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【FV Family vol1】タイミーの九州事業拡大を背負う坂田氏が語る支社の軌跡とこれから

初めまして、F Ventures インターンの堀越です。
これから、日々挑戦し続ける起業家や、スタートアップで働くF Ventures投資先の皆さんのことをもっと知ってもらうべく、F Venturesの投資先の方々にインターンがインタビューをする -FV Family- というインタビューマガジンを更新していきます!

第1弾はタイミー九州支社の支社長である坂田優也さんへのインタビュー。
支社長としてのお話や自らの経験をもとにした学生への思いを聞いていきます。
※今回は新型コロナウイルスの影響を受け、オンラインにてインタビューを行いました。

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プロフィール
坂田優也(さかたゆうや)
1991年4月生まれ
福岡県福岡市出身
筑紫中央高校出身
佐賀大学経済学部卒
タイミー九州支社長
タイミー(Timee,Inc 代表 小川嶺)とは
空いた時間に働きたい人と、すぐに人手が欲しい企業をつなぐスキマバイトアプリ「タイミー」を提供している。学生起業後約1年で20億円を調達。現在東京、関西、福岡、東海でサービスを展開中で、利用者は100万人を超える。昨年、橋本環奈を起用した初のテレビCMも放送された。

学生時代の経験がタイミーへの入社に繋がった

堀越:まずはタイミーに入社するまでの経歴を教えてください。

坂田:大学卒業後は証券会社に入社して3年間大阪で勤めていたんですが、このままここで自分の人生を終えていていいのか?とふと思い、起業しようと勢いだけでノープランのまま上京しました。
学生時代の友人とビジネスを興そうと4畳半のアパートに2人で住み込み四六時中アイディアを絞り出し奮闘していたのですが、時間とお金だけが費やされあっという間に資金が底をついて断念しました(笑)

当然、会社員でもないただの無職なので与信もなく家すら借りることができずに知り合いの家を転々とするドン底生活が続いていたのですが、そんなとき前職の代表と出会い拾ってもらいました。
なんのスキルもない勢いだけの自分を雇い入れ、本当に多くの経験をさせてもらいました。今の自分はこの2年半の経験から形作られていると言っても過言ではないです。本当に感謝してます。

その後タイミーへ入社することになりました。きっかけは、前職のベンチャー企業のファイナンス面をサポートしていたタイミー副社長の川島でした。
その縁から声をかけてもらい、タイミングよく福岡支社の立ち上げの話が出ていたので是非とも担わせてもらいたいということでジョインしました。

堀越:なるほど。他にジョインした理由などはありましたか?

坂田:大きく2つの理由があります。
1つは、タイミーというサービスを地方で展開・浸透させたかったからです。
私自身もそうだったのですが、九州の学生は良く言えば郷土愛が強く、九州外に出るきっかけがあまりありません。大学進学の際も、就職の際も、九州外という選択肢は除外されているケースが多いのがその一例です。
そこで自分自身が地方の大学出身者ということでロールモデルとなり、タイミーをきっかけに1人でも多くの学生に九州外へ飛び出す魅力やキャリアを発信できればと思っていて、実際に大学の講義や学生向けイベントには積極的に参加させてもらってます。

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(昨年200人の学生が参加したTORYUMON福岡で「キャリアとしてのスタートアップ」に登壇)

2つめは、タイミーを通じて労働環境を改善したいと思ったからです。
大学時代4年間飲食店でバイトをしていたのですが、その期間に3名の社員さんが過酷な労働環境が原因で退職する姿を見てきました。
タイミーがあれば、もっと社員さんの休憩時間や休日を創り出すことができると思っています。これは飲食店に問わずどの業種でも言えることです。
時代の流れとして労働のあり方が変わっていく中で、タイミーが社会に貢献できる部分はたくさんあると思ったのでその一翼を担いたいと思いました。

全国へ広がるタイミーの成長の裏側

堀越:タイミーは国内スタートアップの中でも、トップクラスの成長度を誇っていますが、その理由は何だと思われますか?

坂田:働き方や市場環境を含め、時代にジャストフィットしているということは大前提だと思うのですが、間違いなく言えることはそれ以上にメンバー皆のタイミーを拡大させたいという気持ちだと思います。
メンバー自身のタイミー愛が半端なく強いですし、なによりみんな本当に楽しそうに働いてます。いい意味であんまり働いてるという感覚はないんじゃないですかね?(笑)
とは言え、目標数値に対して「絶対達成をするぞ!!」という執着心は各々持っていて、その想いが集結して大きなパワーとなり、結果になっているんだと思います。

認知を広げるために「地域コミュニティに入り込む」

堀越:支社立ち上げの際、何から始めましたか?

坂田認知を広げることですね。支社の役割は担当する地域の「クライアント」と「ユーザー」双方のお役に立ち、サービスを広げていくことです。
立ち上げ当初立ち上げ当初の8月にうちのインターン生に西南学院大学でアンケートを取ってもらったら、160人中1人しかタイミーを知らなかったんですよ。東京発のサービスなので福岡ではまだ認知度が低いということは承知してましたが、コアユーザーである学生認知度がこの程度となるとさすがにこれはやばいぞ、と思いました。そこで学生が参加しそうなイベントにひたすら参加したり、各大学の学祭に行ってビラを配ったりと、学生と接点を持てる機会があれば片っ端から参加してました。

堀越:なるほど、認知を広めるというゴールからより具体的な行動を考えて実行していったのですね。
では企業側からの認知を高めるにはどのような事をされたのですか?

坂田:企業側からの認知を高めるためには、地域のコミュニティに入り込むことに徹しました。福岡という地域は良くも悪くもクローズドなコミュニティであると、大阪、東京での生活を経て感じていたので。
 具体的には、クライアントの多くが飲食店様だったので、地場の有名店舗が多く加盟している会合に積極的に参加させて頂き、とにかく顔を売り続けました。毎回会合後の懇親会では夜が明けるまでお酒を酌み交わし、先輩方に色々なことを勉強させてもらいつつ関係性を構築していきました。結果として、実際に導入頂いた企業様のご紹介と口コミで、連鎖的に認知度とともに利用店舗が増えていきました。

福岡ならではの支社立ち上げの苦労

堀越:お話を聞いていると、支社立ち上げは順調に進んでいたように感じるのですが、何か苦労したことなどはありましたか?

坂田:苦労した点でいうと東京で生まれたタイミーというサービスを福岡の「特性」に順応させることです。
例えばユーザーサイドの話でいうと、東京の学生って地方から出てきている人や一人暮らしの人が多いですし、生活コストも高いので「働く」ということに対して積極的だと思うんです。一方で福岡の学生は6〜7割ぐらいが実家暮らしなので無理して働いてお金を稼ぐ必要はないんです。それに加え、「1日限りのアルバイトで知らない人と働くことに抵抗がある」という特徴があることもアンケートを通じてわかりました。
それが故に、「稼げる」とか「スキマ時間で働ける」みたいなウェブ広告を流しても他のエリアに比べると圧倒的に反応が悪かったり。
このような理由から福岡のユーザーにタイミーを浸透させることは非常に苦労しましたし、未だに試行錯誤している部分もあります。

一方でクライアントサイドの話ですが、福岡は他のエリアに比べると飲食業界の構造が少し特殊なんです。他県から来られた方の福岡の印象って「食べ物が安くて美味い」とよく聞きますが、まさにその通りで、福岡って安くて美味い店がたくさんあるが故にナショナルチェーン(特に居酒屋)が不用意に進出できないんですよ。
つまり、東京だと1社で何百店舗運営しているチェーン店が多数ありますが、福岡はチェーン店が少なく、オーナーさんがこだわりを持って展開されてる3〜10店舗規模の素敵な店が市内に乱立してます。

なので、例えば300店舗に導入していただくという目標があって、東京であれば1社300店舗運営しているナショナルチェーンに導入いただければ達成できるのに対して、福岡であれば10店舗運営している企業30社に導入いただかないと達成できません。市場規模の違いや難易度の大小はあれど、営業コストという観点からこのギャップをどう埋めるかということには非常に悩まされました。

支社長としてタイミーを九州に根付かせる

堀越:現在の具体的な仕事内容を教えてください。

坂田現在、私は地場企業様との連携に注力しています。昨年8月に展開してきた当初は、ほとんどメンバーもいない状態だったのでほぼ全ての業務をこなし、時にはワーカーとして働きに行くこともありました(笑)
支社立ち上げから8ヶ月経ち、九州支社のメンバーは9名(社員4名インターン生5名)になりました。セールス・CS(カスタマーサクセス)・マーケティング・広報に部署分けをしてそれぞれが機能しているので、私自身の役割としては地場の企業様との連携(セールス)が中心となってます。
狙いとしては、より早く深く九州にタイミーを浸透させるためです。先程最初に取り掛かった事として言った「認知拡大」については行動の甲斐あって着々と広がってきたので、次の段階としては「信頼の構築」を目指してます。
例えば、これまで行ってきた西鉄バス様とのコラボレーションフリーペーパー誌ナッセとチャリチャリとの連携 、西日本シティ銀行様の口座管理アプリでの連携などがその例で、地域に根ざして連携を積極的に推進してます。

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スタートアップで得られる資産

堀越:坂田さんにとってスタートアップとはなんでしょうか?

坂田:一言でいうと、自分へ投資できる最高のフィールドですね。

例えば私の新卒の証券会社時代は、もちろん最初は金融や資産運用など業界知識がついてきて手にとって成長が感じられました。ですが1~2年くらい経ってくるとある程度やり方がわかってきて、同じことの繰り返しが多くなり、明らかに成長スピードが鈍化するんです。
もちろん大企業などスタートアップ以外でも自分次第では成長できる環境は多分にあると思いますが、スタートアップでは常に変わり続ける市場環境にその都度順応していく必要があり、その中でチャレンジと失敗をできる回数が格段に多いです。

人それぞれ資産ってお金はもちろん、時間やモノなどいろんな種類がありますよね。その中でも知識や経験、人とのつながりといった資産を、スタートアップでは圧倒的に得られると思います。スタートアップというのは、このような何にも変えられない資産を手に入れることできる最高の環境だと思ってます。

堀越:そんな坂田さんが個人として目指しているものは何でしょうか?

坂田:それこそこの8か月間であらゆる知識・経験が蓄積され、多くの人に出会うことで、いろんなものが見えてくるようになってきました。これを生かして、福岡という街の課題やホワイトスペース(既存のビジネスモデルが対応できていない事業領域のこと)を発見し解決できるようなサービスを展開していきたいです。

学生へのメッセージ

堀越:最後に学生へのメッセージをお願いします。

坂田:学生さんたちに伝えたいことが2つあります。
1つは福岡を県外から見てみてほしいということ。外から見ないとわからないことも多いし、離れてみたらさらに郷土愛がわくかもしれない。とにかく、いったん福岡を出てみてほしいです。
もう1つは、恐れずにチャレンジすること。経験してみないと選択肢が広がりません。
だから経験を積んで、人生のネタをつくってほしいですね。

また、チャレンジをどう始めればいいかというと、
・行動してみる
・人に会う
この2つですね。行動しないと何も始まらないですし、だれか1人にでも会って話せば、そこからどんどん連鎖していろんな人に会えたりします。

堀越:行動してみるといっても、何をすればいいのか分からない学生も多いと思います。そのきっかけを作るにはどうすればいいのでしょうか?

坂田とりあえず私のTwitterにDMしてください!とりあえずお話ししましょう!または、うちの学生インターンと話してもらってもいいですし、話をする中でタイミーで採用とはならなくても、他のスタートアップ仲間を紹介したりできるかもしれません。私のTwitterでは九州支社のチームのことやインターンのことをツイートしているので、それを見ればどんなことをしているのか、雰囲気などがわかると思います。

堀越:おお!これはチェックするしかないですね!

坂田:はい、ぜひぜひ!(笑)

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坂田さんのTwitterはこちらです!

【TORYUMONからのお知らせ】

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坂田さんが仰っていた「チャレンジ」の第一歩として、第7回TORYUMON に参加してみませんか?
2020年7月にオンラインで開催を予定しており、現在参加者絶賛募集中です!
《参加応募》

最後まで読んで下さりありがとうございました!これからもインタビュー記事を更新していくので是非読んでみてください!


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