2024.3.28

丸善で勉強のテキストを探したけど、目ぼしいものはなかった。サイゼでラムステーキを食べて、MOVIX京都で『四月になれば彼女は』を観た。もちろん河合優実さん目当て。川村元気原作の映画に出演される時はいつもワンシーンだけの登場なので、歯がゆい。仲野太賀さんは本当に演技がうまいな。最初の登場シーンだけでパーソナリティが分かる。
映像のルックがコマーシャルとかミュージックビデオぽくて、映画らしくないのが気になった。後で調べたら、米津玄師やあいみょんのMV監督をされていた方による長編映画初監督作品とのこと。やっぱりか。まんますぎる。MV風の映像の中で旅をすると、映画ではなく観光促進ムービーにならざるを得ない。異国の風景は綺麗だったけど、色気は皆無。森七菜ちゃんはボリビアやアイスランドに行ってお金まで貰って羨ましいな、と思ってしまった。
森七菜ちゃんの存在がすべてだった。澄み渡った声によるモノローグが、冬の海外の空気に乗って、切実で繊細に響く。主演の二人が愛を追求していくうえで、森七菜ちゃんが触媒の役割を果たして死んでいくのはもやっとした。だけど、森七菜ちゃんとの純愛を貫くような従来の陳腐なラブストーリーよりは幾分ましか。
人と向き合うことが苦手な主人公の男。恋仲になる女性と話す時に対面ではなく横並びでいることが多いな、と姿勢の向きに注目しながら観たけど、最後まで観たらあんまり深く考えているわけではなさそうだった。こういう部分は、映画畑の監督だったらもっと作り込んでくれただろうな。残念。