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Think difficult

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思考を刺激し、ヒントを与えてくれる色々。難しく考えた思考の断片や、気になった記事のスクラップをまとめています。
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#ロバートツルッパゲとの対話

求められたら意見を言え。

もう題名を書いただけで終わりなんだけど、ソーシャルメディアで行われていることのほとんどが、「お前には関係ないだろう」の一言で済む。 自分とは無関係な人に話しかける権利、資格、さまざまな言い方があると思うけど、リアルな人間関係でダメなものはネットでもダメだ。友だちを呼んだパーティに知らない人が勝手に入ってくるのは不法侵入だし、カフェで話している人に「それは間違ってる」と、割って入ってくるのもルール違反だろう。 何かを言いたかったら、まずは「意見を求められる人」になる必要があ

「誰がネットを更新しているか」

ネット上には、ネットにいる人の世界があるというのは誰でもわかると思う。でも「ネット以外の世界」が不足していることにも気づく。 昨日「うどんげの花」の投稿を読んで、不確かな記憶があったので画像検索をしたら、これである。調べたい単語がアニメの役名などに使われてしまっていると、こうなる。 どちらが有名であるとかではなく、ネットをよく使う集団が欲しい情報を蓄積する量が多いからだ。 wikipediaでも、声優のデータなどは膨大なのに、誰でも名前を知っている往年の大スターの記事は

バカと利口の両方が満足できる本。

30年も広告を仕事にしてきたのに、もし自分が作って世に出したプロダクトがまるで売れなかったら、それはクライアントに対しての冒涜になるだろう。過去に「こうしたら売れますよ」と、企業に対して偉そうに提案してきたことの説得力がゼロになってしまうからだ。 というわけで、自分が出した本が、まあまあ好調な予約状況であるらしいことを知って、ほっと胸をなで下ろしている。 『ロバート・ツルッパゲとの対話』の後書きにも書いたが、「売れる」というのは商業活動の金銭的結果だけを指さない。特に本に

知識に終点なし。

パリでキーホルダーを買うならどこがいいでしょうか、と聞かれたら、「多分ここだ」と答える。フランソワおばさんの店。 もしこれより少ない品揃えの場所しか知らなかったら、そこが一番だと思ってしまうだろう。知識や体験の蓄積には終わりがない。 俺が知らないだけで、世界にはもっとスゴい店があるはずなのだ。だから、自分が知っていること(知識)は常に不完全だと思っている。間違っても、自分の貧しい経験で知った何かを、「人に教えよう」などと思ってはならない。

所有と集合知。

先日あるミュージシャンと、「ニューヨーク」というコンビのネタについて話した。彼らは、出す曲がことごとくヒットしているJ-POPデュオという設定で、その作曲風景をコントにしている。 俺たちのファンのあいつらは「永遠」とか「LINEが既読にならない」とかいう言葉が好きだから歌詞にたくさん入れとけ、みたいに話し合いながら最終的に曲ができあがる。ある意味、現在の音楽業界をバカにしているわけだから、そのコントを見てイヤな気持ちにならないか、とミュージシャンに聞くと、「いや、そういうミ