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【ドル円上昇⇒下降に転じるか!?為替介入/FOMC/雇用統計振り返り】4月29日週振り返り 5月6日週シナリオ

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先週の相場振り返りからご覧いただくと
より理解しやすいかと思います↓


今週はGWの中、相場は色々慌ただしいこととなりました。為替は政府の介入が入ったり、FOMCがあったり、雇用統計やISMなど米指標もちらほらあったりと。。米金利は金利高⇒金利安へと分岐点になりつつあり、一方で米株式市場は久しぶりにポジティブな週となりました。様々な相場材料がありましたので少しややこしいと思われた方もいらっしゃるかと存じます。この記事を通して現状の整理と今後の見通しにお役に立てればと思います。


米国経済


FOMC


FRBパウエル議長

今回の会合で政策金利5.25-5.50%の据え置きは予測通りで、市場が注目していたのは声明文や最近のインフレ率高止まりに対するパウエルの発言でした。

以下パウエル発言と声明文になります。

インフレは依然として高すぎるし、今後の進展も保証されていない。
インフレは過去1年間で大幅に緩和されたが、依然として高すぎる。
強い政策スタンスがインフレと経済に下向き圧力をかけている。
インフレリスクには非常に注意している。
労働市場は依然として比較的タイトだ。
名目賃金の成長は過去1年で緩和されたが、労働需要は依然として供給を上回っている。
今年受け取ったインフレデータは予想よりも高かった。
長期的なインフレ期待は依然として安定している。
インフレが2%に戻るという確信を持つまでは、金利を引き下げることは適切でないと考えている。
今年のインフレ読み取りは、それより大きな確信を与えてはいない。
量的緩和(QT)のペースを緩めることは、我々のバランスシートがそれ以外の場合よりも縮小することはないという意味ではない。
総ポートフォリオの減少は月に約40億ドルになる。
金利を引き上げるためには、政策が我々の目標にインフレを抑えるのに十分ではないという証拠を見る必要がある
インフレ目標に達するためには、賃金成長がより持続可能なレベルに緩和される必要があるかもしれない
(今年3回の利下げについて尋ねられた際)インフレに対するより大きな確信が必要であり、第1四半期に進展は見られなかった。
インフレに対する確信が得られたら、金利の引き下げが検討されるだろう。
3%のインフレには満足していない。
時間がかかるかもしれないが、インフレを2%に抑えるだろう。
利下げの道筋もあり、データ次第だ。 二大目標を見た場合、どちらかが目標から遠ざかっているなら、そちらに焦点を当て、これまで物価に焦点を当ててきた。す。 インフレ率が12ヶ月ベースで3%以下に低下した今、私たちはもうひとつの目標、雇用に焦点を合わせつつある

パウエル発言


声明文には、保有国債の償還上限を600億ドルから250億ドルに引き下げし、今後QT緩和をしていくというハト派的なスタンスを示しています。しかしインフレ退治に手を焼いていることも事実であり、利下げに向けてはまだ時間がかかるというタカ派的なスタンスを取ったものの、追加利上げの可能性はほぼ否定しています。

今回パウエルの発言で重要だったことは、基本的にはインフレデータを重視するが、FRBのもう一つの目的でもある雇用にも重点を置くということです。イメージ的にはインフレ>雇用ではありますので、インフレ率2%にう向けて低下していけば利下げは可能ですが、雇用や賃金が鈍化してくれば利下げに踏み切る判断材料になるということです。もちろん利下げに対して慎重なスタンスでいることに変わりはありませんが。

今回のパウエル発言でやや金利安へと触れましたが、私自身は中立だと考えているので、引き続きインフレや雇用などのデータに注意を払うべきでしょう。




雇用統計

失業率:結果3.9% 予測3.8% 前回3.8%
非農業部門雇用者数:結果17.5万人 予測23.8万人 前回31.5万人
平均時給:結果3.9% 予測4.0% 前回3.8%

失業率
雇用
賃金

全て下振れとなり総じて悪い結果となりました。しかし市場にとってはこの悪い結果は良い結果(ポジティブ)となり、金利は低下/株価は上昇となりました。ややインパクトある結果となり、市場では年内の利下げ見通しが1回⇒2回へとなり、最速で9月の利下げが織り込まれています。

しかし最近の市場は単発の情報に踊らされることが多く、雇用統計では確かに利下げに向けての良い材料となりましたが、まだ単発のデータですし、最も重要なインフレデータはここ最近高止まり傾向がありますのでまだ油断ならないと思っています。それゆえに金利安を織り込み過ぎることもないでしょう。

Fed Watch Tool




その他米指標


〇米雇用コスト指数

1Q雇用コスト指数 結果1.2% 予測1.0% 前回0.9%

四半期に1度公表され、賃金動向を確認する指標です。これがややインパクトある上振れとなり、インフレ懸念が心配されました。四半期に一度のデータなので雇用統計などと比べる比較的取得範囲は広いです。よってこれがどこまで影響するかは未知数ですが、パウエルが重要視していたこともあり市場はやや反応しました。

雇用コスト指数


〇ISM製造業/サービス業

ISM製造業景気指数 結果49.2 予測50.0 前回50.3
ISMサービス業景気指数 結果51.3 予測50.9 前回51.7

全体の景況感として、製造業は予測値前回値より下振れで節目である50を割り、サービス業は予測値より上振れはしたものの前回値よりは下振れで節目の50を上回りました。なかでも注目されたのは双方の支払価格です。

製造業支払価格 結果60.9 予測55.5 前回55.8
サービス業支払価格 結果59.2 予測55.0 前回53.4

どちらも乖離ある上振れとなりサプライズでした。雇用統計の賃金指標では右肩下がりに鈍化しているものの、インフレ懸念を払しょくするには力不足であり、翌週のミシガン大学のインフレ動向や、更にその翌週のCPIが要注目となってくるでしょう。

製造業 支払価格
サービス業 支払価格


今週は雇用や賃金、インフレなどかなり重要な材料が多かったですが、ざっと振り返ると雇用は弱くなってきているが、雇用コストや製造/サービス価格が上振れており、インフレに対する懸念は払しょくされず安堵できない状況であるといえます。



米金利

今週の米金利は、米2年債金利5.04⇒4.76(値幅0.28%)、米10年債金利4.69⇒4.44(値幅0.25%)の金利安となり、今年で一番の下落率となりました。今週は様々な材料があり、特にFOMCと雇用統計で大きく金利安へと触れています。

米10年債金利 1週間チャート


次は週足での2年債、10年債チャートを見てみましょう。

2年債週足チャート
10年債週足チャート

2年債の最高値5.25⇒4.80(0.45%の下落)10年債の最高値5.0⇒4.5(0.50%の下落)であり、大体年内利下げ2回程度織り込んでいる状況でございます。

これまで市場と長期金利との間にギャップが生じていましたが、徐々にその差が埋まりつつあります。相場は織り込み過ぎる性質がありますので、もう少し下の金利安も想定はしています。しかしFRBメンバーのボウマン氏(FRB理事)やグルーズビー(シカゴ総裁)の発言では、年内利下げは1回程度とタカ的な声もありますので、再利上げ検討など出てくれば再度金利上昇もあり得ます。FRB内でも意見が分かれているのでここは着目しておくべきでしょう。

今後のデータにも寄りますが現時点では、「1回が現実的(今のところ)2回できれば十分、3回出来れば上出来」くらいのイメージです。予期せぬ事態が起こり追加利上げとならなければ、2年債5.25%、10年債5.00%は中期的な高値となりそうです。

短期的なことでいうと、市場の織り込み具合や翌週FRBメンバーの発言によっては、もう一段下も想定しておくべきかとは思います。2年債だと4.55%、10年債だと4.35%を下限と想定しています。ただ米金利安も比較的安定した水準に来ていると思いますので、翌週は材料不足であることから小幅な推移を想定します。


※ちなみに金利には大まかに短期金利長期金利があり、短期金利は期間1年未満の金利を指し、長期金利は期間1年以上の金利を指します。ここでいう短期金利とは政策金利を指し、長期金利とは2/10/30年債金利を指します。
2年債金利は2年後の金利の動きを表し、10年債金利は10年後の金利の動き、30年債金利は30年後の金利動向を表すといわれています。
機関投資家やファンドがよく見ているのが10年債金利ですが、その時の相場状況に応じて2年債や30年債を見ることもしばしございます。



米国株

ダウ30
NASDAQ


今週は、FOMCでのQT緩和雇用統計下振れでの金利安好調な米決算からポジティブな材料だったかなと思います。ダウ30は週1.14%NASDAQは週1.43%の上昇でした。ここ1カ月ほど調整局面に入っていた米国株ですが、再び勢いを取り戻しそうな状況となります。ただし雇用コストや支払価格の増加などからインフレリスクも懸念されますので、気持ちよく買われにくい日もあるかと思います。加えてエヌビディアやウォルマートの決算も控えていますので、特に半導体関連の企業決算や見通しには敏感に反応します。翌週ミシガンや翌々週にはCPIとまだ材料残っていますので、その中での株価のパフォーマンスには着目したいと思います。



ドル円


今週は週足値幅833pipsと過去を見ても異例の週値幅でした。週明け早々に160円を付けに来た後、約5円の急落となりました。この下げ方は利確による売りもあると思いますが、皆さんもご存じの通り為替介入によるものだと思われます。実際のところは財務省が5月29日に発表するので定かではありませんが、日銀当座預金のうち5.5兆円の増減があったことからほぼ間違いないと思われます。そしてその1回だけでなく、あと2回実施していると個人的には思っておりますが、一度時系列毎に振り返ってみます。

植田総裁会見で円安の煽り 4/26

イエレン米財務長官の介入についての牽制による円安進行 4/27-28

160円での突如の為替介入① 4/29日本祝日

欧州時間に戻してきたところを再度介入② 4/29 16:00

FOMCでQT緩和がややハト的に捉えられ、米金利安気味に

FOMC直後、朝5時と相場参入者が少ない薄い相場を狙っての為替介入③ 5/2 朝5:00

日足3円下げ(ドル安も多少ありますが、円高が強いです) 5/2 日欧時間

まず、介入での下落は大体5円程度です。そしてこの一連の流れを振り返るとまるで事前に敷かれたレールの上を辿っているように思えます。笑
為替介入だけだと押し目を狙われドル円の戻しも早かったと思います。ただ米国のFOMCや雇用統計のファンダメンタルが要因でドル円に下押し圧力がかかりました。ここまで日銀が想定していたとしたら末恐ろしいですね。笑

今後のドル円の推移としては介入警戒と米金利高織り込み上値は重たくなってくるでしょう。今週は雇用統計後の短期金利安織り込み、ISM製造業価格の上振れ、テクニカル的にもトレンドラインや152付近の抵抗体は堅かっので反発はしているものの、翌週から米金利安がもう一段下げるなら、ドル円も引っ張られるので先週付けた安値の151.830はそこまで堅くないと思っております。つまり中期的に保有できる美味しいポイントではないという意味です。

ただし翌週にいたっては目立った材料もないので、短期で上下狙えるかなと思っています。下限は150.000、上限は155.000のレンジ幅の予想です。




ユーロドル


米金利高織り込みではありますが、ユーロの利下げもそろそろ本格化してきますし、経済状況を見てもいまだ米>欧州ですので、中期的には下降トレンドの想定です。しかし短期的には米金利安になる可能性も充分あり得ますので、その際はユロドルも反応して上昇してくるでしょう。米時間が金利安リスクオンなら尚更です。

よって米金利や値幅、時間帯を見ながら戻り売りを狙っていくシナリオになります。テクニカル的にはチャネルラインの1.08500は一旦の売りポイントと想定します。米金利安の織り込みで売るのが理想ですね。ただし米金利安リスクオンが強ければもう一段上の1.10000までの上昇も想定出来ますのでここは臨機応変に立ち回りたいと考えています。




5月6日週シナリオ


今週は特に目立った指標はありませんが、失業保険申請件数とミシガン大学のインフレ期待は多少注目され、乖離があれば値幅が出る想定です。

あとは米国債の入札やFRBメンバー発言などによっては米金利が反応するかもしれませんので、短期的な揺さぶりには注意が必要です。

しかし一旦大きな重要材料は出尽くしで翌々週のCPIに注目が集まる為、相場もここらで一旦小休憩に入るでしょう。大きく見て小幅な動きを想定します。

GWは皆さま休養出来ましたでしょうか?7日からお仕事再開の方がほとんどだと思いますが、次はお盆に向けて一っ走り頑張りましょう!今回も最後までご覧いただきありがとうございました😌✨




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