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町へは出れないが、書を捨てよう<5巻>

知っている人は知っていると思いますが、部屋が汚いんですよ。

……ごめんなさい、過少申告しました。

家が丸ごと汚部屋です。ついでにいうと職場もよく汚デスク化します。

それが、扉絵の現状なんですけどね。


以前、舞台の共演者を当時一人暮らししていた家へ泊めたんですが
「二度と泊まりたくない」と言われましたね。。。

そういう、ちょっとだけ心をひっかけられた際
片づけ本へ手を出すわけなんですが、今回はそんな一冊。

ゲイル・ブランキ『今すぐ50個手放しなさい!』
(三笠書房・植木理恵/監訳)

読了して、まとめている時に初めて気づいたのが

前回の『孫子の兵法』に続き、三笠書房さんの本でした。

偏るんですかね、不思議と。

で、どんな本?

片づけ本というか、整理術に関して恐らく日本で一番有名なのは
こんまりこと近藤麻理恵さんかと思います。
(僕も著書を読み、チャレンジし、見事失敗しています)

では、こちらの本はどうかというと
前半は、よくある、と言っては何ですが部屋の片づけになります。

寝室、リビング、キッチンなど、各スペースに沿って
捨てるもの、あげるもの、売るものと不用品を3つに分類して
とにかく手放す。
言ってしまえばそれだけです。

各項にはアイテムごとに著者や知り合いのエピソードを交えながら
いかにモノを手放すことが幸せに繋がるかを説得にかかります。

では、他の片付け本とはどこが違うかと言うと。
……まぁ、片づけ本をそこまでたくさん読んでいるわけでもない
僕が言うのもアレですが。

ここでタイトルの”50個”というキーワードが登場します。

著者は、”50個”としながらも”50点”ではない
日本語的に言えば”50種類”のものを捨てなさいと言います。

本を何冊捨てても1個、洋服を何着処分しても1個です。

そうして「手放しスコアカード」なるものに
何を捨てたかをメモし、50個カウントすることを推奨しています。

とはいえ、ここまでもある意味片づけ本としてはそこまで
突飛なものではないかと思われます。

しかし、後半からこの本の方向性は、ただの片づけ本とは一線を画します。

著者が手放すべきモノは、物理的なものだけでなく、精神的なものにまで
波及していきます。

例えば、思い込み。

”自分は○○な人間である”という固定観念で、周りとの軋轢があったり
完璧主義者で折り合いをつけられなかったなど
自分がこういう人間だという思い込みを捨てることも
50個の手放しに加えなさいというのです。

逆に、新たにアップデートしたいプラスの印象を
”私は◇◇な人物である”と宣言したりメモをすることで
過去を手放し、未来に目を向けるべきと書いています。

このように、物理的なゴミだけでなく、精神的な吹き出物のようなものを
処分することで新たな自分の魅力を発見し、人に愛され、人を愛せる自分を
見つけ出せると結んでいます。

あれ? 部屋の片付けの本でなかったっけ?
軽い気持ちで手に取ってしまい、すいませんという気持ちです。

あと、某バラエティでおなじみの植木先生が訳しているのかと思いきや
監訳という、いわゆる監修のポジションなのに
冒頭から結構なドライブ感でコメントを綴っているのも
「お、おう……」って感じですね。

そう考えると、人って割とマイルドに自己変革する機会が
いっぱいありますね。

そのきっかけで本は割とありなんだと思います。


じゃあ、僕はこの本をどう受け止めたかというと

改めて自分のズボラさを引きずりだされた。

でも、ちょっとやそっとじゃかわらないよ、おっさん。


人間だもの

みとぅお

(実は同郷<栃木>出身の嫌われモン、親近感)


次回は角田光代『平凡』です。

(2021/06/22追記)

スケジュール調整ミスったため、次回は

福里真一『困っている人のためのアイデアとプレゼンの本』です。

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