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2022.7.30 ロクデナシでも愛してるんだ マイダーリン

映画の開始時間を間違えて待ち時間が長かったので、ずっと気になっていた台湾茶を提供しているカフェと、鴨川近くの隠れ家的なカフェを梯子した。
一軒目、料理はまあ美味しかったけどお茶はそんなに。
二軒目、好きな雰囲気。一人で行くには良い。価格も妥当。ピスタチオとレモンのパウンドケーキが美味しかったので、他の焼き菓子も食べに行きたい。

織田作之助の短編集『六白金星・可能性の文学 他十一篇』を読了。昔の大阪の風景を想像しながら読むと楽しかった。「世相」の巧さ、「六白金星」の主人公のキャラの濃さには唸ったが、なんといっても船場の女三代シリーズにぐっときた。太左衛門橋、船場、道頓堀という定まった舞台で、母娘孫全員が好きな人との結婚を反対され、世の中に流され、一種の諦念の下、翳りのある生活を送る。だからこそ、希望を込めた結末に、わずかながらも時代が変化していく瞬間が捉えられており、その瞬間が輝いて見えた。
収録作品のどこかに名前が出てきたジョージ・ラフトが気になり、踊っている動画をYouTubeでいくつか物色。下半身がぐるんぐるんと奔放に動くのに対し、上半身は全く動かない。かなり上手で驚いた。

出町座で『冬薔薇』を見た。舞台が横須賀に設定されているのが、まず見事。横浜までの距離感、船との距離感、坂や工場がある街の雰囲気、不良のリアリティー、これらは横須賀だからこそ表現力できたものだと思う。強力なロケーションの上で、人間の哀しい部分がはっきりと捉えられていた。
実際の伊藤健太郎も主人公に近い性格なのでは、と疑念を抱きつつ、お芝居が上手いからそう見えるのだろうか、と考えていたら、やはり監督脚本の阪本さんが伊藤健太郎に当て書きしたらしい。
そしてそして河合優実さん、今作もめちゃくちゃ良かった。表情もしゃべり方も大好き。ただ、私のファンじみた鑑賞態度は矯正すべきだ。河合さんがいつ出てくるのかと待ち構えたり、河合さんだけに集中してしまって画面の他の部分に気が回らないことがある。特定の俳優に夢中になるのは、映画好きにとっては致命傷かもしれない。

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