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私と光栄ゲームパラダイス③

1993年にゲーム会社光栄(現コーエーテクモ)から創刊された『光栄ゲームパラダイス』は、読者の応募作品を主にしたいわゆる「投稿本」であった。

当時『三國志』や『信長の野望』シリーズの大ヒットを経て、歴史ゲームの雄へと躍り出ていた光栄だけに、投稿本のテーマも当然「歴史」と「ゲーム」という縛りがあったものの、それ以外は恐ろしく自由だった。

そのためあらゆる層からのバラエティあふれる作品が集い、そのカオスな熱量に当てられた私は、思わず人生初の作品投稿にチャレンジ。イラストと文章合わせて10作品程送った中、ただひとつ文章投稿が採用された。

味を占め、翌号のVol.3以降も、次々と作品の投稿を刊行。前回適当に付けたペンネームも、編集部への覚えてもらいやすさを重視して、三国志の登場人物「馬休」と名著「オバケのQ太郎」を合体させたスーパー名前「お馬休」とした。

準備は万端。あとは世界が私の才能に気付くだけだ。

…だが、しかし。

Vol.3 掲載なし
Vol.4 掲載なし(この号から隔月刊化)
Vol.5 掲載なし
Vol.6 掲載なし
Vol.7 掲載なし

(ゲーパラのバックナンバー)

毎号十数通の作品を光栄編集部に送り付けるが、載らない。とにかく載らない。創作は好きだから苦にはならず、楽しく続けていたものの、ふと一抹の不安が頭をよぎる。

「もしかして自分のセンスや実力は、世間の欲するところとはかなり乖離があるのでは!」

…知ってた。

↓これだもの。

(これだもの)


知ってたけど、あと1回くらいは初掲載の時のあの喜びを味わいたい!

懲りずに投稿した、十数作。

次号Vol.8を、発売日と同時に購入し、わき目も振らず自分の作品を探す。この号から増ページ化されており、その分掲載率もアップ&期待もマシマシ。探す、探す、探す。

(VOL.8から表紙がシリアス調に)

あ、あった!あったよ!

イラストではなく、またも文章投稿だったけど、しかも送った中ではあまり思い入れのないやつだったけど!(※投稿あるある)

(単なるゲームの感想だけど!しかも謎の上から目線)

この内容でよく採用されたもんだ…。

でも、たとえ編集部の温情であったとしても、1年と1ヶ月ぶりの快挙に胸が踊らないわけはなかった。ここまで本当に長かった。その長さに比例して、感激もひとしおであった。ああ、これでやっと筆を置ける。

…ん?いやさ待て待て、何か忘れていないか?

そうだ、まだイラストは載ったことがないじゃないか。

文章投稿でこれだけ嬉しいのだから、イラストが載った時の喜びはどんな事になるんだろうか。うーん、味わってみたい。

あと1度だけ、挑戦させてください。

(つづく)

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【以下、光栄ゲームパラダイスここまでの誌面ハイライト】

(Vol.3付録 きせかえ周瑜くん)
(Vol.4付録 三國志IVカレンダー)
(三國志IV(PC-9801版)発売決定の特報)
(Vol.5付録は御守り。ネタ切れ感が良い)
(画力だけでなく、味わいやセンスでも評価される選考基準が嬉しい)
(当時はまだ謎の存在だったシブサワ・コウ氏インタビュー)
(光栄初のファンタジーRPG『ノーザンヴァース』特報。後の『ジルオール』に繋がる?)
(早過ぎた『ポケ⚫︎ン』?光栄の徒花ゲーム『スーパードッグワールド』特集)
(光栄カルトクイズ。難度かなり高め)
(難度の高さの割に景品はティッシュ)
(伝説のはじまりであった)

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