歌詞で見るオタクソングと今年の話 2
※本記事は「https://adventar.org/calendars/6473」のために寄稿したものです。
まえがき
こんにちは、Gです。
今年も「DJ&VJ Advent Calendar」に参加させていただきました。本記事作成にあたって去年の自分の記事を読んだんですが、すごく気持ち悪かったです。今年はそうならないようにします。
※本記事はすべて個人の意見であり、同調や共感を強制するものではありません。
まず今年の振り返り、ここだけはまじめな要素なのでしっかりやりますが、今年は本当にいろいろと知見の広がった年であると感じてます。昨年から猛威を振るっていた新型コロナウイルスですが、今年は少し希望が見えたのではないかとも感じました。ワクチンの影響がかなり大きいところではあると思うんですが、一種の「慣れ」もその一つの要素であり、「withコロナ」「afterコロナ」を考えられるくらいはもろもろ何とかなりだしたんじゃないですかね。知らないですけど。
なんでこんなことを言うかといえば今年は本当にイベントがたくさん復活しましたね。「感染対策が~」とか「まだ終わってない~」とかいろいろ確かにあるとは思うんですが単純に考えて好きなものの供給が増えてるんだからそれくらい喜びたいですよね。
若い(従来比)んで大していろいろ考えなくていいうちに喜んでおきます。来年はもっといろんなイベントが復活して働いても働いても金が足りんってなりたいですね。
ってことで今年の振り返り前半でした。先にまじめなこと書くと人が逃げるって聞いたし、何より自分がつかれるのであとは後でやります。
お待たせしました。本編です。今年も自由にやります。「歌詞で見るオタクソング」の時間です。
やることはそのまんまなんですが去年見てない人もいるので説明しますと普段あんま注目されない歌詞がなんかヤバいオタクソングをただ書いていくだけです。
「斜に構えんな」とか「お前に何がわかんの?」とかなっちゃいがちな人は帰ったほうがいいです。好きな女性声優が「今何してるか」とか「目玉焼きには何をかける派か」とか1時間くらい考えるほうがよっぽど人生にとってプラスになります(プチライフハック)。
それでは今年もよろしくお願いします。
1.おもいでしりとり
僕のTwitterをフォローしてる方、一時期僕が狂ったようにツイートしてたのでわかってたかもしれません。でもそれくらい強いんですよね。
TVアニメ「ひげを剃る。そして女子高生を拾う。」OPテーマです。
歌っているのは2019年にデビューした若手女性声優ユニットであるDIALOGUE+さんです。楽曲プロデュースすべてにUNISON SQUARE GARDENの田淵智也さんが関わっているというファンからすれば垂涎のユニットですね。
作詞は田淵智也さんご本人が手掛けており、TVアニメ「となりの怪物くん」OPテーマ「Q&A リサイタル!」やTVアニメ「俺、ツインテールになります。」OPテーマ「ギミー!レボリューション」も田淵さん作詞となっております。
この曲、一言でいえば「とてもメリハリのある曲調の随所に見られる静的要素のピアノと、動的要素のロックサウンドのクソエグいハメ技」みたいな感じです。
メロディだけでもう一生生きていけそうなんですけど、例のごとくとんでもねぇ歌詞が載ってるんですよね。この曲。Gは二度死ぬ。
イントロの静かなピアノで入るこの曲。歌詞考察ではないですが
「HOSHI NI NEGAI WO」
「DEKIRUDAKE AI WO」
最初っから韻踏んで僕を弄ぶのはやめてもろて・・・って感じです。
しりとり=言葉を繋ぐって部分はまぁわかるんですけど「季節」を「天秤」と比喩しているところ、「季節」ってある程度一定の時期性を持ってるのにそれを不安定な「天秤」に例えるって何?ってなりますよね。後半に行くと「季節」自体が何かの暗喩ってことがわかってきます。
死因:暗喩。
いつもいつも「無難」で「今まで通り」を選んでいた、だけど「新しいもの」を探すってのも悪くはないんじゃないか。いろんなものを見つけていろんな経験をしているから今日の方が昨日よりも幸せなはずなのに、よく見ないと忘れてしまう。という所で人間全体ないしは自身のことを否定的に見ている歌詞ですね。
どうすればその幸せに気づけるのか、試行錯誤はするけれどもうまくいかない。そして出た言葉「どうしよう、難しいや。」
真ん中の連続したセリフ、ここは一つ一つが別の情景であり、それを想起しているのではないかと思います。それを裏付けるのが「物語を紐解いていけ」という歌詞。「物語を紐解く」ということはつまり過去の出来事のことを指してるってことですよね。あとはこの曲のタイトル「おもいでしりとり」、「思い出」なのでやはり過去のことなんですね。
単発の言葉を並べることで曲の主人公が過去の自身の想いを取り留めもなく思い出し、破片として歌詞に落とし込んでるように感じました。勘弁してくれ。
ここいう「立てる」ってその物事を優先したりうまく成り立たせるっていう意味だと考えました。ここで再登場するのが冒頭に出てきた「天秤」。
「あぁあっちを上手くやらないと」「あぁ次はこっちも」っていうように片方を上手くやろうとすれば片方は上手くいかない。フラフラしているのに「全部上手くできている」って言ってしまう自分はなんて意地っ張りなんだ。アニメの内容が本当に上手に歌詞に映し出されてますよね。詳しくはネタバレになるので言いませんがここまでの歌詞が余すところなくアニメの内容を映してます。
アニメ見てください。主人公が本当に良い。ベストGニスト賞受賞。
一番サビと同じように過去の想いを思い返していますね。
「胸を締め付けるこの恋の解決策を出したいけれど、それができるのはもう少し先の話、だからそれまでこの天秤は壊れないで」というように自分の気持ちはわかっていながらもいつまでもこのままではいられない、でももう少しだけ・・・
良。本当に良。相手に謝ってるんですよね。謝ってる、つまり良くないってわかってるのにこのまま壊れないでって思ってるんですよ。クソわがままなんですよ。でもマジで等身大というか大人になりきれていないところが出ててBIG EMOTIONAL LOVE.
続く二人の生活の中で見つけた光。それを「恋」「友情」「尊敬」どんな名前にするかは簡単には決められない。ただ、どれにするにも後悔だけはしたくない。それだけが今、わかっていること。
NICE.
「」がいっぱい出てくるところ、一番、二番のサビにもありましたね。でも今回は違うんですわ。
今、相手を目の前にした自身の想いです。しかも今までみたいに「破片」じゃないんですよ。
たくさんたくさん考えて、絶対に後悔はしないように、見つけた光に「名前」をつけました。
「好きです。」
<ととのい>
Oh・・・It's beautiful world.
ありがとうございました。一番サビの4つ二番サビの4つそしてここの3つの「」は全て「想い」だったんですね。最後の最後にやっと「想い」が「言葉」になったんですよ。絶叫止まらん。デカ歌詞ロウリュ。
ここまで歌詞を読んで思うわけです。過去の「思い出」で「好き」という気持ちを紡いだのではなく、「想い」で気持ちを紡いだと。つまりこの曲、あえて書くなら「想いで、しりとり」なんですよね。
「で」は格助詞だったのかぁ〜すげぇ〜(ジャイアン) というようになるわけです。
いやほんとにヤバい。だから曲名全部ひらがななのかって。全日本クソデカ曲名大賞があったら5年連続優勝+オタク化学大臣賞は固い。
曲の最後です。今回も「」があるわけですがこれは「相手の言葉」と捉える方がEMOTIONALなのでそうしましょう(プチライフハック2)。世界はエモが好きなので。とんでもないのは3つめ、「欲張りでいい」。冒頭の歌詞を思い出してほしいんですが、主人公は自身のことを「意地っ張りで欲張り」って言ってるんですよ。でも「欲張りでいい」って。ありがとうございました。
ここまでの全部の「」を見てほしいんですが、、、。そうなんですわ。しりとりになってまして。歌詞解釈だけで十分なのに、実際の歌詞という見える形でしりとりしてきたわけです。本当に田淵さんは天才です。なんなら最後の「一緒にいよう」から一番サビの「嬉しい」にまた繋がるんですよね。二人の関係も終わらんってことですかね?
実はここの答えもありまして「最後の文字に繋ぐまで」、しりとりの最後の文字って「ん」じゃないですか。最後の言葉が「一緒にいよう」じゃないですか。
「うん。」
ってなるまでこの天秤はユラユラし続けるみたいですわ!!!!!エモすぎるので終わり!!!!!!!!!
2.明日の君さえいればいい。
これも本当に好きな曲なんで去年の時点で載せるかどうかアホほど迷ってました。
TVアニメ「妹さえいればいい。」OPテーマです。
歌っているのは数多くの名作アニメでも有名なChouChoさんです。僕はこの曲と空想トライアングルがアホほど好きで聴きすぎて逆に聞かなくなりました。でもたまに聞くとほんとにいい曲だと思います。
作詞は松井洋平さんです。TVアニメ「Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ」OPテーマ「starlog」やTVアニメ「小林さんちのメイドラゴン」EDテーマ「イシュカン・コミュニケーション」を作詞されています。このほかにもアイドルマスターシリーズやプリティーシリーズにも多数楽曲提供をされています。
この曲についてですが、全体的に駆け抜けるようなサウンドでありながら、全体のリズムを急に同じくすることによって心地いいブレイクを作っています。
特にラスサビにかけての盛り上がりから三連符、そしてブレイク、からの歌詞に全体のリズムが合う感じ、本当にブチ上がります。聞いてください。
この歌詞ですが、曲を通して何度か登場します。なのでここではあえて説明しないでおきます。
生きていく中で「コレ」があればってもの、人によって様々違うわけですが、それがなかなか手に入らない、実現できないから日々頑張っているわけです。どんなに他人から「そんなことやっても無駄」「くだらない」と思われようともその本当の価値を見出せるのは自分だけ、だと歌っています。この曲全体を通してとにかく元気づけてくれるというか勇気づけてくれるんですよね。自分にバフかけたい時に聞いてます。毒耐性とかつきます。
話を戻して、そんな中でも「自分は特別」って信じていれば今は名も無いキャラクターでも・・・「いつか」。
「全員が主人公!」って誰かが言ってたのに、描いたストーリのようには上手くいかない。だけどそんな「偽物」のストーリーにじゃなくて「理想」や「希望」を自分の手で掴み取れ。「君」が望んでいるような「君」がいればいいんだから「いつか」なんて不確定な未来は置いていこう。
本当にいい歌詞です。あえて「理想の自分さえいればいい」とかではなくて「君が望んでいる君」と書くことによって泥臭さというか必死さを出しているようにも感じます。
この曲、二番からとかラスサビもマジでヤバくてアホほど文字書けるんですけど、一曲目で4000字も書いちゃって今年の振り返りもしなきゃいけないのでここまでにします。聞いてください。
3.クソデカリリックまとめ
クソでかい歌詞を短く紹介します。なんでやるかといえば毎年3曲紹介する。一年の間にクソデカリリック曲が出る。また3曲紹介する。ってやってたら永遠なんですわ。エモ力学で言えばEMOTIONAL永久機関。
最近YouTubeとかも短いの流行ってるじゃないですか。あれみたいなもんです。
1.TRICK / Ci+LUS
「Tokyo 7th シスターズ」内のユニットであるCi+LUSからはこの一曲。小悪魔的な振る舞いの「彼」をディーラー、対して「彼」に恋心を抱く自分を含めた女の子をプレイヤーに比喩しています。カジノを舞台としているだけあってビッグバンドチックな曲になっています。
数多くのプレイヤーを翻弄する「彼」、そんな彼に必然と付き纏う噂やゴシップ。どんなに完璧な彼でも弱みはあるんじゃない?という歌詞です。
この曲を通して主人公は「彼」のことは直接的に好きとは歌っておらず、彼の傷ついた横顔を見ても「肩を持つ」くらいしかしないみたいな感じなんですよね。別にそんなに好きじゃないって。なんですが「肩を持っちゃいそうで」って「片想っちゃいそうで」なんですよ。恋をギャンブルに捉えた曲だからこそポーカーフェイスで本心は出さない。でもトランプを裏返すように気持ちも裏返せば・・・って感じですね。
ダブルミーニングの使い方が本当にすごいと感じました。
2.花に赤い糸 / 麻倉もも
お待たせしました。2年連続出場の麻倉ももさんとHoneyWorksさんです。
いや紹介したい曲たくさんあるし2年連続はって思ったんですよ。でもほんとにHoneyWorksさんの書く歌詞がヤバいんですわ。
花が好きな「彼」を好きな「自分」を花に重ねて叶わない恋を歌っている曲です。
ヤバいのは「一度だけ言えたあの日も ずっと言えず終わる今日も」の部分。この短い文章の中に感情の対比をブチ込んでるんですよね。ここに関しては本当に言葉選びが好きなんですよね。「一度だけ」と「ずっと」、「言えた」と「言えず終わる」、「あの日も」と「今日も」。歌詞の全てで相反することで情景の対比がより鮮明になって本当に無理。
「泣きそうな私」って、もう絶対泣いてるだろってところまで情景が浮かびますよね。これがVR(Victory lyric Reality)ってわけですわ。文明はすごい!!
3.AOZORA TRAIN / SiSH
コンテンツ被りでごめんなさい。「Tokyo 7th シスターズ」内のユニットであるSiSHの一曲です。
この曲はエレクトリックな曲調の中にピアノを混ぜ込むことでまるで青空のような爽やかさを演出しています。「キミ」に恋する「ボク」の話、伝えたいけど伝えられない。キミを攫ってあの青空まで行けたら。みたいな感じの甘酸っぱい青洲ソングって感じです。
一目キミの姿を見て、恋に「堕ちた」ボク。伝えたい言葉は確かにあるのに伝えられないんですね。それを知ってか知らずか、心を透かしたように赤くなる自分の頬。もうすごいですね、感性が豊かすぎる、墾田えいねい私財法って感じ。
ていうか表現が「そんな言葉使う?」って感じなんですよね。もっとイかれてる(褒め)のは後半・・・
「憧れていた世界のすごい人たちは 何色の空に弱さ捨てたんだろう」
SUGEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEE!!!!
言いたいことも言えない自分の弱さ、そんな時にふと考える「すごい人たちはどうしてたのかなぁ」って気持ちを本当にうまく表していて・・・。曲調とかタイトルからするに間違いなく今は「青空」なんですよ。「青空」の中でも弱さを捨てられない自分、そこに対する悲観というか憂いの感情も混じってる気がするんですよね。本当にいい歌詞です。空が青くてよかった。
ということでここまでが濃いところでした。主催の方、今年も自由に書いてすいません。なんか去年も書いたような気がするんですけどメロディーが好きでバカ高まる曲の歌詞を考察して高まるってすごくお得な気がしませんか?Twitterで見たんですけど、「作詞家はそこまで考えてないよ」ってのも重々承知なんですけど正直どう解釈するかって受け取る側の仕事だと思うんですよ。
好きなことだからこそ、もっと楽しむためにはどうしたらいいかって考えるのって最高に楽しいじゃないですか。以上でした。
今年の振り返りに戻るわけですが、DJとして今年はいろいろやりましたしさせてもらいました。主催イベントの開催、居住地以外でのイベントへの公募、レギュラーのオファーなどなどたくさんありました。
何をやってても思うんですけど同じ趣味、趣向の人って一緒にいるだけで楽しいことが8000倍くらいになるのでいいなぁ・・・と改めて思いました。
レギュラーのオファーに関してはお断りしたものもありました。自分のプライベートも鑑みながら考えた結果です。半端にしかできなくて「あいつってそこまでのやつだったのか」って思われるのが嫌だったことと、大尊敬する方からのオファーなら尚更完璧な状態で受けたいじゃないですか。って感じです。
来年やりたいこととかも特にないです、とにかく楽しければなんでもいい。いい曲、いい酒、いい仲間で来年もやっていきます。
よろしくお願いします。
じつはmixcloudやってるんですよ。最近あげられてないですけど。こっちもよろしくお願いします。
あとがき
まえがきとあとがきってひらがなで書くとなんかメスガキみたいですよね。
ごめんなさい。間違いました。
本年はありがとうございました。来年もよろしくお願いします。
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