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白単サバキZ概論〜入門編:主なフィニッシャー紹介〜

はじめに

 こんにちはKMSKです。前回はサバキZの超入門編ということで、白単サバキZどんなデッキかについて書いていきましたが、今回は採用されているフィニッシャーについて書いていきたいと思います。白単サバキZの紹介というと裁きの紋章についての話に終始しがちですが、それらは初動や守りの部分に使われるものであるため、デッキの強みの大半はむしろ裁きの紋章以外のフィニッシャー達にあります。この記事を読んで、白単サバキZの制圧力・ロック性能について思いを馳せていただければ幸いです。よろしくお願いします。

第1章 白単サバキZのフィニッシャーの条件

1.1 光文明(単色)を持つカード

 ”白単”サバキZだからといえばそれまでなのですが、入門編なので一応説明します。このデッキは、「煌メク聖戦 絶十」というカードの軽減効果を利用して各種フィニッシャーを展開していくデッキです。このカードは、「次に使う”光の”カードのコストを3下げる」という効果なので、フィニッシャーを光のカードにしないと軽減効果を受けられません。だから光文明単色である必要があるのです。

補足 〜光を含む多色カード採用のサバキZについて〜
 フィニッシャーの条件として「光文明(単色)」というように単色であることを限定しなかったのは、白単サバキZのフィニッシャーとして、XXDDZやザーディクリカ、グレイトフルベンのような光文明を含む多色カードを、ドラサイやヘブンズゲートのような踏み倒しカードと一緒に入れる構築も一応あるからです。
 このような多色カードの採用は、デッキパワー、受けの強さ、展開力等を上げられるメリットはありますが、その一方、プレイするために踏み倒しカードと多色カードの両方が必要なため、このデッキの構築における自由枠の少なさ、序中盤の手札管理の難しさと相まって、構築とプレイングの両方で窮屈だと感じました。
 また、これらのカードを使うなら、サバキZの基盤で使うよりも、デドダムその他を入れた5Cの基盤で使った方が動きが安定して動きのバリエーションも多いため、白単サバキZである必要がないと感じました。
 以上のことから、私個人としては白単サバキZに多色カードを入れるのはオススメしません。しかし、ザーディクリカ等の多色カードとサバキZの両方を愛している方、5Cその他のデッキではなくサバキZを使って勝ちたいというような方はこういう選択肢もあるよ、というのを頭に入れておくといいと思います。

1.2 種族に「メタリカ」を含むorツインパクト(持っているのが理想)

白単サバキZにおける2大サーチカード。これらのカードを駆使して
状況に応じたフィニッシャーを手札に持ってくることができる。

 上にある2つのカードは、このデッキのリソースを支えるカード「剣参ノ裁キ(以下「剣参」)」「集結ノ正裁Z(以下「集結」)」ですが、このカード達の存在が、白単サバキZにおけるフィニッシャーの条件2、3に関わってきます。
 この2つのカードはこのような効果を持っています。
 ・剣参:山上3枚見て、呪文またはメタリカ1枚を手札に加える
 ・集結:山上2枚見て、呪文、メタリカ、ドラゴンをすべて手札に加える
 これを見ればなぜフィニッシャーが呪文またはメタリカである必要が分かったかと思います。フィニッシャーをメタリカまたはツインパクトのみにすることで、剣参と集結の両方で回収できるようにするためです。剣参で相手のデッキに刺さるカードを捲れても、呪文やメタリカでないために拾えず、山下に行ったら悲しいですよね。

1.3 種族に「ドラゴン」を含む(最低限これ持っていればOK)

 ドラゴンである理由は上の内容を見れば分かると思いますが、集結で回収できるためです。付け加えるとすれば、新カード「正義の裁き」の登場に伴い剣参の採用枚数が減ったため、呪文やツインパクトでなくてもドラゴンさえ持っていれば不自由なく回収できるようになりました。ちなみに、集結の正裁Zはこのデッキにおいて思考停止顔パス4投確定ハイパーミラクルつよつよドロソなので不採用になることは勿論、削る可能性すらもほぼありません。集結で回収できないフィニッシャーの開拓はもう少し先でいいかと思います。

1.4 強烈なメタ効果(常在効果)持ち

「君出たら勝てないんだが?」の元祖(たぶん)であるアルファディオス先輩。
光文明は古来より強烈なメタ性能を発揮していた。

 このデッキは、どれだけ手札が整っていても、自分からビッグアクションを取れるのが4ターン目以降と現環境では少し遅めで、さらにそのビッグアクションも、ただ光の大型クリーチャー1体をバトルゾーンに出すというだけのものです。そのため、フィニッシャーとして相手のテンポを大きく乱すような、強烈なメタ効果を持つカードを採用する必要があるのです。
 また、常在効果持ちと書いているのは、このデッキにはナウオアネバーやヘブニアッシュのような、登場時効果を使いまわせるカードや手札以外のところからバトルゾーンに出すカードが採用されていないためです。バトルゾーンに出して、登場時効果使って、以降は絶十の横で置物になる、というのはできる限り避けたいですよね。そのため、バトルゾーンにいるだけで効果を発揮し続ける常在効果持ちのカードを採用するのが望ましいです。

第2章 主なフィニッシャーの紹介

 これまで、どのようなカードが白単サバキZのフィニッシャーとしてふさわしいかについて述べてきましたが、ここからは具体的に、どんなカードが主に白単サバキZで使われているかについて述べていきたいと思います。今回の内容は、あくまでも白単サバキZに採用される代表的なカードのみの紹介なので、今回紹介していないカードの中にも強いカードはたくさんあります。なので、気になる方はいろいろ探してみてください。(また気が向いたら書くかもしれません。)
 今回は、
サッヴァーク三種 〜カード購入の際に店員を困らせないように〜
テンプレフィニッシャー 〜サバキZデッキのフィニッシャーといえばこれ〜
おすすめフィニッシャー 〜絶対採用しろとは言わんが個人的にオススメ〜
 の3つに分けて紹介していきたいと思います。

フィニッシャー紹介の凡例

クリーチャー名(小見出し)
主な役割対象:(ビートダウン、コントロール、ループのいずれか)
役割:(主な役割…太字、付随的な役割…細字)

(カードの画像)

クリーチャーの説明、評価

2.1 サッヴァーク三種 〜カード購入の際に店員を困らせないように〜

2.1.1 煌龍(キラゼオス) サッヴァーク

主な役割対象:コントロール
役割:除去耐性、カード&盤面除去
、シールド追加

店員に「サッヴァークください」と言えばおそらくこのカードが出てくるだろう。
白単サバキZ以外にも使われる、非常に汎用性の高いカード。

 キングオブサバキZフィニッシャーカード。4ターン目に出せば絶十を、中後盤に出せば各種メタクリーチャーを守ってくれます。登場時効果も強力で、カード指定で相手のシールドに貼り付けられるため、フィールドや退化先のクリーチャーを除去できる他、穿つで除去できないクリーチャーまで処理することができ、さらにそれを使って自分のクリーチャーを守ることができます。現環境では4ターン目に出すのはやや悠長な面こそあるものの、盤面に出れば何かしらの仕事は果たしてくれる。相手のデッキが分からない時はとりあえずプレイしてみるといいかと思います。

2.1.2 煌世主(ギラメシア) サッヴァーク†

主な役割対象:ビートダウン、コントロール
役割:カウンター、アタッカー
、シールド追加

パワーは驚きの17000。デカい。

 通称クソデカハヤブサマル。非常にデカい。表向きの盾が3枚あれば、相手の攻撃時に急に出てきてブロックしてきます。相手からしてみれば恐怖でしかないでしょう。また、このパワーのデカさに加え除去耐性もついており、一度場に出てしまえばなかなか除去することができません。ここぞというタイミングでプレイできれば大きくアドバンテージをとれる一方、1体しか止められない点やメタ性能の低さから採用されないことも多いカードです。

2.1.3 煌終龍(キラストゼオス) サッヴァーク

主な役割対象:ビートダウン
役割:受け、アタッカー、シールド追加

新規のサッヴァーク。強そうで弱かったビート対面に対して
明確な回答ができたのが嬉しい。ありがとうタカラトミー。

 新入りサッヴァーク。サバキZ持ちで、相手のブレイズクロー1点から出てきうるカードです。登場時効果はないものの、表向きの攻撃を置換して無効化する効果、ドラゴンWブレイカーを持っており、ビート対面で盾を攻撃しながら守りを固めることができます。また、バトルゾーンにいるだけでも、攻撃置換効果があるため絶十や集結が受け札となるのも大きいです。ビートダウン以外に役割が無いためサバキZ界隈では評価が低めではありますが、個人的にはビートダウン対面で困ってた節があったので個人的には嬉しい1枚です。

2.2 テンプレフィニッシャー 〜サバキZデッキのフィニッシャーといえばこれ〜

2.2.1 偽りの王 ナンバーナイン

主な役割対象:コントロール、ループ
役割:呪文メタ

4ターン目に出すと相手が投了することもしばしば。
剣参の枚数減少によりGS持ちの方も採用候補に。

 呪文を止めます。強い。5Cにプレイすればザーディが準バニラに、アナハンがジェニーとベラドンナでハンデスする平成デッキに、そして呪文主体のデッキ全てが機能不全になります。コントロール系にはこれを出せば間違いない、というカードでは"あった"んですが、コントロールデッキにカツキングが入り始めてから、絶十もろとも処理されるようになってしまいました。今でも多くの白単サバキZ構築に採用されているカードではありますが、私個人としては呪文を止めるだけで、コストが高く場持ちの悪いこのカードの採用に疑問を持っているカードです。

2.2.2 神聖龍 エモーショナル・ハードコア

主な役割対象:ビートダウン、コントロール、ループ
役割:クリーチャーメタ、アタッカー、
受け

最近再録して可愛くなった。
サバキZのデッキでは唯一結構な値段のするカード。

 相手のクリーチャーを確実に機能不全にすることができます。ドルファディロムやシャッフといった白単サバキZをメタるクリーチャーを止めるもよし、正義聖帝やマーシャルクイーンを宣言して相手の一番強い動きを封じるもよし、クロックやホーリーを宣言してトリガーケアして詰めるなど、さまざまな活用方法があります。また、複数並べることでアンタッチャブル効果が付与されるのも強力で、最後に盾を殴る際にも活躍してくれます。強力な効果を持つカードではありますが、使い方を間違えれば準バニラにもなりうるので、使う際には事前に環境デッキやカードプールの理解を深めておく必要があります。

補足:「選んだクリーチャーの能力を無視する」について
 エモーショナルハードコアの効果が適用される範囲は、"バトルゾーンにある"クリーチャーの効果です。そのため、旅路の手札を捨てた時に発動する効果やフシギバースのような墓地で発動する効果、GSや一王二命三眼槍の敗北回避効果のような手札で発動する効果は無視されません。また、宣言したカードは自分のクリーチャーでも無視されるため、ミラーマッチなどでは注意が必要です。

2.3 おすすめフィニッシャー 〜絶対採用しろとは言わんが個人的にオススメ〜

2.3.1 無双の縛り 達閃/パシフィック・スパーク

主な役割対象:ビートダウン、コントロール、ループ
役割:クリーチャーメタ、受け

ナラブ。ダメ。ゼッタイ。

 相手の大量展開を阻止することに加えて、ラストバーストで相手の一斉攻撃も許さないという、どんなデッキにも刺さりうる強力なメタ性能をしています。最近の白単サバキZの構築では、メタを発揮する前に簡単に除去されることが多く、その枠をエモーショナルハードコアに奪われることが多くなってきました。しかし、最近の環境ではメタカードを採用するデッキが減り、細かく盤面を除去するカードが減っていること、盤面を広げるデッキが多く達閃が刺さりやすい環境になっていることから、その強さが(筆者から)再注目されています。

2.3.2 真・龍覇 ヘブンズロージア

役割対象:ビートダウン、コントロール、ループ
役割:除去耐性、受け、盤面展開、呪文メタ、
自分の墓地リセット、アタッカー

これ採用するだけで戦術の幅がグッと上がる著者イチオシカード。
ただ、あと1000だけパワー上げてくれとは言いたい。何だ5500って…

 アドバンス限定だが、これを入れるだけで取れうる戦術の幅が大きく広がるカードです。できることが多いので一つずつ説明していきます。
 まず何と言ってもドラグハート。レオサイユを立てれば除去耐性どころか相手の除去に反応してサバキZを起動することができます。ヘブンズヘブンを立てればターン終了時にブロッカーを立てつつ相手の呪文のコストを増やせます。エンドレスヘブンを立てれば自身のシールドセイバー付与効果とも相まってビートを封殺できます。エバーラストは盤面全体のドラゴンの除去耐性を付け、さらにブロッカーのGSケアもできます。六剣ロールを使えば盤面除去+山札切れ回避をすることができ、レッドウルを使えば時間切れや山札が薄い時に殴るプランを取りやすくなります。簡単に効果を説明するだけでもこれだけの戦術が取れます。いかにこのカードで取れる戦術の幅が広がるかがお分かりいただけたでしょうか。
 また、シールドセイバー付与もかなり強力な効果です。このデッキの特性上、盾を全て割られてターンを返されると非常に苦しくなってしまいますが、シールドセイバーで盾を守ることで、そういった場面を回避することができます。また、前述したサッヴァーク†や煌終龍サッヴァーク等の破壊されない効果を持つクリーチャーと合わせることで、ヘブンズロージアを除去しなければシールドを割れないという盤面も作れるのも覚えておきましょう。(裁定変更でできなくなりました。詳しくはこちらで説明しています。)
 このように、1枚のカードで対面に合わせてかなりの戦術が取れるカードなので、アドバンスのデッキを作る際には1度は試して欲しい1枚です。

補足:セイバー効果について
 デュエル・マスターズのルールとして、置換効果の置換はできないというものがあります。そのため、シールドブレイクされるかわりにシールドセイバーで受け、このクリーチャーが墓地に置かれるかわりにサッヴァーク効果で表向きの盾を墓地に送る、というのはできません。サッヴァーク2種と組み合わせてシールドを割れない盤面を作れるのは、それらのテキストの書き方が「バトルゾーンを離れない」「破壊されない」というように、「〜かわりに」のテキスト無しで除去耐性の効果を持っているからなのです。

 フィニッシャーの紹介はこれで以上になります。このデッキは最終的にこれらのカードを展開して殴って勝つデッキですが、今紹介したようなカードが並ぶのを想像してみてください。相当強固な盤面が作れるのが分かるのではないでしょうか。このようなフィニッシャーをぜひ有効活用して、有意義な白単裁きZライフを送ってみてください。

おわりに

 最後まで読んでいただきありがとうございました。第2章の最初にも言いましたが、今回紹介したものの他にもフィニッシャーになりうるカードはたくさんあるので、ぜひ開拓してみてください。

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