悲しき願い

順番に言えば、まずマフラーが落下し、次にLPプレイヤーが不調になって、さらには洗濯機がおかしくなったのだ(その前に「あなたが……」、という冷やかしは無し)。

踏んだり蹴ったり。

最後の洗濯機は、ドアを閉めても、洗濯が始まらず「ドアが閉まっていません」というアラートが出るのだ。メーカーのサポート窓口に電話すると、原因も明らかで、比較的安価に修理できそうだったので来てもらうことにした。

来てくれたのは修理を請け負う契約会社の人だったが、ちょっと点検したあと、修理はできるけど、「そのうち、フィルターやモーターがダメになる可能性がありますよ。外れかかっているし、ほら音も大きいでしょう」と言う。そして、それらの部品はもはやないので修理不能。したがって買い換えた方がいい、クーポンもあるし……と続いたのだ。

で、結局出張費を払っただけで、帰ってもらうことになった。

ま、12年ものだから、仕方がないと言えばそうだけれど、修理ができないというのはちょっと変ではあるまいか。だいたい今は、修理するよりも買い替えを勧められることが多いし、その方が却って安くつく場合も少なくないようだ。一方で、省エネルギー、省資源という時代的要請もある。しかも、メーカーが修理をしないものを直す職人さんもいるようなのに、なぜメーカーがやらないのか(そう言えば、LPプレイヤーだって、メーカーは修理をしないから別の専門会社の人にお願いしたのだった)。あり余るほどものが溢れた、豊かな時代というやつの弊害なのか。

12年ものというわけではないけれど、ワインをこぼしたついでにグラスを割ってしまうし……。まさに、負の連鎖。このところ近辺で、ちょっとした話題になっている「マーフィの法則*」にもありそうだ。

おまけに、この他にも公私共々嬉しくないことが続いている。つい「みんな俺らが悪いのか**」と呟いてしまうのだ。やれやれ、こうなると、神頼みでもするしかないのか。(F)


* 相変わらずアラートは出るものの、数回電源を切ったり入れたり、開閉を繰り返すと、ちゃんと動く状態が続いている。ちょっと早まったかと思うけれど、もう注文してしまった。
**「最悪の時ほど、次の不幸が追い打ちをかける」というのがあった。なるほどね。マーフィの法則の第5法則らしいです。
***尾藤イサオが歌った『悲しき願い』の一節。あのニーナ・シモンがはじめてレコーディングしたようだけれど、ヒットしなかった。その後、『朝日のあたる家』で知られるアニマルズが流行らせた。カバーしたのは、たぶん、こちら。

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