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Think difficult

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思考を刺激し、ヒントを与えてくれる色々。難しく考えた思考の断片や、気になった記事のスクラップをまとめています。
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#ロバートツルッパゲ

バカと利口の両方が満足できる本。

30年も広告を仕事にしてきたのに、もし自分が作って世に出したプロダクトがまるで売れなかったら、それはクライアントに対しての冒涜になるだろう。過去に「こうしたら売れますよ」と、企業に対して偉そうに提案してきたことの説得力がゼロになってしまうからだ。 というわけで、自分が出した本が、まあまあ好調な予約状況であるらしいことを知って、ほっと胸をなで下ろしている。 『ロバート・ツルッパゲとの対話』の後書きにも書いたが、「売れる」というのは商業活動の金銭的結果だけを指さない。特に本に

所有と集合知。

先日あるミュージシャンと、「ニューヨーク」というコンビのネタについて話した。彼らは、出す曲がことごとくヒットしているJ-POPデュオという設定で、その作曲風景をコントにしている。 俺たちのファンのあいつらは「永遠」とか「LINEが既読にならない」とかいう言葉が好きだから歌詞にたくさん入れとけ、みたいに話し合いながら最終的に曲ができあがる。ある意味、現在の音楽業界をバカにしているわけだから、そのコントを見てイヤな気持ちにならないか、とミュージシャンに聞くと、「いや、そういうミ

ヤギさんへお手紙書いた。

ヤギワタルくんがTwitterで、「批評家の必要性」について書いていた。俺はあまり必要だと思っていないので、そうリプライした。140字では到底書けない内容なので、「noteに詳しく書いて」とお願いしておいたらアップされていた。 ヤギくんの丁寧な説明で概要はわかった。批評家によって創作の世界がひらかれたり、作家が進化する可能性があるというのは納得できるし、批評にとどまらずに創作に転じる人がいるのもわかる。よき創作者は批評家の資質を備えることがあるというのも理解できる。 俺が