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またしても、……!?

熊谷守一で思い出したので書くことにする。

ある日の夕方のこと、早めに家に帰った時の事。夕刊を取り忘れたことに気づいて、玄関のドアのところに行き新聞を手にして戻ろうとした時、ドアのところに何やら小さな光の輪が。またしても、ミステリーサークルか !?。

はじめは何か分からなかったのだけれど、しばらくして気付いた。玄関のドアの覗き穴(あんまり嬉しくないね)から入ってきた夕日が映り込んでいたのだ。熊谷守一最晩年の「朝のはぢまり」や「夕暮れ」にちょっと似ている。彼もこんな風に見えたのだろうか(?)。

ずっと違和感のあったのぞき穴(もっと嫌いなスチールドアに小さくあけられている)も、時に面白いことをやってくれる。で、思わずカメラを取りに走り、写真を撮ったわけだけれど、あんまり上手く撮れないのが残念(実際の百分の一ほども美しくないのだ)。「デジカメはオートで撮るべし」*との教えを忠実に守っているのだけれど、なかなかむづかしい。

ところで、一つ前の中の「熊谷守一は猫派」というのはどういうことだったのだろう。彼が猫好きで猫の絵をたくさん描いたことは知っているけれど、そういうことではないはず。彼は「夕暮れ」を自画像でもあると言ったようだから、もしかしたら、これは明確に区別された「他者」に「自己」を見出していることであり、すなわち「他者は時々現れる自己の附属物」ということに結びつくのだろうか。それとも、彼の絵のわかりやすさとわかりにくさの共存が猫に似ているということでもあるのか。(F)

*田中長徳 「デジカメだからできるビジネス写真」岩波書店 2002/01

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