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ジュリエットは死なない

今すぐこの世界から居なくなりたくて、みんなの記憶から私が消えてしまいたくて堪らない時がある。
ただひとり君を除いて。
このまま私は死んだことにして誰も私達を知らない街で君とひっそり息をしたいとか。ちょっと思う。
小さな家で潮風を浴びて、ご飯を作って、洗濯を回す。小さな花が咲いたらそれを幸せだと言って暖かいシャワーを浴びて君の腕の中でぐっすり眠りたい。そんな夢。
私達の季節が終わろうとしている。
すぐ泣いてしまう君の横でどうしたらいいか分からない私はいつも何も言えないけど、たった一回だけ約束をしたことがある。
君が死にたい時は一緒に死んであげる。
君は困った顔をしていたけど私は本気だよ、これが私の愛だから。

でも君はそれを望まないよね。

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