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2024.5.8

早めに退社し、喫茶マドラグに入店。平日だから空いているのかなと思っていたら、すぐに満席になった。名物のコロナサンド、でかすぎる。コメダかよ。いや、コメダよりもでかい。卵が溢れそうで、手で掴んで食べるにも一苦労。腹持ちが良く、映画前の気合い入れにはよかった。ミントグリーンティーは美味しかったので、また来ることがあればドリンクだけにしよう。
TOHOシネマズ二条にて『オッペンハイマー』を観た。身構えすぎて鑑賞するまでに時間がかかったけど、IMAXになんとか滑り込んだ。難解という前評判を受けて意気込んで行ったけど、分かりやすかった。難解と言っている人達がどこに引っ掛かっているのかが難解。回想は時系列に進んでいくし、オッペンハイマー視点とストローズ視点がカラーとモノクロで区別されていたし迷子になる要素はなかった。(だけど、ショットの連続性より、ストーリーの分かりやすさを重視したカラーパートは好みでない。)登場人物の詳細がいちいち気になってしまう人が多いのだろうか。そのへんは深掘りしたい人が突き詰めて考えればいいオプションにすぎない。最低限の教養があれば理解できると思う。アインシュタイン、トルーマン、JFKの歴史上の位置付けくらい知っていて当然だし、核分裂や核融合についても、高校で物理選択だった立場からすると珍紛漢紛ではない。巷に溢れる評論で解せないものが多いのは、話題作しか観ない人が多いからなのか。広島長崎に原爆が落ちるシーンがないのは、オッペンハイマーもストローズもアメリカにいたのだから、いきなり日本の映像が出るほうがおかしい。それと、被爆国・日本での公開がどうとか、日本人が観るのがどうとか、なぜ過去の話にしようとするのか。これからの話やん。ラストでは、核戦争への不安が消えない今現在の世界情勢を考えずにはいられない。オッペンハイマーやアインシュタインだけでなく、大勢の研究者によって兵器は作られ続けてきた。
オッペンハイマーは基本的には無表情だけど、トリニティ実験の時のキラキラした眼が眩しかった。ものすごく恐ろしいことを企てているのに、青春っぽいシーンになっていて胸がはちきれそうだった。『風立ちぬ』みたい。
歓喜する大衆の前で演説して、原爆を連想させる真っ白な画面には涙が出た。それより前のシーンで爆発の音と足を鳴らす音がオーバーラップするところがあり、伏線回収も見事。
登場人物のキャラクター描写も細かくて面白かった。スティムソンの京都に新婚旅行した話を聞いた面々のなんやこいつと言わんばかりの表情には笑った。ストローズの小物っぷり、妻の気の強さとそれに支えられるオッピー。
IMAXでよかったのかはよく分からなかったけど、物理現象のCG映像と作り込まれた音を大画面と立体音響で体感するのは楽しかった。あくまでも、映画鑑賞とは別の体験としての楽しさ。
ファーストカットで水たまりに落ちる雨、その次のカットで見下ろすオッピーを捉えているのは、空から落ちる物体として雨と原爆を対比しているのかな。

でもやっぱり長すぎるわ。削れるはず。ストローズの尺そんなにいるかな。

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