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全裸金粉コマンド襲来

 過去だか未来だかわからない街。町並みは今時イメージする昭和レトロ。昭和三十年代辺りの雰囲気な木造建築。
 しかし遠くには手塚治虫の作品に出て来そうな未来都市と未来少年コナンのインダストリアの退廃した雰囲気が混ざったビル群煙突群。黒い煙りを吐き続け空は曇り常に町は薄暗い。

 私たちは十人程で固まり行動している。小さな子供から青年老人と世代はバラバラ。私自身はその中の誰なのかはわからないがその中の一人である事は確かだ。
 何故集団行動かというと単独での行動は危険なのだ。街には移民の少年達によるストリートギャングが群雄割拠している。いつどこで襲われるかわからない。彼らはローラーブレードで移動しながら周りを威嚇して回る。日本人の我々はターゲーットにされ易く危険だ。

 私たちはスーパーマーケットで買い物をしていた。勿論昭和なスーパーマーケット。外は危険だが店内は多少安全だ。生鮮コーナーでは頭の薄い小太りでどうしようもく許したくなるよーな百万$の笑顔のおっさんが太刀魚を勧め私たちの集団の中にいるお婆さんがそれを買った。他の人たちも何か買ってたが覚えてない。

 スーパーを出ると泉谷しげる系オッサンが息を切らせ駆け寄って来て「タイマーを見ろ!」と言う。皆いそいそと懐等からストップウォッチみたいなのを出す。私だけ持っていない。このストップウォッチみたいなタイマーはとあるお店(実在する近所の店なので一応伏せておく)で配られたモノ。ある決められた時間迄に返却しなければいけない。でないと何かトンデモナイ事になるらしい。ならば早めに返却するか最初から受け取らなければよいのだがそうはいかないのが夢の中。
 皆のタイマーの示している時間はバラバラ。時間の進み方も人によって違い一定ではない。イキナリ進んだかと思えばズーット止まっていたり。しかしタイムリミットは皆同じ。01.23.77:07。
 太刀魚を買ったお婆さんのタイマーが時間をオーバーしていた。

 電車なら間に合うと皆で駅へ急ぐ。急いでいるのに途中駄菓子屋に寄り御焼香をあげ手を合わせる。駅は陸橋の下。というか城のお堀の底が線路になっている。皆で下へ降り細長いプラットホームを走る。

 両側には五階建てくらいの木造アパートが花屋敷のコースターみたいに迫ってる。どの窓からもクルド人の旗が掲げられている。
 気が付くとストリートギャング達がローラーブレードで追ってくる。私たちは必死で細長いプラットホームを走り逃げる。ストリートギャングと同じ方向から電車も来た。電車は止まる気配はないがドアは開いた。飛び乗るしかない。皆飛び乗る。しかし私だけ乗り損ね電車はスピードを上げ行ってしまった。

 ストリートギャング達はまだ私を追いかけてくる。私は必死で走る。気が付くとストリートギャング達は私を追い越しさらにスピードを増して走って行く。
 進行方向の先には壁。兎に角高い壁。真ん中に直径30センチ程の穴がある。彼らはこの穴めがけて飛び込む。しかし皆失敗。壁に追突してペシャンコに潰れる者、辛うじて穴には入るが手足が引っかかり千切れ飛ぶ者、首が飛ぶ者。壁の穴周辺は血塗れ。

 私は穴には入ろうとせずそのままスピードを殺さず壁を垂直に登る。血で滑りそうになりながら必死で垂直に登って行く。途中でバランスを崩し手をつきそうになり指先が壁に触れると電流が走った。こいつはヤバイっとどうにか体勢を立て直す。
 気が付くとかなり高い所迄きた。ここで気を抜くと一気に地面へ叩きつけられる。兎に角登り切るしかない。

 いつのまにか壁は煙突になっていた。どうにか煙突を登り切り天辺に立つと海が見えた。砂浜。
 遠くから何か沢山のモノがやってくる。海からあがってくる。上陸してくる。ゆらゆらと。こいつらは某国の送り込んだ人造人間兵士だ。身長20m程で全身金色全裸男性型。頭には何故かシルバー仮面風のマスクを被り灰色のマントをして右手に剣左手に楯を持っている。こいつらが何百何千と上陸してくる。エヴァ量産型みたいにのそのそとゆらゆらとそれでいて俊敏。
 そして水から上がったヤツから何かを体に塗り始める。そいつをを塗ると体が見えなくなる。光学迷彩のような感じだ。しかし頭部には塗らない。シルバー仮面風マスクは残す。すると塗り終わった連中は皆ゆらゆらと安っぽいUFOが飛んでるみたいなる。そんなUFOが何百何千とゆらゆら。

このままでは侵略されてしまうっ。と自衛隊出動。自衛隊員たちはペンシルロケット型注射器を腕にうちまくる。すると苦しみ悶えながら巨大化する。そしてビッグXになる。見た目もビッグX。ちゃんと手塚治虫な画風。でもって何故か貼り付けたよーな笑顔。身長20mに貼り付いた笑顔。

 貼り付いた笑顔のビッグX自衛隊員達は上陸してくる光学迷彩の兵隊共を阻止するべく一斉に波打ち際に駆けてゆく。お互いがぶつかると光学迷彩が無効化され金粉全裸姿が露わになる。しかし金粉全裸コマンドは強い。ビッグX自衛隊員一人に対して金粉全裸コマンド三人でかかる。金粉二人で押さえ込み一人が剣で刺す。それでもビッグX自衛隊員は相変わらず貼り付いた笑顔だ。そして最後は首をはねる。そして金粉全裸コマンドは誇らしげにポーズを決め空を飛び去って行く。そんな戦いが波打ち際で繰り返される。
 金粉全裸コマンドが去った後に残るのはビッグX自衛隊員の生首。生首ゴロゴロ。勿論貼り付いたような笑顔がゴロゴロと。

おはようございます。

(夢日記。2007年02月07日のブログより)

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