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JAPAN MOUNTAIN BIKE CUP XCO 12位 : Race Report

大会名:JAPAN MOUNTAIN BIKE CUP
開催日:2022年10月30日(日)
場所:静岡県伊豆市サイクルスポーツセンター
カテゴリー :Elite Men
距離 x 周回数 : 4.1km × 7Laps = 28.7km
結果:12位(-3 Laps)

東京オリンピック MTB XCO 開催地の日本サイクルスポーツセンター特設コースで行なわれたレガシーイベントのUCI-1レースに参戦した。このUCIレースと3週間後の全日本選手権が、東京五輪のために作られた世界でも屈指の難コースで開催されることを知り、今年はエリートで登録した。

目標

15位までに与えられるUCIポイントを獲得すること。また、全日本選手権での目標順位に向けて、自分の現状を確認目的をもってレースに挑んだ。もちろんそれ以外も、このコースを怪我無く走破することを裏テーマに。

レースまでの準備

5月の八幡浜国際レース以来、5ヶ月ぶりのMTBレース。その間、まったくMTBに乗っていなかったので、JCX開幕戦終了後からはMTBに慣れるためにANTHEM に乗り始める。

レース2週間前の10/15(土)、久々のトレイルライドで感覚を取り戻していたところ、凡ミスで軽く転倒。翌16(日)も近くの里山をライド中に軽く転倒した。その時はまったく気にならなかったものの、翌々日の18(火)に左腕が痛み、そして腫れだした。19(水)には腫れが大きくなり、かなり痛み出だしたため「折れてるかも?」と思うようになり、翌20(木)に整形外科へ。診断結果は「骨挫傷」でヒビは入ってないが骨が打撲で損傷し内出血しているとのこと。

安静にするしかないけど、翌週から5週連続でレースが続くことと、サポーターを付けてMTBで舗装路なら手を添えているだけで乗れそうだったので、23(日)は御殿場シクロクロスを観戦がてら往復155kmのロードライドへ。

帰宅後、若干予想はしていたけど、走行前よりも腫れて痛みがでてしまい少しだけ後悔。。レース週は運動は少なめに(Zwift)、自然治癒力を上げるため発酵食品をいつもより多めに取って睡眠時間を確保した。27(木)に自宅周辺舗装路で少しANTHEM に乗ってみたところ痛みがかなりあり、90%以上レースは参加できそうにないと思うようになった。
遠征自体をキャンセルすることも考えたが、レースに参加できなかったとしても、今回の機会を全日本選手権につなげるために、同行の友人と会場に向かうことにした。

コース

ⒸJAPAN MTB CUP

冒頭にも書いた、東京五輪 MTB XCO競技のために作られた世界屈指と言われる難しさのコース。ロックセクションなど、安全面に配慮した手は加えられているものの、特に「浄蓮の滝」と「枯山水」の二つのロックセクションは大きな岩がそこら中に有る中で急勾配を下るため、視覚的にかなり恐怖を感じる。この2セクションはAラインとBラインが用意されているが、Bラインでも岩がゴロゴロしていて普通に難しいし怖い(笑)。たくさんあるので割愛するが、その他のセクションもそこら中にドロップオフがあり、上りも急勾配でかなりタフなコースだ。

Photo : Mitsuhiro Matsuo

腕の痛みはあるものの、とりあえず試走に出るためにテーピングとロキソニンを投入して走ってみるが、段差を降りるとかなり痛みがでる。とにかく段差という段差をなるべく衝撃が出ないようにクリアして、前記のA/Bラインは、もちろんBラインを選択して走れば、ロキソニンも効いてきてなんとか走れることがわかった。

翌土曜日も同様にテーピングとロキソニンのおかげで、試走することができたものの、夜には腫れと痛みがひどくなり、レース参戦の有無は直前に判断することにした。

バイクセッティング

5月の八幡浜国際で、驚異的な性能を体感した新型ANTHEM ADVANCED PRO 29ERに、この修善寺のコースを走るためにドロッパーポストを導入。選んだのはFOX TRANSFER SL Performanceで、理由は軽量だから。ただし、軽量性に特化した製品だからか犠牲にしていることもあり、製品の一長一短を身をもって今回感じた。

ドロッパーポストを使っての感想は「なぜ今までつかわなかったのか」のみで、特に修善寺のコースはドロッパーポストがあることで、より安全に確実に走行できるので、前記の恐怖心をだいぶ和らげてくれた。

フロントフォークのエア圧は、腕の痛みを和らげるため通常よりも3bar落とした55barにセットした。

レースキット

Photo : Kazutaka Inoue

レース時間の予想気温は18℃だったが、左腕のテーピングがみっともないこともあり、メッシュの長袖ワンピ「ChampionSystem APEX サマースキンスーツ長袖」を選択した。このAPEXサマースキンスーツ長袖は237gと超軽量なだけではなく、10℃くらいから灼熱のロードライドまでカバーできる守備範囲の広さと、伸びが良くフィット感抜群でストレスをまったく感じない着心地が特長のお気に入り製品だ。

レース

Photo : @athlete_japan

このレース以前に怪我を負った選手、修善寺の試走で怪我をした選手が数名いる中で、走れるなら途中まででも走ろうと思いスタートラインへ並ぶ。
八幡浜でゲットしたUCIポイントのおかげで、ゼッケン11番、2列目に並ぶことができた。真後ろに平林安里選手がいるのをみて、別の意味で心拍数が上がる。

Photo : Kazutaka Inoue

レースは1周4.1kmを7周回で争うが、イタリア選手権2位、世界ランク38位のユーリ・ザノッティ選手がいるレースでもちろん完走できる見込みはほぼなく、4周できるかどうかが分岐点になると事前に試算した。

Photo : Kazutaka Inoue

五輪コースかつサイクルスポーツセンター(CSC)が会場のこともあり、スタート後は長く広いストレートを走った後、舗装路で上りをこなすため、思ったよりもペースは速くない。しかし、上りの頂上に近づくにつれてペースアップして集団は縦に伸びていき、自分は15番くらいで本コースの下りに突入する。

Photo : Kazutaka Inoue

レースを走ってみると、細かなミスやエスケープラインでタイムを失うものの、フィジカル区間ではカラダの切れはよく、まずまず走れている。

Photo : Kazutaka Inoue

事前にトレイルで2回しか試せなかったドロッパーポストの使い方も、修善寺の試走でマスターできて使いこなせている。何回か前後サスのロックアウトレバーと誤操作してしまったので、全日本選手権までには、2つのレバーの角度や位置を変更して、同じミスがないようにはしたい。

Photo : @athlete_japan

ラダーが設置されたままの「サクラドロップ」(通称マチュードロップ)は、3月のトレーニングライドでは飛ぶことができたが、減速して普通にラダーを下るだけなので手の痛みも失敗のリスクもなし。ただ写真が残念。。

Photo : @athlete_japan

「浄蓮の滝」と「枯山水」のBライン走行で約10秒ほど差を付けられて、その他の区間で穴埋めすることを繰り返しながら12位まで上がり鬼門の4周目を迎える。

「チョップスティック」に向かう上りで前方に詫間選手(NESTO)と小林選手(prologue)が視界に入る。下りではミスをしないように、上りではプッシュして前を追うが、4周目終了時点の80%ルールで10位の小林選手からカットされてレース終了。

Photo : Kazutaka Inoue

予想通り完走はできず、予想通り4周目終了時点でレースを終えることになってしまったが、目標の15位以内でUCIポイントを獲得できて、怪我無く走り切ることができたのは良かった。全日本選手権に向けてコースを覚えることができたし、世界最高峰の走りを見ることができたのも収穫だった。

Photo : Kazutaka Inoue

ここ修善寺CSCのコースは、とても難しいが走り応えがあり、このようなコースで練習やレースをできる環境ができれば、日本人選手のスキルや経験値を高めることができて世界との差もすこしづつ詰めていける可能性があるんじゃないかと感じた。採算性など課題は多いものの、制作済みの環境を上手く活用していける仕組みづくりができないか、MTB(自転車)業界全体で考えていければと感じた。

このJAPAN MTB CUPから5週連続でレースが続く。
翌週、翌々週は、シクロクロスのJCX第2戦幕張クロス&JCX第4戦野辺山シクロクロスレースでフィジカルを刺激してコンディションを上げて、3週間後のMTB全日本選手権には万全の体制で臨みたい。

リザルト

1: ユーリ・ザノッティ(BMC MTB RACING) 1:27:00
2: 平林 安里(TEAM SCOTT TERRA SYSTEM)    +1:04
3: リヤド・ハキム・ビンルクマン(Singapore National Training Squa)+8:55
12: 斎藤 朋寛(RIDELIFE GIANT) -3 Laps
完走5名 / 出走32名

使用機材

Bike : GIANT ANTHEM ADVANCED PRO 29ER (S size)
F.Fork : FOX Float Factory SC 34, 55psi
Comp 全閉から13Click戻し, Reb 全閉から9Click戻し
R.Sus : FOX Float Factory Remote, 120psi Reb 全閉から10Click戻し
Tire : MAXXIS RECON RACE 2.25 1.20(F&R)
RaceKit : Champion System APEX サマースキンスーツ (2-Piece)
Rider Weight : 53.5㎏


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