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『上昇トレンドと下降トレンドでは戦い方を変えろ』

以前このマガジンの中で、『相場付きで戦略を変える』という記事を書きましたが、今回はFXトレードにおける「上昇トレンド」と「下降トレンド」での戦略の違いを解説したいと思います。


【上昇トレンド・下降トレンドの特徴】

相場付きは、大きく4つに分かれます。(①上昇トレンド相場・②下降トレンド相場・③レンジ相場・④法則性なし相場)
相場付きの特徴

①上昇トレンド相場

上昇トレンド相場の特徴は、前日の高値を超えやすく・前日の安値を割り込まないという傾向があります。また、上げ材料に反応しやすく、下げ材料に反応しにくいという性格もあります。また、上昇トレンドの速度は下降トレンドより、時間をかけてゆっくり上昇する傾向があります。

②下降トレンド相場

下降トレンド相場の特徴は、前日の高値を超えにくく・前日の安値を割り込みやすいという傾向があります。また、下げ材料に反応しやすく、上げ材料に反応しにくいという性格もあります。また、下降トレンドの速度は上昇トレンドより、早く(急速に)下落する傾向があります。

③レンジ相場

レンジ相場は一定期間、ある高値とある安値の間で平行に上下する相場です。

④法則性なし相場

法則性なし相場は、①②③の法則にあてはまらず、予測が立てにくい相場の事で、トレードには不向きな相場といえます。

【上昇トレンドより下降トレンドの速度が速いのは】

相場付きの解説で、上昇トレンドより下降トレンドの方が、速度が速いと解説しましたが、明確な理由はわかっていません。
個人的見解ではありますが、引力がそうさせるのはないかと考えています。
人間は引力に逆らって高い建物や神仏を作る傾向があります。そして、高ければ高いほど、高いものが崩れる恐怖も高まると考えています。
相場も同様に、価格を吊り上げ高値を付けたいという願望に比例して、下落に対する恐怖心が膨らんでいくので、一旦下落し始めると、我先にと売り決済する事が、下げ足が早くなる原因ではないかと考えます。

【上昇トレンドの戦い方(ドル円)】

ドル円における上昇トレンドの戦い方で、考えるポイントとしては
①長い上昇トレンドであれば、出来るだけ利幅を伸ばしたい
②ドル円買いのスワップ・ポイントは、現在受け取り
③上昇トレンドは、ゆっくりと新高値を更新する
④調整の下げ(押し目)なのか、トレンド転換などを見極める
⑤いつか上昇トレンドは終了する

これらのポイントを考慮すると、エントリーポイントがドンピシャではなくても、スワップ・ポイントは受け取れるので、売買差益+スワップ・ポイントを計算した戦略となるので、中期的戦略が望ましいと考えます。
また④に遭遇した際は、一時的な両建(売りは短期間)を使う方法もあります。押し目でなくトレンド転換であれば、両建のポジションを合わせて決済するのもありです。また、この時の両建の売りは、利益を狙うものではなくあくまでヘッジなので、売りだけを利食いしないで、両建の売りポジションがマイナスになった時点で損切りと考えた方がいいと思います。上昇トレンドに遭遇するチャンスは少ないので、出来るだけ利幅を伸ばすことを考えましょう。

【下降トレンドの戦い方(ドル円)】

ドル円における下降トレンドの戦い方で、考えるポイントとしては
①ドル円売りのスワップ・ポイントは、現在支払い
②長い上昇トレンドであっても、小刻みに利益を狙う
③調整の上げ(戻り)なのか、トレンド転換などを見極める
④いつか上昇トレンドは終了する

これらのポイントを考慮すると、下降トレンドとなった場合は、長期戦は考えたくありません。理由は支払いスワップ・ポイントです。ドル円の売りポジションで我慢している期間分スワップ・ポイントの支払いは大きなダメージです。下降トレンドの性質上、下がるのであれば一気に下落する事が予想されますので、長く保有するのではなく、小刻みに利喰う短期が良いと思われます。
③に遭遇した場合、上昇トレンドでは両建もありと解説しましたが、下降トレンドの場合は早めの損決済で、売りなおした方がいいと思います。

【最後に】

ドル円売りの戦略が長期戦になると、スワップ・ポイントの支払いが、かなり重荷になります。FXの特徴を理解した上で、相場付きでの戦略を変える方がいいと思っています。

今後も、FXの解説・分析をしながらトレードスキルをUPさせるために、トレードアイディアを交えながら配信を続けていきますので宜しくお願いいたします。

執筆 FXエバンジェリスト 遠藤寿保
日々変動するマーケット情報はX(旧Twitter)で配信しています。
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