2023.10.14

すごくよくできたホラー映画を、夢の中で観た。今まで私視点の夢しか見たことがなかったので、VRで映像を観ているような夢を初めて観たということに、まず感動した。山、川、公園。市街地の見晴らしがいい 坂と、ずっと晴れていたのに急に雨上がりのような日差し。話の筋に対して、風景がとにかく美しかった。位置関係の違いも上手く活かされていて、もしかして私って天才なのでは、と夢うつつに思った。起床して、忘れないうちに地図を書いて記録しようと思ったけど、なんか怖くなってやめた。ネット検索すると、ホラー映画の夢はよくない夢らしい。

出町座まで行って映画のチケットを買い、お茶屋さんで抹茶モナカを食べて、一時帰宅。
オンラインで立命館孔子学院の中国古典文化講座「中国古典文学に見える酒」を拝聴。講師の廣井健さん、初めて知った。馴染みのないお話だったけど、袁枚や『随園食単』の存在を知っただけでも収穫があった。
生員、挙人、進士。水、酒、酢、果汁。

出町座でファスビンダー監督の『マリア・ブラウンの結婚』を観た。大傑作。めっちゃ好き。襲撃の中、戸籍登記所で略式結婚式をあげるオープニングから驚かされた。ラストも最高にエキサイティング。ドイツが優勝するサッカーのワールドカップの試合の中継がラジオで流れて、試合終了のカウントダウンが主人公夫婦のカウントダウンと重なる。観客が終焉を予測し、その期待に応えて爆発で終わる。 
好きな台詞と好きなシーンがたくさん。台詞はいちいち覚えてられないから繰り返し観たい。"半日とまる一晩よ"が、特に誇り高くて美しかった。不倫途中に夫が帰還するシーン(どんだけ気づかへんねん、ここでタバコ吸うんか)、主人公が悲嘆している横でいちゃつく男女×2シーン(対比がすごいけど、主人公も他のシーンで同じ行為をしている)、プロポーズされる前に断るシーン×2(主人公の強かさに笑う)とか。面白かった。
ドイツにも連合国占領期があったこと、恥かしながら知らなかった。ドイツのことなんも知らん。
渋谷哲也さんのアフタートークも面白くて勉強になった。
以下、メモ。
・主人公とアメリカ軍男性との関係は、当時の社会的優位性が アメリカ>ドイツ と 黒人<白人 で相殺され、ある意味対等に近い。
・ラストに出てくるネガ写真は西ドイツの歴代首相アデナウアー、エアハルト、キージンガー。ひとり抜けているのは、東方外交を展開したブラント。その後に、ポジ写真で当時の首相シュミット。映画の後の西ドイツの歴史を提示。
・『マリア・ブラウンの結婚』の脚本はファスビンダーじゃない。当時のファスビンダーの関心は『ベルリン・アレクサンダー広場 』にあった。
・ファスビンダーの映画: 多様性をそのまま描く(私は、この懐の広さが好きだ)、早撮り、昔の女優も使う
・過去にホロコーストがあったため、戦後ドイツで反ユダヤはタブー。パレスチナ問題に関してもイスラエル批判できない。事象をそのまま描くのも駄目で、明確に反ナチを示す態度を取らなければならない。
・反ユダヤとも批判される『天使の影』は、シュミットが反ユダヤが残るオーストリアで撮ったから映画化できた。

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