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2023.11.14

いつもより1時間くらい早く起きて、美術館のメンバーシップ限定バスツアーに参加。豊田市美術館に『帝国ホテル二代目本館100周年 フランク・ロイド・ライト 世界を結ぶ建築』展を観に行った。
2号車に分かれて出発。バスの中で前田さんによる解説を受けた。以下、メモ。
・前回のライトの大規模個展は1991年にセゾン美術館(80年代後半から建築デザインに注力し、建築展を日本で初めてやった。)で開催されたもの。ライトの死後はフランク・ロイド・ライト財団が建築資料を管理していたが、十分に機能しておらず、資料を借りるのに莫大な費用がかかった。その後ライト財団の運営がうまくいかなくなり、模型等の立体資料はMoMA、図面等はコロンビア大学エイヴリー建築美術図書館を中心に管理が委託され、資料を借りやすくなった。前回の大規模展から時間が空いたのは、このため。
・MoMAで開催されたライト展(『フランク・ロイド・ライト生誕150周年:紐解かれるアーカイヴ』展(2017)。今回の展覧会のモデルになった。)には、14名のキュレーターが参画した。その一人のケン・タダシ・オオシマさんを中心に本展が企画された。
・帝国ホテル(関東大震災の日に開業)→日本の建築界がこの建築を目指した。京都市美術館(1933年竣工)も例外ではない。京都市美術館の内観は、武田五一の弟子にあたる京都市営繕課が担当した。
・工繊大教授時代の武田五一とライトは出会っている。

前田さんの解説が終わると、バスガイドさんによる紫香楽宮についての解説が始まった。バスガイドさんのお世話になるのが久しぶりだったので、お話が上手でちょっとだけ感動。
お昼は、う家八事本店でひつまぶしをいただく。5000円のバスツアーだから昼食は安いものだろうと低く見積もっていたら、全くそんなことはなく、香ばしくて美味しかった。今まで食べた少ないひつまぶしの中でベストかも。肉厚の鰻を選んで、蒸さずに名古屋流地焼きにしているのが特徴とのこと。これだけで3000円くらいするはず。思い出すだけでよだれが出そう。
豊田市美術館に到着して、まずは自由行動だったので『コレクション展 歿後20年 若林奮』から鑑賞。空間の捉え方というか推し量り方が深い省察に溢れている。その結果としての彫刻。いいな。《100の羨望》や《立体ノートー気体・固体・液体・現在》のようなスタディのような作品も思考の断片が見えて面白い。
他のコレクションも、有名なアーティストの作品ばかりで充実していた。スマホで音声ガイドを聴きながら観た。

その後、前田さんにライト展を30分強解説してもらう。以下、メモ。
・企画者たちの書きたいことが多すぎたので、ストーリーボードを作ってセクションの中でキャンプションを小分けにした。
・ライトが1913年の帰国時に武田五一にプレゼントした石膏模型(ユニティテンプル、劇場計画案、帝国ホテル)は、京都大学桂キャンパス所蔵。年代物なので、なかなか貸してくれない貴重な資料。帝国ホテルはセゾン美術館の展示の時に一部破損したという前科があるため、今回は出品なし。その代わり、工繊大D-labが京大まで行って元の模型をスキャニングし、レーザープリンターで作成した模型の模型が出展されている。
・ユニティテンプルは日光東照宮の平面計画を参考にしているという説がある。
・銀座ライオンは帝国ホテルの食堂をモデルにしている。
・ライト女好きなのではなく、意志の強い女性を支援しようとしていた、という考え方。

解説後も最初から展覧会を観た。基本的には、ライトのアウトプットについては既知のことを復習する感覚で観て、インプットに新発見が多かった。日本から影響を受けているのは間違いないと思うけど、日本での展示やから誇張してんのちゃうか、と穿った見方をしてしまった。ライトの肖像写真は、磯崎新みたい。
バスの出発時間まで時間がなかったのでゆっくりできず、急いで図録を購入した。記憶が鮮明なうちにそれで復習する。(後で読んだら、ストーリーボードのテキストは収録されていなかった。もしかして先に図録から作成したんかな?展示内容に関するテキストは少ないけど、関連資料の一覧や年表が充実しているので、ライト個人について掘り下げていくには活用できそう。すごくオーソドックスな労作。)
展覧会の入場料はバスツアー代に含まれているのだけど、一般1400円は、最近の展覧会にしては安いな。資料を集めるの大変そうなのに。

刈谷SAは上り下り共用の建物で、なぜか観覧車がある。ナガシマリゾート帰りの人が観覧車ロスになるんかな。本物のナガシマリゾートは、ライトアップされた木製ジェットコースターが観光名所かのように異様な造形美を示していた。バスガイドさんによると、このあたりは温泉掘削の成功でリゾート地化に成功した場所らしい。

少し渋滞していて、京都駅には19時過ぎに到着。アバンティのカレー屋さんが売り切れだったので、ポルタの宮崎酒場ゑびすで食事。レモンサワー、宮崎流みそかつ、冷や汁を注文。揚げないみそかつは、都城名物らしい。味噌は早川みそ。冷や汁は初めて本物を食べた。茗荷と魚と胡瓜と豆腐でどろっとしていて美味しい。これをお手本に自炊しよう。

三浦徳子さんの訃報。今日は真野恵里菜さんの曲をたくさん聴く。世界はサマーパーティー。

こんなに緑やったっけ

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