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アナザー・フォーチュン・ストーリー



第一回「キノコ大乱闘の巻」

 目にも眩しい木漏れ日の中、わたしたちはみんなでズールの森にあるクネクネした道を歩いていた。
 ルーミィの背の高さくらいの雑草が生い茂っていて、草の匂いが全身を包みこむ。
 雑草には小さな白い花が咲いていて、風に揺れていた。
「ぱぁーるぅ、ルーミィ、おなかぺっこぺこだおう。どこえおべんとしゅるんあ?」
 今日はレモンイエローのジャンプスーツにふわっとした半袖の白いブラウス姿のルーミィ。ふわんふわんのシルバーブロンドヘアーは日差しのなかで輝いていた。
「まだまだよ。だって、ほら、お日様見てみて。まだてっぺんにないでしょ?」
 空を見上げ、ルーミィは不満そうにぷくぷくほっぺをふくらませた。
「おひしゃま、はやくー!! はやくああれ!! おしょいおしょい!!」
 お日様に文句を言う人ってあんまり見ないよね。
 いつもかわいいけど、今日は特にかわいい。
 わたしはこのぷくぷくほっぺに弱い。できるだけ願いは叶えてあげたいって思っちゃう。
「まぁ、でも、そろそろいいかもね。わたしもちょっとおなかすいてきたかも」
 そう言うと、ルーミィはぴょんぴょこジャンプして喜んだ。
「やっちゃあ、やっちゃあ!!」

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フォーチュンは完結しましたが、「ここ旅」はこれから始まります! (このマガジンは一回読み切りとなっております。だいたい2ヶ月に一冊と考えていますが、基本は不定期です。)

フォーチュン・クエストが無事完結致しました。 たくさんの読者の方々からの熱い気持ちを受け、初のウェブマガジンを作ることにしました。 サイド…

よかったらMP補充、よろしくおねがいします。無理のない範囲で!! そのMPで次の執筆がんばります。