドリアン・グレイっぽい

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