TORYUMON元代表インタビュー 伊藤颯吾
「イベント運営はVC業務の擬似体験」ーーTORYUMON元運営代表インタビュー第1弾
F Venturesでは年2回、U25世代向けスタートアップイベント「TORYUMON」を実施しています。先輩起業家によるトークセッションや、若手起業家が多数登壇するピッチイベントを実施するイベントです。2017年3月に福岡で第1回目を開催して以来、2024年2月の「TORYUMON TOKYO 2024 Winter」で20回目を迎えました。年々来場者数は増え、今では約400名を超える規模となっています。
そしてこの「TORYUMON」を主体となって運営しているのは、F Venturesのインターン生です。セッションの企画をはじめ、協賛企業への営業、イベントの広報活動、ボランティアの取りまとめ、当日の運営まで、すべてを担っています。
そこで今回は、2024年12月ごろ開催予定の「TORYUMON TOKYO」の運営代表を務める青木優都が、以前に運営代表を務めた3人の先輩方にそれぞれ、F Venturesに入ったきっかけや「TORYUMON」の魅力、そしてそれが現在の活動にどう生きているのかをインタビューしました。
最初に話を聞いたのは、2022年12月に開催した「TORYUMON TOKYO 2022」の運営代表を務めた伊藤颯吾さんです。
SFCの進学を機に上京、数社でのインターンを経てF Venturesへ
青木:今日はよろしくお願いします。まずは自己紹介をお願いできますか?
伊藤:F Venturesアソシエイトの伊藤颯吾です、よろしくお願いします。2002年に岐阜で生まれ、2021年に慶應義塾大学の湘南藤沢キャンパス(SFC)への進学を機に上京してきました。
大学に入ってからは、まずはスタートアップ数社でインターン経験を積ませていただきました。そして1年生の終わり頃に、代表の両角に拾ってもらい、F Venturesのインターン生になりました。
当初は、イベント業務やリサーチ業務などを担当していました。2022年冬のTORYUMON運営代表を経験させていただいたのち、2023年からはアソシエイトとして新規投資やファンド管理業務などを担当させていただいています。
F Venturesに入ったきっかけ
青木:F Venturesに入ったきっかけはなんだったのでしょうか?
伊藤:F Venturesに入ったのは、両角のインターン募集ツイートを見て、DMを送ったことがきっかけです。もう少し手前の、VCに興味を持ったきっかけとしては、大学の授業のゲストだったVCの方に「VCってこんな感じですよ」というのを教えてもらったことでした。
元インターン先のスタートアップもVCから資金調達をしていたので、存在自体は知っていたのですが、そこで初めてしっかりとVCについて知って、興味を持ちました。
当時、並行して色々な会社でインターンをさせていただいていたのですが、何か1つに集中して取り組んでみたいという気持ちもあって、VCのインターンのみに集中して挑戦したら面白いかなと思い、募集を探し始めました。
タイミングが良いことに、ちょうどF Ventures代表の両角が「インターンを募集します」というツイートをしており、それに対してDMを送ってみたというところから、お世話になることになりました。
F Venturesを選んだ理由
青木:いくつかVCがある中で、F Venturesを選んだ理由はなんだったのでしょうか?
伊藤:一番はやく決まったからですね(笑)。というのは半分冗談で、お世話になるのであれば、同年代の若手の起業家の方にシード投資をしているVCが良いな、と思っていました。
そういった軸で、実は5社ほど応募はしていたのですが、その中でも特に良いなと思っていたF Venturesが、比較的はやく「いいよ」と言ってくださったので、という経緯です。
F Venturesにジョインした当時の業務
青木:F Venturesにジョインしてからは、これまでどういった仕事をしてきましたか?
伊藤:最初はイベント運営やリサーチが大部分でした。当時は、2022年6月開催の福岡でのTORYUMONの準備時期だったので、そのサポートをしたり、プレイベント準備をしたり、といった仕事をしていました。
TORYUMONのイベントでの業務
青木:TORYUMONのイベントではどのようなことをしましたか?
伊藤:先ほど触れた通り、最初に関わったのは2022年6月のTORYUMONで、その後は、2022年12月回は運営代表を、その後の2023年7月回と直近の2024年2月回は、サポート役をさせていただきました。合計で4回経験したことになりますね。
最初の2022年6月回では、プレイベントを1つ任せてもらったのと、メインイベントのサポートをしていました。
運営代表を担当した2022年12月回に関しては、かなり広い範囲を任せていただきました。会場の決定、登壇の依頼や調整、スポンサー営業、ピッチの選考など、かなり大変だった記憶があります。ありがたいことに、地方開催のプレイベントも2つ行わせていただいたので、ますます大変でしたね。(笑)
その後の2023年7月回と2024年2月回に関しては、過去の運営代表の経験者として、現役の運営代表の相談に乗るなど全体をサポートしつつ、ピッチの選考や、登壇者のアテンドなどを主に担当していました。
TORYUMON運営代表と学業の両立
青木:運営代表を務めたときのイベントは、大学にも通いながらだったんですよね?
伊藤:そうですね。今も大学4年生で大学に通っていますが、当時は2年生の後期で、週3日ぐらいは大学に行って勉強していました。また、今は投資先になってるスタートアップのお手伝いもしていたので、TORYUMONと大学とそのスタートアップと並行しながらやっていました。
青木:大変だったんじゃないですか?(笑)
伊藤:そうですね(笑)。TORYUMONの当日が近づくにつれてますます忙しくなっていったので、直前期はさすがに少し辛かったですが、当時のインターン生などみんなに支えてもらいつつ、なんとかやり切ることができました。
TORYUMONの運営で印象的だったこと
青木:TORYUMONの運営をしていて、印象的だったことあれば教えてください。
伊藤:それまでスタートアップのイベントに関わることがなかったこともあって、「こんなに若くて優秀な人たちがいるんだなぁ」とか、「登壇者の皆さんすごいなぁ」と思ってましたね。上京してきた人が高層ビルを見上げているような、そんな気持ちだったかなって。(笑)
運営代表をやっている時は、金額だったり人数だったり、それまで扱ったことのない規模の仕事だったので、新鮮かつ緊張感もありました。終わった後は達成感があったり、少し目線が上がったような感じがしたり、良い経験をさせていただいたなと感じています。
TORYUMON運営の経験から学んだこと
青木:そういった運営の経験から、学んだことなどはありますか?
伊藤:ここは僕から推したいポイントがあって「将来VCをやりたい人」におすすめです。なぜかというと、VCの業務を擬似体験して学べるからです。
具体的に挙げていくと、まずは登壇者やスポンサーやスタッフや参加者の方々と関わることで、自然とネットワークができていきます。VCはネットワークを作るところからスタートなので、スタートダッシュとして大きいかもしれません。
次に、スポンサーの方々へ営業も経験しますが、これはLP営業の擬似体験になると思います。扱う金額はさすがに桁が違いますが、自分で営業をして、少なくないお金をお預かりするというのは、貴重な経験になると思います。
また、そうしてスポンサーの方々からお預かりしたお金や、開催にかかる費用の管理も、自分たちを中心に行います。イベント運営というと、大した仕事でないように聞こえがちですが、1つの事業として自分たちで運営する経験は、意外と馬鹿にできないものだと思います。
あとは、ピッチ登壇者とのコミュニケーション、ブラッシュアップのサポートも良い経験になると思います。あくまでTORYUMONのピッチで評価されるには、という視点でのブラッシュアップのサポートにはなりますが、これは壁打ちやメンタリングと呼ばれるものの経験に近いと思います。
このように、VCの業務を擬似体験しながら学ぶことができると感じていて、VC志望の方におすすめしたいです。
また、起業家志望の方にもおすすめですね。たくさんのTORYUMON、F VenturesのOB/OGが、現在スタートアップ界隈で活躍されています。
起業にも繋がっている重要なポイントは、やっつけ仕事ではないこと、かなと思います。上から「これをやれ」と言われるわけではなくて、「じゃあ、あとよろしくね」と丸ごと投げられて、自分でどうにかするしかない、という状況に近くてですね….。
普通に学生をやっているだけでは直面しない規模の問題がやってきて、それを何とかするというのは、けっこう良い経験になるんじゃないかと思います。
アソシエイトとしての今の仕事と将来の目標
青木:最後に、今のアソシエイトとしての仕事と、その先で見据えているものがあれば、ぜひ伺いたいなと思います。
伊藤:最初の自己紹介でも少しだけ触れさせていただきましたが、今はアソシエイトという役職で、新規投資やファンド管理やファンドレイズなど、人数が少ないこともあって、幅広に担当させていただいています。
今後の展望としては、経験値を貯めて成長していきながら、F Venturesがより良いファンドになっていけるよう貢献していきたいと思っています。
今はVCのインターンもそうですが、新卒の枠がかなり増えて、若くしてVCをやっている方が多いですよね。
つまりはライバルが多いということなんですが、僕はありがたいことに、比較的はやい段階から、幅広にVCの実務に触れさせていただいていますから、しっかりと結果を出さなければいけないと思ってます。
まずは、同世代の中で一番だと評価していただけるよう、謙虚さを忘れず、日々取り組んでいきたいと思います。
青木:ありがとうございました。
インタビュアー / TORYUMON運営代表 青木優都