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スキマノザラシライブ感想文2024.6.20

先だって、磔磔でのワンマンライブが節目の100回目を迎えたスキマノザラシ。

彼らのライブを追いかけて10余年。ようやく一区切りというところか。

…て、そんなわけがないのは、彼らもファンも重々承知の周知。100という数字は単なる通過点だし、究極を言えば、彼らがいなくなっても、語り継ぐファンが1人でも残っていればスキマノザラシは終わらないのだ。

そんな重めの冗談(?)はさておき。

とはいえ、数字の上では101回目、何かしら変化はあるのか、それとも。

その辺り念頭においての、以下感想文です。
※未音源化曲など、一部の曲タイトルは想像や推測のため、実際と異なる場合があります。

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開場から30分経っても、中々埋まらない客席。ところが開演まで15分くらいから、みるみる席が埋まって行く。なんというか、平日味がある。

1.傷
開演前のステージに置かれたファイヤーバードの向こうに見えた12弦。もしやと思ったら案の定。序盤は座って見る事も多いけど、このイントロが流れたしゅんかん、条件反射で腰が上がっていた。

2.さすろう
この曲と初めて出会った時は、やけに暗い曲だと思ったものだけど、しばしの充電期間を果て復活すると、静かにメロディアスなベースに、激しさと儚さを行き来する2つのギターが絡み合い、既存味のない新たなバラードに仕上がっていた。好き。

3.ランブル
心地良い静寂が響くバラードのアウトロを、ひと呼吸でひっくり返すイントロは、まさにランブル。語彙を調べると「低く継続的な騒音」とあるが、後半の正調『ランブル』へと繋がる、物語にあふれた「騒音」は、恐ろしく心地良くて、カッコ良い。

4.トネリコ
前ブロックで熱々に仕上がった場内が、程よく冷まされ、ほんのりあたたかい空気感に。かと言って、箸休め的な位置付けではなく、優しさの中に一本通った芯の部分は、ロックンロール以外の何物でもなく。好き過ぎる名曲。

5.アゲハ
始まりベースの3音目までに、『アゲハ』と『わたしははじめ』どちらかを聴き分けられてこそ、真のスキマノザラシファンと言えるとか言えないとか。(言えません)
個人的に、座って目を閉じて背中を丸めて聴くのがおさまりの良い曲。聴くのでなく、感じ取りたい曲。

6.夜をぶっとばせ
スキマノザラシの代名詞とも言えるバラードシリーズに、また新たな1曲が。「シリーズ」と括ってしまったけど、それぞれ個性が際立っていて、とんがっていて、その鋭角の先っぽがこちらのかき乱されたいツボに合致した時の「そこそこ!」感よ。これから一緒に歩んで、どう変遷して行くのかしないのか、ゆっくり聴き届ける所存。

7.Bun
「ぶっとばせ」と叫ぶ曲の余韻を逆にぶっ飛ばして始まったイントロにこちらがぶっ飛んだ。十数年前、横道坊主との対バンで初めてスキマノザラシを目撃したあの日。音楽的な振り幅が未熟な私には、彼らの重厚なバラードはまだ早かったようで、どハマりするまでそこから数年の猶予を要した。正にその初見時にこの曲と出会ってたら、未来は少し早まってた気がする。(それくらい好きな曲、という意味さ)

8.蒼白の子供
この曲が中盤のこの位置で流れるのも珍しい。序盤披露時のしっかりくっきり感でなく、かと言って終盤のハイスピードモードよりはやや重厚に聴こえて、中々に新鮮だった。

9.レンズ
毎度の事ながら、この曲を演奏するメンバーの姿はほとんど印象に残らない。最初から最後まで、目を伏せて一緒に歌ってしまうから。これからもずっと、一緒に歌いたい曲。誰かに表現する為でなく、自分の為に。

10.さんざ降る
『レンズ』とこの曲が2枚続くのは、あまり記憶にない。優しい曲が続いてぼやけるかと思ったらとんでもなかった。繋がりを想定して作られたわけではないのだろうけど、今夜だけはあるはずのない2曲を繋げるストーリーが、ふわふわと妄想された、気がするのだけど、夢心地だったせいか内容が思い出せない…。なんか幸せな夢だったな。

11.月光
定番の位置で、定番的に盛り上がる、キングオブ定番曲、とは言い過ぎかつあまりよく聴こえない表現かもしれないけど、スタミナ的に徐々に不安がよぎり出すお年頃。残り時間に注ぎ込む余力を想定して覚悟する為に、なくてはならない「定番」曲なのだ。こっから全部出し尽くすのだ。

12.低音
『月光』のアウトロからの、『低音』のイントロ。背筋に悦びの電気が走った。十数年前に初聴きして余りのストライク感に身震いし、4人ノザラシの時の試行錯誤アレンジにぐっと来て、いつしかの十三ではスリラジ玲子さんが「カッコ良すぎる」と絶賛して、勝手に誇らしい気分になっていた。その時々で、思い出と記憶に残る名曲なのだ。

13.アイアイ
『低音』の次に来るのは、恐らくこの曲か『ジェット』だろうと予想していたら、視界の端っこに溢れんばかりの滾りを抑えられないPeeweeさんの姿。ああ、これ絶対『アイアイ』だ。『アイアイ』だった。

14.ミルキーウェイ
過去何度も寄り添い助けてくれた曲。その割に未だに『ミルキィウェイ』なのか『ミルキーウェイ』なのか『ミルキーウエイ』なのか分からんくなる事があるのは内緒である。多分、当分定まらない。

●アンコール
ジェット〜千人の神様が死んで三匹のケモノが走る

『ジェット』は、『月光』などのアウトロを切り裂くようにカットインして来るバージョンが大好きなのだけど、アンボイさんのソロイントロを味わえる今回のバージョンも至福なのだ。

そして『千人〜』。安易に省略したくないけど、ついしてしまう『千人〜』。終盤に見られるドンドコドラムのリズムから始まる珍しいパターン。うむむ、なんだか新しい。新し過ぎたかちょっとリズムが狂った瞬間が素人目にあったけど、良いものを見れた気がしてなんだか嬉しかった。

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そんなこんなで走り終えた、101回目のワンマン。どこを切り取っても既視感がないのに、俯瞰して見ればいつもの調子の、いつも以上に楽しいスキマノザラシワンマンライブでした。

相変わらず長々で取り止めのない感想文を読んでいただきありがとうございます。

あくまで1ファンが己の世界観で好き放題語ってるだけなので、折り合えない箇所は華麗にスルーしていただければ幸いです。

また102回目の磔磔ワンマン感想文でお会いしましょう。

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