ニュータウン航空

・まだクリーンな頭で窓を開ける。ほどよく気温が高くても、窓を開けたまま眠ることはできない。しょっちゅう戦闘機が轟音をたてて夢を阻みにくる。虚構のアナロジーとしての現実。

・この季節になると蛾が網戸の前を旋回している。おそらくほとんどの確率で室内に着陸することはないし、そうした死を望む下降もない。ただ緑地が漏れ出てしまっただけで。

・ウォーターサーバーに水道の水を入れる。入れると勝手に浄化してくれるので、心が荒んでいく。600mlも入る計量カップを使って往復する時水は出しっぱにするから、わがままだなと思う。

・中学と高校の野球部の先輩が一緒になってレギュラー争いをしていた。僕は練習について行けていなくて、「プライド なくしかた」を調べた。身体が勝手に高度を上げて、エアコンを消しに向かう。現実のリライトとしての虚構。




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