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2024.2.24

朝から出町座で『月』を観た。うーん。うーん。磯村勇斗さんの演技は良いのだけど、最後の行動に至る葛藤やしんどさが全然描かれていない脚本で、何がしたいのか不明瞭な作品だった。サトちゃんと主人公の考え方は全然一緒じゃないのに、なんで一緒にしようとするのか。観客が少しでもサトちゃんに共感することを狙っているような感じが鼻についた。全く共感しねえよ。
つなぐ食堂で見目麗しいチャーシュー丼ランチを食べて、図書館へ。本を読む。『「家庭料理」という戦場 暮らしはデザインできるか?』戦後の時代変化のなかで、地元の近い者同士で結婚するのではなく出身地の離れた者が恋愛結婚するようになり、食習慣や好みを擦り合わせるプロセスとして家庭料理が求められた、という部分には特になるほどと思った。著名な料理研究家のレシピを私も実践してみようかな。おそらく料理全般の平均的なクオリティは時代を経るにつれて上がっているので、昔のレシピに満足できる自信はないけど、歴史を学ぶ感覚で作ってみたい。
明治時代の短編アソート『東京百年物語1 一八六八~一九〇九』は、大正昭和の小説よりもやはり少し読みにくい。面白い部分もあったが、せっかく昔の文章を読むなら艶やかな泉鏡花の文章を読みたい。当時の東京についての知識が私にあれば、ビジュアルイメージを湧かせることができれば、もっと楽しく読めたのだと思う。文章も場所も縁がないと、もどかしい。
永井荷風『濹東綺譚』は読む気が失せたので未読で返却。
ロームシアター京都で石橋英子×濱口竜介『GIFT』を最前列中央で浴びた。早く『悪は存在しない』を観たい。映像は無音で、音楽で感情が上げ下げされる。それがあまりにも自然だから、正直すごいとすら思わず、画面を見続けた。この感想は私が無知だからに他ならないけど、すごく馴染んだ映像と音楽があった。
知り合いに似た体格・服装の人がいたけど、帽子と眼鏡とマスクで完全に顔が覆われていたので、確信が持てず声をかけられなかった。どのくらい京都に滞在されているのだろうか。

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